スレートでもノートPCと同等のメンテナンス性能
続いて、メンテナンス性とサポートについて。
タブレット端末の多くは筐体をブラックボックス化させており、ユーザー側でのパーツ交換を認めない端末も多いが、部品のスワップが自社でできなければ導入することは難しいと考える企業も多い。メーカーサイドに修理を依頼して、1週間も預け入れることは管理者として考えられないからだ。
Latitude STはボディー裏側に放熱を兼ねたアルミ製のメンテナンスハッチが設けられており、それを開封し、いくつかのネジを外すだけで、SSDやバッテリー、メモリーなどの部品を簡単に交換することができる。
PCのサポートで高い評価を得ているデルは、スレート端末でもその設計哲学を引き継いでいるようだ。Latitude STなら使い慣れたWindowsのPCと同様な運用・管理を維持・継続できるため、IT管理者の負担はかなり軽減されるだろう。
メンテナンスという意味では、ディスプレイのガラスに採用したコーニング社の「Gorilla Glass」という素材にも注目したい。アルカリアルミノシリケート(アルミノケイ酸ガラス)を用いたこの化学強化薄板ガラスは、落下や打撃などでかなりの衝撃を受けても傷すらつかないほど分子レベルで強度が高められており、強化ソーダライムガラスやポリカーボネートよりも軽量で、反応性や手触りにも優れているという。
また、筐体を包み込む外装皮膜には熱可塑性ポリウレタン(TPU)という高分子材料を使用し、強度を維持しながらゴムのような弾力性で本体を保護するとともに、耐油性、耐オゾン性も高めて経年劣化を防止している。
気になるサポートについては、Latitude STはPC同様「デル・プロサポート」の対象となるため、出張修理や24時間365日対応のコールセンターサポート、170各国でのグローバルサポートなどのほか、カスタマイズ可能なサポートオプションの選択などが提供される。
強度の高いGorilla GlassとTPU素材の外装で守られているLatitude ST。 裏のアルミカバーを開け、ネジを外せば主要部品のメンテナンスも可能だ
用途に合わせて端末を選択することは生産性向上のために有効
今後、教育や医療などの特定用途に向けたアプリケーション開発や、業種別に生産性を高めるためのプラットフォーム開発に注力するという垂見氏は、「Windowsという共有言語を基にさまざまな業種における最適化を支援していく。Latitude STはそれを具体的に想起できる可能性を持ったデバイスのひとつ」と言い切る。
既に、大手自動車ディーラーの店舗内端末や、料理学校の教材用端末のほか、教育関係や道路保守、電子カルテ、ブランドショップなど、官民問わず数多くの引き合いが来ているという。
デルは、今回紹介したLatitude ST の10.1インチのWindowsスレートのほか、各種用途に合わせた複数サイズのAndroid端末、13.3インチのWindowsタブレット/ノート型端末もラインアップに揃えている。また、サーバー、ネットワーク、ストレージ、さらにはデータセンターに至るまで、情報システム環境の全てをカバーし、エンド・ツー・エンドでのソリューションを提供できる数少ないベンダーの1つでもある。
用途に合わせて端末を選択することは生産性向上のために有効であり、デルでは適材適所のツールを豊富に用意して、業務の効率化を図るための支援を加速していきたい
垂見氏はデルの意気込みを語っている。
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