「Google Chrome 3.0」開発者向けプレビューが公開に--HTML動画のサポートを追加

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:編集部

2009-05-29 11:51

 Googleは、同社が提供する「Chrome」ブラウザにおいて、広く普及しているAdobe SystemsのFlashに代わる動画再生技術として、新しいHTML機能のサポートを開始した。もっとも、この新技術はまだ全体的に荒削りである。

 同技術のサポートは、米国時間5月27日に「Chrome 3.0」への取り組みを開始した開発者向けプレビューバージョンの「Chrome 3.0.182.2」に搭載される。HTMLでの動画対応は、現在規格策定中のHTML 5に含まれる有用な技術の1つで、Googleは同技術によって、ウェブが比較的静的なサイトの集合体から、PC上にあるアプリケーションに匹敵する本格的なアプリケーションを実行できる基盤へと姿を変えることを望んでいる。

 HTML内の「video」タグは、既にさまざまなバージョンのAppleの「Safari」や「Firefox」「Opera」で利用可能だ。このタグは、少なくとも理論上は、ウェブ上の動画処理を画像処理と同じくらい容易にする。しかし、videoタグを含むHTML 5規格は、まだ確定していない。従って、コード面での革命が起きるは、しばらく先のことになるだろう。

 videoタグを使えば、FlashやMicrosoftの競合プラグインである「Silverlight」がそうしているように、通常の表示スペース内に、動画を表示することができる。しかし、videoは、ウェブサイトのより深い部分に組み込むことも可能だ。格好の例を挙げると、Paul Rouget氏はHTML動画のデモ用動画の中で、外観を動的に変更するJavaScriptプログラムを使って、画像やテキストボックス、動画を別の動画に重ねている。

 GoogleのエンジニアリングディレクターであるMatthew Papakipos氏は27日、「Google I/O」カンファレンスで、HTML 5動画はウェブサイトのプログラミングとの密接な連携を可能にするため、例えば、ウェブサイト上でのさまざまなアクションによって、いろいろな動画の再生を開始したり、停止したりすることが可能になる、と述べた。

 HTML 5の普及には、まだ乗り越えなければならない問題が山ほどある。ブラウザによるサポートは、その始まりにすぎない。それを解決しても、ブラウザの互換性や、同技術をサポートするブラウザへのユーザーによるアップグレード、ウェブサイトにおける同技術の現実的な利用方法など、多くの課題が残っている。

 これらが難しい問題であることは、動画娯楽サイトの「DailyMotion」が証明している。DailyMotionは27日、2009年第3四半期までに、HTML 5動画技術で視聴可能な動画を30万本用意する計画を発表した。DailyMotionは、動画の視聴に<「Firefox 3.5」のベータバージョンを推奨している。筆者が試してみたところ、Firefox 3.5のベータバージョンでは正常に機能したが、Chromeの最新の開発者向けバージョンと「Safari 4」ベータでは、Flashを使った動画再生に切り替わった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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