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SAS講演レポート:セルフサービスBIの選定、失敗しないポイントは?

ZDNET Japan Ad Special

2016-07-14 11:00

セルフサービスBIの課題を全体最適の視点から解決

 セルフサービスBIの登場により、ビジネスユーザーが直接データを活用して、ビジネスの現場で生かすことができるようになった。だがユーザーの自由度が高まったことで、新しい課題も生じている。その一つが、「データの品質」にかかわる問題だ。

安海栄幸氏
SAS 安海栄幸氏
ソリューションコンサルティング本部
情報基盤イノベーショングループ 部長

 SASのセッションでは、ソリューションコンサルティング本部情報基盤イノベーショングループ部長の安海栄幸氏が登壇。IT部門がデータガバナンスを確立し、ユーザー部門のセルフサービスBI活用を推進できる、"マネージド・セルフサービスBI"のアプローチを紹介した。

 安海氏は、セルフサービスBIの課題の1つとして「データ品質の低下」を挙げ、次のように説明した。

 「セルフBIで現場の課題解決を目的にデータを扱う結果、データストアが分散したり、マスタデータが加工されて統一性がなくなるケースがあります。また、部門ごとにルールが策定されることが多く、それではプロセスや結果への担保ができない状態につながります」

 課題は「データの統合」や「整備」をどう行っていくか、だけではない。ユーザーの利用を阻害せずにセルフサービスを意識した統制をどう行うか、データ活用を高度化していくために拡張性のあるシステム環境をどう作るか、といった観点も重要だ。こうした「データ」「統制」「システム環境」といった代表的な3つの課題を解決するのが、「マネージドセルフサービスBI」である。

 「マネージドセルフサービスBIは、従来型BIであるマネージドBIと、セルフサービスBIの長所をそれぞれ取り入れて、全体最適を行うアプローチです。マネージドBIは、IT主導型で拡張性を持つという特徴があります。一方、セルフサービスBIはビジネス主導型でアジャイルです。現状のビジネス課題を見て最適な手法を選択することが重要です」(安海氏)

ビジネスとIT側の双方の価値を最大化する「マネージドセルフサービスBI」

 マネージドセルフサービスBIを実践するうえでは、3つの観点が重要になるという。

 1つめは、オーナーシップの違いだ。ユーザー部門とIT部門の、どちらがデータの所有権を持つかで取り組みは異なる。ここにおいてIT部門とユーザー部門の密接な連携は必須だ。

 2つめは、導入アプローチの違いだ。従来型BIはデータドリブン方式であり、IT部門の視点から、統制・ガバナンスを重視していた。一方、セルフサービスBIはアジァイル型だ。ニーズとスピードを重視する。このような、IT部門とユーザー部門の「ニーズの違い」を読み取る必要がある。

 3つめは、想定する利用形態の違いだ。従来型BIは、ダッシュボードやモニタリング、定型レポートとしての利用を想定しているのが一般的だ。しかしセルフサービスBIでは、自由分析やディスカバリー、非提携レポートの利用が主になる。利用形態に応じて柔軟に機能を提供できるかが、カギとなってくる。


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 安海氏はこうしたことを踏まえ、「集中管理と統制を効かせ、制約を最小限にしたビジネス環境を構築していくことが重要」と指摘する。

 その際には、システム開発や運用などの業務から全社的なデータまでを管理する「データスチュワード」といった役割も重要になるという。この役割を通じてエンドユーザーを支援し、データの把握を容易にしたりや、分析に活用できるデータの提供・提案などを行う。

 SASが提供しているのは、こうした取り組みを支える「マネージドセルフサービスBI」のフレームワークだ。データの準備から編集・体系化、対話的レポーティング、ダッシュボード、データディスカバリ、セルフサービス分析などの機能が、「SAS Visual Analytics」「SAS Enterprise Guide」「SAS Data Management」「SAS Add-in for Microsoft Office」といった製品から利用できるのである。


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 最後に安海氏は「マネージドセルフサービスBIは、アナリティクスに通じる第一歩です」と呼びかけた。「よりよい意思決定を行うには、ビジネスとIT側の双方の価値を共有し、新たなステージに向かう必要があります」と、マネージドセルフサービスBIが全社的なデータ活用に向けた最初の取り組みとして最適であることを訴え、講演を終えた。

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