ヴィーム・ソフトウェア(Veeam)は、中央大学がバックアップソフト「Veeam」を採用し、クラウドデータマネジメント環境を構築したと発表した。5000人以上の学生を抱える後楽園キャンパスの理工学部/理工学研究科向け教育・研究用システムの新基盤に「Veeam Backup & Replication(VBR)」、約600人の教員メールのMicrosoft Office 365に「Veeam Backup for Office 365」を導入した。
中央大学が基盤を刷新した背景には、年々増大するデータに伴うバックアップの長時間化、3種類のバックアップツールの利用による運用の煩雑化があったという。また旧基盤上で複数バージョンの「VMware vSphere」が稼働していたため、いかに新基盤へ移行するかも課題となっていた。
同大学はVBRを採用することで、まず新基盤への移行を簡素化。そして、VMware vSphereにおける新旧バージョンの差異をVBRで吸収し、短期間でデータを移行した。
オンプレミスの仮想基盤のデータマネジメントをVeeamに統一することで、学生向けのeラーニングや学習管理システムを含む重要な教育システムの安定した稼働と、バックアップ運用負荷の軽減を実現したという。さらに、Microsoft Office 365に移行したメールデータの確実な保護もVeeamで行い、Veeamの単一プラットフォームでオンプレミスとクラウドに渡り、シンプルなデータマネジメント行ったとしている。
新基盤稼働後はVBRのストレージ連携機能も活用することで、バックアップにかかる時間を約60%短縮し、深夜作業の廃止につながった。復旧については、大容量データベースシステムの場合、最大2日程度かかっていた処理が2~3時間で完了するようになり、約95%の時間短縮を実現した。また3つ存在していたバックアップツールをVeeamに一本化したため、運用手順の標準化や学習コストの削減などを通じ、約1/3程度に工数を低減できているという。さらにVeeam Backup for Office 365の導入により万が一の際、過去にさかのぼってデータをリストアできるようになったため、事業の継続性を確保することが可能になったとしている。