MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスとグループ各社のITシステムを担当するMS&ADシステムズは5月10日、保険事業会社の情報システム開発において「セキュリティ・バイ・デザイン」に基づく開発工程を整備したと発表した。NRIセキュアテクノロジーズが支援した。
この工程では、システム開発をパートナーへ委託する際、提案依頼書(RFP)と「セキュリティ対策充足確認資料の記載要領」を提示する。パートナーは、これらを基にシステム提案書と「セキュリティ設計書資料」をMS&ADグループ側に提示。これにより保険事業会社が、システムの設計段階で必要なセキュリティ要件に漏れがないかを評価できるようした。
MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスによれば、2022年度に開始した中期経営計画に基づいて、事業環境の変化に対応するために、グループの保険事業各社で情報システム開発をスピードアップさせているという。しかし、システム開発の最終段階で行うセキュリティ診断で問題が判明すると開発作業をやり直す必要があり、開発コストの増加やシステム稼働の延期といった課題があった。
部門システム導入におけるプロセスのイメージ
新工程のベースになるセキュリティ・バイ・デザインとは、脆弱(ぜいじゃく)性などセキュリティ上の欠陥やリスクをシステムの設計段階から可能な限り減らすための考え方。これによって、工程の後ろで実施するセキュリティ診断で問題が発覚する頻度や深刻度を軽減することにつながり、コスト増やリリース延期などのリスクも低減できるとしている。