ITは業績にどの程度の影響を与えることができるのか
IT部門とビジネス部門。世界的な不況を乗り切り、新たなビジネスの価値を生みだすには、企業においてこの二つの部門が同じ言語で話し、経営上の目的と目標に向かって足並みを揃えて進むことが非常に大切である。これを実現するための方法に重要業績評価指標、いわゆる「KPI」がある。経営の分野ではすでにお馴染みの存在だが、企業の業績ベースでのKPIの活用はようやく理解されはじめたというのが現実だろう。
多くの企業はKPIの重要性を認識しているが、一方でIT部門の幹部は販売支援から顧客サービスまで、一律に安易な予算カットを余儀なくされているというケースも少なくない。実際にCIOと経営層の多くの人がIT予算の削減によって、自社が危機にさらされていると感じている。
IT部門は新しい製品やサービスの作成、ビジネス・プロセスの有効性やパフォーマンスの改善といった本来の業務に集中できるようすることが大切だ。IT部門とビジネス部門が協働でビジネス・プロセスを綿密に検討できるようになると、ITコスト削減努力の最大10倍にもなる投資効果が得られるのである。
パフォーマンス主導型の企業への移行がキーポイント
IT部門とビジネス部門の相乗効果によって業績を大きく向上させるためのキーワードがある。それは「パフォーマンス主導型の企業」だ。パフォーマンス主導型の企業は、KPIの使用で定義されるとおり、1つの重要項目に対して一致した見解を持つ組織へと変革し、縦横にわたって同じ戦略的意図を持つことで、ひとつの目的に向かうことが可能となるのである。
さらにビジネス・ユニットとチームが補助KPIを定義することで、経営戦略を主流に下層から上層に向かうKPIの階層が生まれる。これによって、戦略の定義方法の改善や、ビジネス・プロセスの改善機会を測定してターゲットを見定めることなどが容易になり、ビジネスの最前線にいるビジネス部門での革新を促進することが可能だ。また、組織全体がスピーディーな変化に対応でき、スタッフ全員が継続的な改善促進に関われるようになるのである。
このホワイトペーパーでは、読者の企業がパフォーマンス主導型の企業となり、3ヶ月から6ヶ月という期間で、企業にとっての「1つの重要事項」を特定し、有意義な改善を行う実践的な方法を解説している。