クラウドで可用性を高めよ!ITR金谷氏、ソニー銀行別所氏が講演

ZDNet Japan Ad Special 2018年11月26日 11時00分

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[PR]ZDNet Japan/AWS Partner Network主催セミナーより。ITR金谷氏による講演、AWSのユーザー企業であるソニー銀行による自社事例の講演内容をまとめる。

「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」をテーマにした全6回の連続セミナーが開催されている。2018年10月10日に実施の第2回のテーマは「バックアップ/ディザスタリカバリ(DR)」となった。基調講演とAWSのユーザー企業であるソニー銀行の講演の内容をお届けする。クラウドを活用してシステム全体の可用性を高めることが、いかに企業価値の向上につながるか強調される内容となった。

基調講演:「DRを含めてアーキテクチャを構想化」が必要

ITR
取締役
リサーチ統括ディレクター
プリンシパル・アナリスト
金谷敏尊氏
ITR
取締役
リサーチ統括ディレクター
プリンシパル・アナリスト
金谷敏尊氏

 基調講演にはITR 取締役 リサーチ統括ディレクター プリンシパル・アナリストの金谷敏尊氏が登壇。「クラウドシフトを見据えた ディザスタリカバリのあり方」と題して、ビジネス継続に貢献するクラウド・アーキテクチャとはどのようなものか、市場動向を明らかにしつつ、DRを具現化するクラウド活用のあり方を解説した。

 金谷氏はまず、ITRが行っている調査結果などを用いながら、クラウド市場の現状と利用動向を概観。エンタープライズITが複雑化するなか、クラウドは、経営面に対して、コスト削減、オフバランス化、ビジネススピードへの追随、資源利用の効率化、グローバル展開、選択と集中といったメリットをもたらしてきたという。現在はプラットフォーム化が進み、差別化が可能な領域は、IaaSやPaaS、SaaSなどからより上位層に移行していると指摘する。

 「クラウドの是非を議論する時代は過ぎ去り、クラウド市場は成熟期のポジションにあります。今後、企業はクラウドを活用することが避けられなくなります。システムの構築段階でDRを含めてアーキテクチャを構想化することが重要です。DRを緊急時のみの“例外”と捉えるべきではありません」(金谷氏)

システムの重要度に応じた適材適所の対策を講じる

 では、企業はどのようにDRに関する方針を立案し、実行していくことが望まれるのか。金谷氏はまず、事業活動の多くをITシステムが支えている現在では、災害に被災することで、システムやデータが使えなくなる事態に十分に備えておく必要があると、企業におけるITの重要性を改めて指摘。そのうえで、次のようにポイントを述べた。

 「限られた予算内で、データやシステムの重要度に応じた最適なソリューションを組み合わせて提供すること。また、ビジネスインパクトの大きい領域への対策(公共系システムのサービスレベルなど)は経営イシューとして認識し、IT/ビジネス部門はその判断材料を提供することが重要です」(金谷氏)

 推進のフローとしては、ビジネス影響分析(BIA)を軸に、事業継続(BC)のための計画とDRのためのIT施策を符合させながら実施する。それぞれの施策は「合わせ鏡」のようにペアとして構成し、システムの重要度に応じた適材適所の対策を講じていく。また、DRではRTO(復旧時間目標)、RPO(復旧時点目標)の設計において、クラウドの活用を検討することが1つのポイントとなる。

 クラウドは、本番の3倍とも言われた旧来方式のDRを1.x倍で実現することが可能になるという。特にインフラ系のDRでは、仮想化/クラウド技術と親和性が高く、活用が望まれる。

 金谷氏は最後に次のように述べ、講演を締めくくった。

 「クラウドを使ったDRによって、冗長化や負荷分散、品質管理、SPOF(単一障害点)回避といった予防対策を軽減できます。高可用性の確保へ向けて、クラウドサービスによる広域HA/DRは有益な対策です。コスト効果の高さを認識し、クラウド技術の特性を活かした災害対策を採用すべきです」(金谷氏)

ソニー銀行:金融機関は重要業務への可用性要件の水準が高い

ソニー銀行
システム企画部
シニアマネージャー
別所徹氏
ソニー銀行
システム企画部
シニアマネージャー
別所徹氏

 ソニー銀行のセッションでは、システム企画部 シニアマネージャーの別所徹氏が登壇。「ソニー銀行におけるAWSの活用状況と可用性向上策について」と題して、AWSの特性を活かした可用性向上策や、AWS大阪ローカルリージョンを活用したバックアップサイトの構築の取り組みを紹介した。

 「フェアである」ことを企業理念に掲げ、インターネットを活用した個人のための資産運用銀行として、2001年6月に開業したソニー銀行。新しい取り組みへのチャレンジを続け、大きく成長してきた。サービスサイトの「MONEYKit」では現在、円預金、外貨預金、住宅ローン、11通貨対応のVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」、投資型クラウドファンディングなどさまざまな金融商品を提供している。

 ITシステムもこうした多彩な金融サービスの提供にあわせて、日々高度化・複雑化している。別所氏は「システム停止時の影響は大きく、可用性を考慮したシステム設計が求められます。特に金融機関においては、勘定系システムなど重要業務に対する可用性要件の水準は高く、日本国内のバックアップサイト構築など各種対応が必要です」と、その重要性を説明する。そんな状況のもと、ソニー銀行が可用性の向上策として活用してきたのがクラウドだ。

 「クラウド導入の目的は、ITコストの最適化と、柔軟性・俊敏性の向上にあります。2011年頃から検討を開始し、2013年末に一般社内業務システム、銀行業務周辺系システムでAWS東京リージョンを活用する方針を決定して、その後段階的に導入を拡大してきました」(別所氏)

AWSでのシステム構築のポイントは可用性の確保

 ソニー銀行では、社内および銀行周辺系システムは2018年度にAWSへの移行を完了する予定だ。

 「AWSでシステム構築する際には可用性をどう確保するかがポイントです。特に、オンプレミスから移行する場合に単純に同じ構成にしないこと、過剰な投資にならないようコストを勘案することに気をつけました」(別所氏)

 具体的には、移行の際に、個別システムごとに機能要件・非機能要件を再確認し、それらの要件を満たしたうえで代替できるAWSサービスがあれば、そのサービスに合わせて構成を見直した。また、利用するAWSサービスについて、基本機能ですでに可用性が考慮されている場合には、その前提で余剰構成を排除した。さらに、複数の構成パターンを比較検討し、最もコストメリットのある案を採用するといった工夫を行ったという。

 別所氏は、実際に行った可用性向上策について、顧客メール受信、リスク管理システム、決済ワークフロー、バックアップ、回線冗長化などの各システムについて、構成を解説した。

 「個別システムの可用性要件は、個々の業務特性に起因する要件に加えて、社内規程として定めた可用性水準を満たすことを基本とし、定義しています。例えば、バックアップデータの取得・保管については、本番系システムは、システム/データバックアップを取得し、同一リージョン内に隔地保管します。また、重要なシステムは、上記に加え日本国内の別リージョンにバックアップデータを保管します」(別所氏)

被災ケースにより複数の切り替えパターンを設計

 ソニー銀行ではAWSへの要望を積極的に行っており、特に、国内第二リージョンについては、2014年夏以降、複数回にわたって、FISC安全対策基準の内容や国内金融機関に求められる信頼性などを伝えてきた。そんななか、AWSは2017年5月のAWS Summitで「大阪ローカルリージョン」の開設を発表。これを受けて、ソニー銀行は2017年冬、勘定系の一部である財務会計システム(総勘定元帳)のバックアップサイトとして、大阪ローカルリージョンを利用する方針を決定した。財務会計システムは、2019年秋以降にAWS上で本番稼働する予定となっている。

 財務会計システムについては、東京リージョンから大阪ローカルリージョンへデータを同期し、被災時には大阪側でシステム起動する方針だ。オンプレミス側のデータセンターとのシステムとデータ連携を行い、AWS側だけでなく、オンプレミス側のデータセンターが被災することも想定し、被災ケースに応じた環境切り替えパターンを設計している。

 将来的には、Amazon S3バックアップの仕組みをAWS大阪ローカルリージョンに延伸し、クロスリージョンレプリケーションでS3データを大阪に転送することで、簡易に遠隔地バックアップを構築することも検討している。

 別所氏は最後に、「これまでは、クラウドファースト/ハイブリッドクラウドが求められてきましたが、今後は、クラウドオンリー/マルチクラウドが重要になると思います。『どこまでクラウドにするのか』から『どのクラウドにするのか』が問われる時代だと考えています」と述べ、今後もAWSを軸としたクラウドへの取り組みを加速させていくと強調した。

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