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さらに次の10年も続けていくために—— 高みと裾野、両方を見据え「ハブ」を目指すSECCONというコミュニティ - (page 2)

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2023-09-14 13:00

外からの目も加え、より動きやすいしっかりとした組織に

Q:今や国のサイバーセキュリティ戦略の中にもSECCONという単語が出てくるようになりましたし、若い世代の参加も増えてきました。

花田:おそらく日本で一番初めにCTFを行ったのは、セキュリティ・キャンプの中の企画の一つとしてでした。その後SECCONが始まり、日本でごく一部でしか知られていなかったCTFという単語が、徐々に市民権を得てきました。先日も、テレビドラマ「トリリオンゲーム」で、CTFをモデルにした「セキュリティチャンピオンシップ」という大会が登場したそうですね。

Q:市民権を得て、いろいろな場でCTFが開催されるようになり、セキュリティに興味を持つ人の裾野も広がってきました。そんな中でSECCONがぶれずに続けていくことは何でしょうか?

三村:まず変えないレガシーとして、SECCON CTFは常に、セキュリティ技術者にとって「あそこを目指すぞ」と思われる場であり続けていきたいと考えています。灯台の明かりのように、多くの人にとって目標となる場であり続けることを目指していきます。

 もう一つは裾野を広げていくことです。SECCON Beginnersのように直接的に広げていく方法もありますし、ワークショップやオープンカンファレンスのようにいろいろな形で接点を増やしていって、「こんな分野にも気軽に来れるんですよ」ということを伝え、裾野を広げていく活動もやらなければいけないと考えています。

Q:では逆に、変えていきたいと考えていることはありますか?

三村:これは意図的に副実行委員長として木藤さんを加えた理由でもあるのですが、あえてSECCONの外にいた人に加わってもらうことで、外の目で、これから守るべきものと守らなくていいものを棚卸しできる体制を整えていきたいと考えています。木藤さんには学術系カンファレンスでの経験やナレッジがあります。その視点でしかるべきところに突っ込みを入れてもらい、棚卸しして、全体的に動きやすい体制を整えていければと思っています。同時に、外でうまくいった方法やプロセスなども取り入れていければと期待しています。

 皆が集まってワイワイやるところから始まったSECCONには、良くも悪くも自己流の部分もありました。そこに外の目を当てることで、誰から見てもしっかりとした組織とし、今後新たなチャレンジに取り組めるような余裕や動きやすさを内部で作り上げていければと思っています。もちろん、一年やそこらでできることとは思っていませんが、さらに次の10年もしっかり動ける体制を作っていく必要があると考えています。

Q:木藤さんは社外取締役のようなものですね。プレッシャーがかかりますね。

木藤:めちゃめちゃプレッシャーです(笑)。でも、そういう視点は大事だと思います。コミュニティは居心地がいい半面、居心地が良すぎると、それはそれで外の世界を見ずに閉じたコミュニティになってしまう恐れがあります。SECCONを10年以上続けてきて、いいところはしっかり残しつつ、あらためるべきところはこういう方向にシフトしていこうといったアイデアが出せればと考えています。

 セキュリティエンジニアのお祭りや楽しい場である、という芯は残しつつ、皆が納得できるSECCONを目指していきたいですね。外から見ていてもものすごく楽しそうなコミュニティですし、これからもSECCONのそういったところは大事にし、続けていきたいと思います。

三村:皆で楽しくやろうよという考え方と、きちんとお金のことも考えながらスポンサーの方々への還元も意識しながら進めようという考え方があると思いますが、そのどちらにも寄りすぎることなく、うまくバランスを取りたいですね。

集合写真

CTFとしての目標でありつつ、さまざまな人が集う「ハブ」に

Q:今、ITエンジニアが人気職業の一つになり、いろいろなコンテストなども開かれるようになりました。その中で、あらためてSECCONやSECCON CTFはどういう場を目指していくのでしょうか。

三村:キーワードはシンプルで、「ハブ」になりたいと考えています。

 CTFとしてどんどん上を目指していかなければならないと考えていますが、それに加えて重要なのがハブ機能だと考えています。いろんな人に集まってきてもらい、セキュリティとはどういうものかを知ってもらい、さらには業界にはどんな人がいて、どんな活動をしているのかを知ってもらいたいと思います。幅広く、自由にやっている人たちの縮図がそこにある、という感じでしょうか。そして、いろんな人たちと出会うことで楽しさを感じたり、情報セキュリティというものをもう少し気軽に捉えたり、「まずやってみようか」というきっかけを与える場になれればいいのかなと思います。

 変なたとえかもしれませんが、たとえば「お茶会」を開催しても、きちんとお作法を知っていておいしいお茶を点てられる人だけに来場者を限定してしまうと、初心者は来ませんし、後続で学ぼうとする人もいなくなります。するとおそらく、どんどん内々の会になってしまいますよね。そこの間口をもう少し広げることで、いろいろな人に最初の一歩を踏み出してもらいたいですし、「うまくできればここにいる人たちのようになれるんだ」という姿を見せていきたいと思います。ハードルを感じさせず、「とりあえず来てみなよ」というところから始められるハブとしての役割が大事になっていくなと思います。

木藤:そうですね、敷居は上げたくないですね。SECCONの根底の一つに、「CTFを皆に楽しんでもらいたい」という思いがあると思っています。たとえばDEFCON CTFだとTop of Topの猛者しかいけないわけですが、SECCONには、ものすごく尖った技術を持っていなくても楽しめる部分があると思うんですよ。初心者でも楽しくCTFを始められる場もちゃんとあるのが、他のCTFイベントとの明らかな違いだと私は思っています。

花田:「これが今のCTFの世界の潮流だ」「CTFはこうあるべきだ」といった考え方もありますし、CTF以外のコンテストも含め、いろんなアプローチがあると思うんですよね。ゲームセンターの外に置いてあるオモシロゲームのように、通りがかりの人にも「ちょっと面白そうだな」って思ってもらえる、ちょっとしたコンテストもあると面白いなと思っています。たとえば前回のコンテスト企画では、文字列のハッシュ値を元に飛び出す弾の距離を競う、なんていう企画がありました。思いも付かない文字列を入力したらとんでもない距離が出る方法が見出せたりしたら、面白いんじゃないかなと思います。

 前回の電脳会議の巻頭文にも書いたことですが、来て、見て、触って、次のアクションにつながる何かを感じてもらえるような何かが、このSECCONという場から皆さんに提供できればと思います。

Q:やっぱりリアルでのイベントの良さもありますよね。

三村:そうですね。自ら考えたアイデアを発表するオープンカンファレンスやSECCONCONという場もありますから、そういったところにもぜひ、形にとらわれずアイデアを寄せていただければと思います。一方で、地方開催も企画しています。自分たちの地元から「ここ、盛り上がってますよ」と伝えていくという意味でも、興味があればぜひご連絡いただければと思います。

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