
市場を急拡大するスレート/タブレット端末。しかし企業をはじめ行政機関、医療、教育現場などといった様々なビジネス用途で活用するには、解決すべき課題が指摘されるのも事実だ。ビジネスユーザーにとって最適な端末の条件とは何なのか。この市場においては後発組となるデルだが、それだけに時間をかけて現場のニーズを拾い上げ、開発したのが「Latitude ST」だ。その実力を検証していく。
市場要求の拡大--タブレットの利便性をビジネスでも
直感的なユーザーインターフェースや携帯性が評価され、コンシューマ市場で急速に普及している、iPadやAndroidに代表されるタブレット端末。当然、ビジネス用途での期待も高まる状況にあるのだが、これらは基本的に消費者視点での快適な利用やコミュニケーションを実現するために設計されているため、ビジネスパーソンやIT管理者が求める要件には対応が難しいという課題があった。例えば、既存のPC資産と同様に運用・管理できるオープン性や、エンタープライズで要求される高度なセキュリティの維持、あるいは万一のトラブルでも対応できるメンテナンス性の高さなどだ。
タブレットは魅力的だが、ビジネスで使うには中身はWindowsがいい--。こうした市場の声に応え、デルが2011年11月、満を持して市場に投入したのがスレートPC「Dell Latitude ST」(以下、Latitude ST)だ。スレートとタブレットは概念的に近い存在だが、コンシューマ向けのタブレットに対比させる形で、Windows搭載機のビジネス機をスレートと呼ぶことが一般的に多い。
ユーザーからの要望を取り入れて開発されたWindows OSスレート
この製品の最大の特徴は、Windows 7 Professionalを標準搭載したWindows OSマシンであること。
「Latitude STは従来のWindows PCの延長で管理できるのがメリット」と語るデルの垂見智真氏
Latitudeブランドが示すように法人利用に最適化したモデルであり、企業や官公庁などからのフィードバックを基に、日常の仕事環境で必要とされる条件や端末を管理するIT管理者の要望を可能な限り取り込んで開発しました
そう語るのは、デル 公共・法人マーケティング本部 クライアント製品ソリューションマネージャの垂見智真氏だ。
業務アプリケーションの多くはWindowsベースで作られているため、非Windows機で動かすにはクラウド化してJavaなどを走らせる必要がある。iOSの場合、そのままではフラッシュコンテンツが表示できないといった弱点もある。さらにiOSやAndroid OSはバージョンアップが頻繁に発生するため、セキュリティを維持するための対応が間に合わないといった課題や、Active Directory(AD)など既存の認証システムによる権限管理を端末に同期させることが難しいといった問題も抱えている。
Latitude STはWindowsマシンのためAD連携を含め従来の延長線上で管理できる上に、『Dell ImageWatch』という機能によってドライバや基本ソフトウェアの更新情報、および仕様変更情報を随時入手して、ソフトウェアやハードウェアの構成変更を高度に監視することができます(垂見氏)

Latitude ST は、Windows 7 Professionalを標準搭載したスレートタブレットPCだ。
電磁誘導方式の高感度デジタルペンと投影型静電容量方式トゥルーマルチタッチの2通りの入力方法に対応している。
オプションのドッキングステーションは、充電/給電用電源やUSBポート(3個)、ネットワーク起動対応のギガビットLAN、HDMI端子などを備える。
また、わずか1時間で80%まで充電できる「ExpressCharge」機能や、満充電で7時間以上の駆動が可能な省電力設計もLatitude STの特徴だ。
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