参加企業同士、顔の見える結びつきが生まれる
--参加企業相互の協力体制や、ビジネス支援策について教えてください。
美濃:体験を共有して、マーケティング広報活動を、協力してやっていこうということです。フェアを開催したり、イベントで共同ブースを設けて、さまざまな発信をするなどの試みをしています。
富加見:ネット広告の活用だとか、製品やサービスの本質、利点をうまく伝えるやり方を考えたり、連合広告なども実行しています。
美濃:私の会社では、メールマーケティングシステムを開発、販売しているのですが、これは、ECサイト構築パッケージと相性が良いのです。その分野の企業も参加しているので、コンソーシアムが機縁となって業務提携することができました。MIJSの活動には、このような、参加企業の実ビジネスに有益な状況をもたらす効果があります。メンバーの中で、ニーズが適合するところでは、ビジネスでも協力し合っています。個々の企業同士、経営首脳同士が顔を見合わせた、結びつきができています。コンソーシアム活動がきっかけとなって、メンバー同士の業務提携も当社だけで7、8社としています。
--海外への展開、発信では、どのような活動がありますか。
美濃:タイでは、2012年5月、タイの政府機関で、タイのソフト産業を後押しするために設けられたソフト産業開発振興区のSWP(Software Park) Thailand、情報技術プロフェッショナルアソシエーションであるATCI(Association of Thai ICT Industry)、タイのソフト輸出を推進するTSEP(Thai Software Export Promotion Association)の3団体・組織と覚書を結びました。相互に製品などを紹介し合うなど、協力関係を強めるためです。
知恵を持ち寄り、切磋琢磨できる場を提供
--MIJSに参加することの意義とは、どのようなものでしょうか。
美濃:海外で勝っていくのが、我々の目標です。とはいえ、もちろん、このコンソーシアムに入ったからといって、勝てるようになるわけではありません。最終的には、その企業自体の問題であるわけです。一方、競合同士であっても、協力できるところでは手を携えることができます。我々がやろうとしているのは、勝ちにつながる力を鍛え上げることです。経営力であったり、海外でのマーケティング力であったり、論議を尽くして、競争力を養う。それがこの団体の役割です。
富加見:ソフトベンダーは、知恵の勝負で生きています。私自身も頑張っていますが、委員会活動に参加して、頑張っている人の気迫、工夫などを目の当たりにすれば、よい刺激を受け、もっとがんばろうという気持ちになります。課題の解消というより、もっとプラスになるように、というポジティブな発想で、参加しています。我々のコンソーシアムはセミナーを提供するための集まりではありません。知恵を持ち寄るのでなければならないのです。今後も、MIJSは切磋琢磨できる場でありたいと考えています。