情報関連製品を扱う理経は6月、サーバ同士を接続して処理性能を上げるためのネットワーク規格である「InfiniBand」製品を出荷する。開発会社はInfiniBand製品大手の米Topspin Communications。価格は200万円から。初年度販売目標は2億円で、今後1〜2年以内に年間20億円の売上げを見込む。理経は同社の販売代理店の1社であり、国内では2004年3月に日商エレクトロニクスが出荷済み。
InfiniBandとは、複数のサーバ同士をCPUバスやメモリ接続バス、I/Oバスのレベルで密につなぐインターコネクト技術である。従来はサーバ内部で閉じていたバスを、複数サーバで共有するものだ。主要な構成要素は、サーバ同士を接続するためのネットワーク・スイッチ、サーバに接続するアダプタ、アダプタとスイッチをつなぐネットワーク・ケーブルである。
InfiniBandの主な用途は、複数の物理的なサーバ群を仮想化し、1台の論理的な巨大サーバとして使うスケープアップである。例えば米Oracleのクラスタリング技術であるRAC(Real Application Clusters)は、InfiniBandのようなシステム間接続機構を用いて複数システム間でデータをやり取りし、負荷を分散する。
2005年のこの時期にInfiniBand製品の取り扱いを決めた理由について理経は、「実用化フェーズに入っており、今後、短期間に急成長する」と分析。SIベンダーがユーザー企業へシステムを納入する際に、処理性能を上げるためにInfiniBandを提案・導入するケースが増えると見ている。