度重なる会社統合により林立した情報システムの数はなんと300
「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」(MUMSS)は、度重なる会社統合や過去の開発経緯から、社内に300を超える情報システムが林立していたという。そのため、「システムごとに保守会社が異なる」「機能ごとに基盤が異なる」といった問題にも悩まされていた。
こうした状況から脱するためには、常に「企業における情報の流れ」、つまりビジネスプロセスを見直し、より効率的なものへと改善していく取り組みが求められる。合わせて、情報が流れる「情報基盤」についても、継続的な改善の取り組みに追従できるものを選ぶことが重要だ。
同社は旧来のビジネスプロセスを見なおすことによる業務改善と、それを実現できる新たな情報基盤の構築に取り組み始めた。
「メールの洪水」から脱却し、大規模システムの統合を目指す
大量のシステム林立の他にも問題はあった。メールである。情報共有やコミュニケーションについてはメールを主体とする文化が根付いていた一方、メールの数が多すぎ、「必要な情報が適切に処理されない」「欲しい情報が、社内のどのシステムの中にあるのかが分からない」といった事態が生じていたという。
メールに強く依存した情報共有が生みだす弊害は深刻だ。メールの数が増えれば、そのすべてを確認し、適切に対応するための時間的、労働的なコストも膨大になる。さらに、メールの「見落としリスク」も増大する。
このような課題の多い状況を脱し、新たな価値創造にシフトするために同社が進めているのが、「synerGy」と呼ばれる新情報基盤へと集約するプロジェクトだ。「synerGy」は、ドリーム・アーツが開発するEIP型グループウェア「INSUITE®」と、Webデータベース「ひびき®Sm@rtDB」(以下、Sm@rtDB)をベースとして構築された、同社独自の情報基盤の名称である。
製品機能と実績からドリーム・アーツをパートナーに
移行先となる新情報基盤に求められた要件は、まず既存のグループウェア的な機能を確実に移行できること。さらに、現在メールに依存して行われている業務に関するやり取りを吸収し、関係者での情報共有や検索を、より使い勝手の良いものにできることだった。
移行先の候補としては、複数の製品が挙げられたが、最終的に選択されたパートナーはドリーム・アーツだ。決定の理由として、同社では「業務に合った画面構成が自由に作成できる」「情報の閲覧や登録が容易」「個別開発のベースとなるカスタム部品が多く用意されており、拡張性に優れている」「大規模企業において多くの導入実績があり、標準機能の安定性が高いことが見込まれる」といった理由を挙げている。
ドリーム・アーツでは、多くの導入案件において、ユーザーの現場に深く入り込んでシステムを構築する。そこでの「対話」を通じて、ユーザーにとって使いやすいシステムを作りつつ、製品そのものも同時に改善していく取り組みを「協創」というコンセプトで推進している。今回のパートナー選定においても、この「協創」の取り組みが高く評価されたようだ。
詳細は、「三菱UFJモルガン・スタンレー証券が挑む『業務改善』と『新たな価値創造』~散在する情報システムの統合で見えた勝算~」にまとめられている。これまでの課題やソリューション選択の過程、大規模システム統合の過程、メール30%削減達成の具体策などを解説するだけでなく、システム移行・統合に終わらず、その先の新たな「価値の創造」の具体的な成果まで盛り込まれている。情報基盤の見直し、新たな付加価値創造への時間創出を検討している企業にとって大いに参考になる内容となっている。ぜひ、ダウンロードしていただきたい。