オープンテクノロジーがもたらす
ネットワーキングのパラダイムシフト
クラウドやモバイルが普及し、ネットワーク技術も新しい世代に急速に移り変わろうとしている。1G、10G、40Gがそれぞれ25G、50G、100Gに移行し始めており、100Gシャーシ型も成長を続けている。また、SDNマーケットは2013年の2.3億ドルから2020年までに12.5億ドルと5倍以上に拡大する見込みだ。
佐々木氏はそうした変化に触れながら「Dell EMCはオープンなテクノロジーでネットワークに変革をもたらしています。オープン化でサーバが進化したように、ネットワークの世界ではいまパラダイムシフトが加速しています」と解説した。

佐々木 亮氏
Dell EMC (デル株式会社)
ネットワーク事業部
シニアシステムズエンジニア
従来のネットワークはプロプライエタリなアーキテクチャをもったOSとツールのもと、無数のプロトコルが存在していた。それがオープンネットワーキングにより、OSは選択可能になり、標準的なオーケストレーションと自動化ができるようになった。3rdパーティ製のSDN/NVOコントローラで自由に拡張していくことができる。顧客は広く用いられているLinuxツールを使い、包括的で一貫したデータセンター管理ができるようになった。
「Dell EMCはオープンネットワーキングのパイオニアです。2014年からオープンネットワーキングのコンセプトに沿った製品展開を開始。Big SwitchやMidokura、VMware、Microsoft、Linux Foundation、OCP、Pluribusといったさまざまなパートナーと連携しながら製品展開を進めてきました。2016年にはOS10を、2017年にはSD-WAN Ready Nodesを発表しました」(佐々木氏)
スマホのようにアプリを追加できるネットワークスイッチ
OS10は、オープンネットワーキングにもとづいたネットワークOSの最新版だ。Switch Abstraction Interface(SAI)、Open Networking Install Environment(ONIE)、Control Plane Services(CPS)といった抽象化インタフェースや開発環境をベースにし、さまざなLinuxアプリや3rdパーティツールと連携して、さまざまな環境のネットワークを管理する。
例えば、CPSでは、ルーティングソフトQuaggaやネットワークコンポーネントのSONiC、監視ツールのNagios、DevOpsツールのAnsibleなど連携することが可能だ。
「Linuxのコマンドでネットワークスイッチを設定できます。何か足りない必要な機能があればLinuxのソースから追加できます。スマートフォンにアプリをインストールして自分だけのスマートフォンを作るように自分だけのネットワークスイッチを構成できるのです」(佐々木氏)
Dell EMCのスイッチ製品のなかでオープンネットワーキング対応にする製品にはモデル名に「ON」が付く。基本的にすべてのスイッチでオープンネットワーキングに対応する予定だ。
ネットワークの世界では、キャンパスネットワークやモバイル対応、無線LAN、SD-WANなど大きな変化が訪れている。最後に佐々木氏は「ユーザーの環境や技術のトレンドを踏まえながら、さまざまな環境でオープンネットワーキングに対応した製品を展開してきます」と話し、講演を締めくくった。