仮想化だけでは改善しない電力効率の問題を解決するAPC「InRow冷却システム」

ZDNet Japan Ad Special

2010-04-21 12:00

[PR]仮想化技術によってサーバの集約・統合を図り、消費電力を削減しようとする動きが盛んだ。しかし、データセンター全体で見るとむしろ電力効率が低下することがままあるという。このジレンマを解決するのがAPC Japanの「InRow冷却システム」である。

■IT機器の高密度化に潜む、冷却効率低下という落とし穴

 “グリーンIT”が強く求められている昨今、仮想化技術によってサーバの集約・統合を図ることで、消費電力の低減を図ろうとする試みが盛んに行われている。確かに、仮想化によってサーバなどの台数を削減できれば、IT機器自体が消費する電力は減らすことが可能だ。

 しかし、ここで落とし穴となるのが、一般的なデータセンターで消費される電力量のうち、IT機器に由来するのは半分以下に過ぎないという点だ。実際には電源装置や空調システムなどIT機器をサポートする周辺設備による消費電力のほうが大きく、ここをいかに減らせるかがデータセンターの省エネルギー化における重要なポイントとなっている。

 また、サーバの集約によってIT機器の密度や稼働率が高まることで、室内の発熱はよりスポット化する傾向にある。その一方で、多くのデータセンターでは部屋全体の温度を下げるための空調システムでIT機器の冷却を行っている。このため、高密度化したIT機器を十分に冷却しようとすると空調を強化する必要があり、空調システムの消費電力増大によって、データセンター全体で見るとかえって電力効率が落ちてしまうというジレンマを抱えている。

■データセンター全体の効率向上に必要な答えは「列単位の冷却」

 この問題を解決するためには、IT機器だけでなくデータセンター全体のアーキテクチャを抜本的に見直す必要があるが、その要となるのが「部屋単位の冷却」から「列単位の冷却」への転換だ。

 無停電電源装置(UPS)やラックシステムで知られるAPC Japanでは、ラックの列(Row)の中に組み込む「InRow冷却システム」を開発し、これによって列単位の冷却を実現している。列の中に冷却システムを組み入れることで、高温の排気を室内の空気と混じり合う前に取り込み、冷水や冷媒が流れる熱交換器に送ることで、IT機器を効果的に冷却するとともに、部屋の空調システムの効率を向上させることができる。

 また、多くのデータセンターでは将来的な拡張に備え未使用のラックが残されているが、従来型の部屋単位の冷却システムでは、そこにIT機器が搭載されることを見越して空調を配備しておく必要がある。しかしながら列単位の冷却システムにおいては、実際にラックが埋まっていくのに応じて冷却機器を配備していけば良いため、投資効率が良いというメリットもある。

■日本オラクルではInRow冷却で大幅な高密度化、運用効率向上を実現

 日本オラクルでは、都内7カ所に分散していたサーバールームを1フロアに集約するため、APCのInRow冷却システム「InfraStruXure InRow RC」を導入した。IT機器の台数を変えないまま設置スペースを4分の1に削減するというプロジェクトで、空調に頼る従来の冷却システムでは難しい大幅な高密度化を実現した。

 しかも、従来は室内の熱密度が均一になるよう、各ラックに搭載する機器や搭載の順序を綿密にプランニングする必要があったが、InRow RCは各システムが自律的(または自動的)に冷却出力を調節するため、空きラックを気軽に利用することが可能になったという。同社のサーバールームでは、最新のハードウェアやユーザーの環境を持ち込んでオラクル製品の動作検証が行われるため、IT機器の入れ替えが頻繁に発生する。冷却に気をつかうことなく任意の場所で検証を行えれば、作業効率が大きく向上する。

 以上のように、InRow冷却システムの導入はデータセンター全体の電力効率を向上させ、電力コストとCO2の削減に貢献するだけでなく、投資・運用効率の改善にも寄与するものとなっている。このほか、APCのホワイトペーパーでは電源装置、負荷の変動、各機器の配置といった、データセンターの効率に関係するさまざまな要素を最適化する方法について解説されている。グリーンITというとサーバなどIT機器自体の省電力化だけに目が奪われがちだが、データセンター全体の効率をいかに高めるかという視点が求められている。

列の中に冷却システムを組み込むことで、空調装置の効率が大幅に向上する
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