業務やアプリケーション特性を理解して無理のない移行を実現する
SCSK株式会社
ITマネジメント事業部門
netXデータセンター事業本部
クラウドサービス部
副部長 第一課長
白川 正人 氏
クラウドファーストの考え方が浸透してきたことによって、セキュリティを気にして二の足を踏んでいた企業もクラウドを利用しやすくなってきている。しかし、特に大手企業のグループ会社などでは、クラウドに移行しづらい事情もあると白川氏は話す。「例えば、親会社である大手企業は、自社でガバナンスルールを決め、自社の資産としてデータセンターを運用できます。グループの中で比較的規模の大きな企業は、USiZEシェアードモデルのようなサービスを利用してプライベートクラウドを運用したり、運用をアウトソースすることで、親会社のガバナンスルールを踏襲することができます。一方で、比較的規模が小さく、専任のIT部門を持たない企業は、コストや運用の面でAWSのようなパブリッククラウドを自社システムとして使いたいと考えても、親会社のガバナンスルールやセキュリティ基準がネックとなってしまうケースがあるのです」。
このようなパブリッククラウドを活用したいが、ガバナンスへの対応にハードルがある企業に対してSCSKは、USiZEパブリッククラウドモデル(AWS)をベースとして、AWS上に共通基盤を構築し、専任担当者による運用アウトソーシングを提供する。「オンプレミスのようにクラウドを利用し、各企業に合わせたガバナンスで運用していくには、各企業の業務や企業文化を理解し、意思決定の暗黙知なども熟知している必要があります。また、業界ごとに使われるアプリケーションなどの知識にも精通していなければなりません」と白川氏は話す。SCSKでは、経営層の直下に製造、通信、流通、金融に向けた各システム事業部門があり、業界別の事業部門には約400人のインフラエンジニアがいて、2015年から集中的にAWSの技術習得を行っている。これらのインフラエンジニアがアプリケーションエンジニアとチームを組んで、AWSの案件に対応するため、業務や業界の特性を理解したチームが周辺システムも含めて対応することができるのだ。
USiZEでは、これまで170社以上のAWSの実績を持っており、機密情報や個人情報を扱うゼネコンや金融・証券、製薬、アパレルなどのさまざまな業種に対してソリューションを提供してきた。
前述のような体制で、業界の法令や業務のやり方を考え、アプリケーションを熟知した上で移行計画を立てられることがSCSKの強みとなっている。また、AWSのアドバンスドコンサルティングパートナーとして技術者の交流も盛んで、基幹システムに強いSAPやProActiveなどのERPの部隊とAWSとの間で協力関係を築こうと計画していることも、今後の強みとなっていくだろう。
記事後半ではUSiZEでオンプレミスからAWSへ移行した大手企業のグループ会社のケースををご紹介。
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