デジタル時代の「営業」と「マーケティング」--いま求められている部門の役割と人材 - (page 2)

ZDNET Japan Ad Special

2017-05-18 11:00

[PR]PCやスマートフォンなどでの顧客接点が増えるにつれ、デジタルマーケティングの重要度が高まっている。そうしたなかで、営業部門とマーケティング部門の関係はどうあるべきなのか、また、企業内でどのような人材を育成していかなければならないのか――。

企業内部でのマーケティング人材を育成するために

植山氏:B2Bマーケティングの考え方や実践の方法はどうやって学ばれたのですか。

萩原氏:われわれのお客様は、外資系の大手ITベンダーが多かったのです。米国流のマーテケィングの考え方を持った担当者と直接やり取りするなかで、顧客をどう考え、どうマーケティングや営業を実践していくのかを生の体験として身につけることができました。

植山氏:米国と日本ではマーケティングの実践に10年から20年の遅れがあると言われます。特にBtoBマーケティングの分野において、それが顕著であるように思います。裏を返せば、御社がずっと向き合ってこられたマーケターの方々は、国内ではトップレベルのマーケターだったということですよね。

萩原氏:そうなると思います。外資系企業にとって、マーケティングは特に重要視されています。例えば、日本に進出するとき、最初にマーケティング担当者が赴任するケースが多い。営業が先に行って市場を開拓するのではなく、マーケティング担当者が市場の特性を把握して、そのあとで営業がやって来ます。日本とは最初から発想が違うのだと思います。

植山氏:日本企業のマーケティング担当者は、マーケティングをどこでどう学べばよいのでしょうか。大学でマーケティングを学んでも、実務からは少し離れた内容であるように思います。OJTで学ぶといっても、環境に恵まれないと身につかないし、人材も育ちづらいと考えているのですが、いかがですか。

萩原氏:まさにそこが大きな課題だと感じています。日本企業にはマーケティングを理解したうえで実践できる人材が少ない。

 そういう危惧もあって、今後われわれが積極的に取り組もうとしているのが、若手人材の育成、そして国内企業への人材提供です。さらに企業に向けた研修も提供を開始する予定です。今までのアウトソーシング事業では国内企業社内にノウハウと人材が残らないのではないか、と考えたことがきっかけです。

植山氏:具体的にはどんなサービスなのですか。

萩原氏:デジタルマーケティングをリードできる人材、そしてインサイドセールス人材二職種の提供準備を進めています。研修と実務を通して、マーケティングリテラシーと実務スキルを持った人材をお客様に派遣します。そして共通していることは、若手人材にマーケティングスキルを付加して提供するということです。これは弊社がアウトソーシングサービスで蓄積したノウハウを標準的に付加して提供することを想定しており、これまでの強みを生かした事業であると言えます。こういった人材は現在市場で枯渇しており、多くの企業にニーズがあると実感しています。

植山氏:エムエム総研さんの実践的なノウハウを強みにしたすばらしいサービスですね。

萩原氏:知識としてのノウハウは「薬」であって、それをどんなときにどう使うかというのが「処方箋」です。商品をマーケットに届けるためのやり方は千差万別で、何が効くかは、いろいろな薬を使った処方箋を作り、それを試してみなければ分かりません。それが経験であり、現場感です。われわれの強みは、それぞれの現場に適した処方箋をいくつも持っていることなのだと思っています。

営業のやり方を変えるためにMAツールを使う

植山氏:新しいサービスでSATORIをお使いいただくということですが、SATORIに対してはどんなご感想をお持ちですか。

萩原氏:とてもよいと聞いています。実は、ツールの選定は担当者に任せており、私自身が特段詳しいわけではないので……(笑)。逆にお伺いしたいのですが、SATORIのユーザー企業は、どのようにSATORIを使っているのですか。

植山氏:われわれSATORIという会社自体が実践しているマーケティングと同じような取り組みをしたいというユーザーさんが数多くいらっしゃいます。先に営業とマーケティングの分離のお話がありましたが、われわれの会社でも、営業はクロージングだけを担当し、それより以前はインサイドセールスを兼ねたマーケティングが担当しています。「それをそのままやりたいです」というお客様が多いため、単にMA(マーケティングオートメーション)ツールを提供するだけでなく、マーテケティングのノウハウもセットで提供しています。

萩原氏:ツールは手段でしかありませんから、ノウハウもセットで提供するということが重要になりますね。システムだけ入れてもどうにもならない。

植山氏:そうですね。「マーケティングオートメーション」という言葉に期待しすぎる面もあるように思います。集客まで自動で行ってくれそうな気分になっています。実際、「MAツールは入れたが、次にどうすればいいですか」という問い合わせも多いのです。

萩原氏:今後、人口が減少していく中で人手不足はますます深刻になります。いま、働き方改革やMAが注目されているのは、営業の仕組みを変える大きなチャンスでもあると思うのです。闇雲に飛び込み営業やテレアポを行っているような組織では、人材採用もままならないでしょう。大切なことは、今までの営業組織の考え方を変えて、営業とマーケティングを分業化させ、そのうえで、マーケティングの仕組みを検討してMAツールを活用するといったことだと思います。

 デジタルの重要性が高まり顧客行動や潜在的な興味が簡単に分かるようになりましたが、そのデータを営業活動やマーケティング活動にどのように活用するかという仕組みがなければ、MAを活用することはできません。また社内で仕組みを検討する上で「リードクオリフィケーション」とか「ナーチャリング」とか言っても古い世代には通じません。彼らが理解できる言葉に置き換えて説明することも重要だと感じています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]