近年、取引先や委託先を経由して企業の情報システムに侵入するサイバー攻撃が深刻化しています。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」※2でも、「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が組織編の2位に挙げられ、8年連続で選出されています。
一方で、発注企業には、取引先の対策状況を外部から把握しづらいという課題があります。取引先の数が多い場合には、チェックシートの配布・回収・確認に多くの工数がかかります。また、取引先との関係に配慮しながら、どの取引先にどの水準を求めるかを判断する必要もあります。
こうした課題に対応するため、経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室は、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価・可視化するSCS評価制度の整備を進めています。2026年3月27日に制度構築方針が公表され、★3・★4は2026年度末頃の制度開始(申請受付の開始)を目指しています。要求事項の具体的な実装例などをまとめた評価ガイド等は、2026年秋頃を目途に公表される予定です。
同制度への参加は任意で、企業のセキュリティ対策の水準を競わせるのではなく、対策状況を可視化する仕組みとされています。一方、2社間の取引契約等では、発注企業が取引先に適切な水準(★)を提示し、実施状況を確認することが想定されています。準備には一定の時間を要するため、評価ガイドの公表を待たずに着手できる部分から進めることが有効です。
◆本支援の位置づけ
本支援は、NRIセキュアがこれまでさまざまな企業に対して提供してきたセキュリティコンサルティング、アセスメント、取引先管理支援、各種セキュリティ対策支援を、発注企業によるSCS評価制度への対応という切り口で体系化した支援メニューです。方針策定から教育までを一連の流れで進めることも、必要なメニューのみを個別に利用することも可能な構成とし、取引先管理にかかる工数の抑制を図ります。
制度の詳細は今後も具体化されるため、NRIセキュアは、現時点で発注企業が着手できる水準の整理や取引先の現状把握から先行して支援し、評価ガイド等の公表に応じて、支援メニューを順次拡充していきます。
◆支援する主な領域
NRIセキュアは、「方針策定」「可視化」「分析・報告」「運用・改善」のサイクルに沿った取り組みを、次の4つの領域で支援します。
1. 方針策定支援
取引の重要度や性質を踏まえ、どの取引先にどの★水準を求めるのか、対象範囲・優先順位・ロードマップを整理します。取引先との関係に配慮した要請の設計(要請文面の整備、段階的な適用ルール(猶予措置)の検討、代替策の提示)や、評価基準の整理、取引先の対応状況の評価・確認も支援します。発注企業自身が★取得を目指す場合は、対応状況を可視化するアセスメントサービス(2026年6月提供開始)※3も活用できます。これらの検討は、NRIセキュアが無料で提供するひな形・ガイド(依頼文書、委託先トリアージ表、社内説明資料、管理台帳など)を活用して発注企業自身で進めることもでき、専門家による支援は必要な部分のみ選んで利用できます。
2. 可視化
セキュリティ対策実行支援プラットフォーム「Secure SketCH 3rd PARTY」※4を活用し、取引先の対応状況の可視化、取引先による自己評価、進捗の一元管理を支援します。取引先の数が多い場合でも、継続的に評価・確認・改善要請・進捗管理を行える運用を整えます。
3. 分析・報告
評価の結果を分析して優先的に対応すべき課題を整理し、対策の立案から実行支援、改善状況の継続的なモニタリングまでを支援します。
4. 運用・改善
経営層向けの勉強会、評価・確認を担う担当者の教育、従業員向けの研修など、役職やスキルに応じた教育・研修を提供します。セキュリティ人材育成の一環として、関連資格(公認情報システム監査人(CISA)、CISSPなど)の取得支援にも対応します。
◆NRIセキュアグループの連携による支援体制
本支援では、発注企業側の方針策定、取引先管理、全体設計を、NRIセキュアが中心となって支援します。発注企業の取り組みは、取引先側の対応が進むことで実効性を持ちます。このため、発注企業からの要請を受けて★取得を進める取引先・委託先企業については、株式会社ユービーセキュアと連携して支援します。また、自動車産業においては、株式会社NDIASと連携し、自動車業界のガイドライン等も踏まえた取引先の現状把握・可視化を支援します。これにより、業種や、取引上の立場が異なる取引先まで支援が届く体制を整えます。
NRIセキュアは、2000年の設立以来、企業・組織のセキュリティ対策、リスクアセスメント、法規制・ガイドライン対応、取引先管理の高度化を支援してきました。これらの知見とグループ各社の専門性を活かし、SCS評価制度への対応をサプライチェーン全体のセキュリティ水準向上につながる取り組みとして支援します。
◆ 今後の展開
今回提供する発注企業向け支援とは別に、NRIセキュアグループでは、発注企業からの要請を受けて★3・★4の取得を進める受注企業(取引先・委託先)向けの支援メニューについても、提供に向けた準備を進めています。詳細は決まり次第、あらためてお知らせします。
本支援の詳細は、次のWebサイトをご参照ください。
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NRIセキュアは今後も、企業・組織の情報セキュリティ対策を支援するさまざまな製品・サービスを提供し、安全・安心な情報システム環境と社会の実現に貢献していきます。
用語解説
【用語解説】
※1 SCS評価制度
正式名称は「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」。経済産業省および内閣官房国家サイバー統括室が整備を進める制度で、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価・可視化するものです。対策の水準は★の数で示され、★3は専門家の確認を伴う自己評価、★4は第三者評価によることとされています。
出典:経済産業省「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針」(2026年3月27日公表)
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※2 「情報セキュリティ10大脅威」
前年に発生した情報セキュリティ事案の中から、社会的影響が大きいと考えられる脅威候補をIPAが選定し、有識者などで構成される選考会の審議・投票により決定されたものです。
※3 「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」向けアセスメント
NRIセキュアが2026年6月30日に提供を開始した、SCS評価制度が定める水準(★3・★4)への自社の対応状況を、セキュリティ対策実行支援プラットフォーム「Secure SketCH」上で可視化するサービスです。本リリースで提供開始する支援メニューは、このアセスメントを含め、発注企業がSCS評価制度への対応を進めるための支援を体系化したものです。
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※4 Secure SketCH 3rd PARTY
NRIセキュアが提供する、取引先・委託先のセキュリティ対策状況を評価・管理するためのプラットフォームです。チェックシートの配布・回収・集計にかかる負荷を軽減し、発注企業と取引先の双方で対応状況を共有しながら、継続的な改善を支援します。
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