セミナーは情報共有の効率化やワークスタイルの多様化をテーマに行われた。
ここに登壇した、ソルクシーズ クラウド事業推進部 クラウド事業推進部長の上家富隆氏は「セキュアなグローバル・ファイルコラボレーションによるワークスタイル変革」との表題で講演。時間、場所を問わず、セキュアなファイルコラボレーション環境を構築するための施策、モバイルでのセキュアなファイル活用への道筋や、同社のCloud Shared Officeのファイルコラボレーションによる企業の事業効率化、従業員の生産性向上になどについて、事例を交えて紹介した。

株式会社ソルクシーズ
クラウド事業推進部 クラウド事業推進部長 上家 富隆氏
いまや企業の情報資産の約80%を占めているといわれるファイルは増え続ける一方だ。しかも有効な活用手段が確立しない状況の下、社内の文書管理システムやファイルサーバに、単に蓄積されるままになっている傾向も指摘される。これらの課題に対応するため、「最新テクノロジーを活用した新たなコラボレーション基盤を構築し、企業で働く人々の"ワークスタイル変革"が必要」と、まず上家氏は指摘する。
このワークスタイル変革を阻む壁として、上家氏は次のような点を挙げた。
まず社外から社内へのネットワークアクセス、ファイルへのアクセス権限の細やかな設定。社外のユーザを管理できる仕組みや、海外のユーザ個人ごとの母国語で利用できるUIも重要だ。ほか情報漏洩を防ぐセキュリティ対策、既存のシステムとの連携インターフェース、外部へファイルを受け渡す際のワークフロー承認、監査のための証跡、インフラやシステムを変更するための大きなコストなど、考えるべき項目は非常に多い。
だが裏を返せば、このような諸項目はワークスタイル変革実現のための必要条件でもあり、これらを解決できれば変革へと大きく前進できる。
そこで同社が提案する「Cloud Shared Office」は、クラウド型コンテツ管理サービスで情報漏えい防止機能が重点化されている。クラウド帳票管理サービス「WebReport」、コンテンツ管理サービス「ECM(Enterprise Contents Management)」、情報漏洩防止オプションサービス「CSO セキュリティオプション」などを揃えており、企業で必要とされる要素に対応しているのが特長だ。
たとえば、帳票管理サービスでは、業務に必要な帳票はExcelでデザインされ、出力はExcel形式やPDF形式で実行される。また、スケジューリング、ワークフロー連携、文書管理への保管などは業務プロセスと融合される。コンテンツ管理は、どこからでも業務コンテンツにアクセスできると同時に、社内外・国内外で多様なコラボレーションが可能になるという。

安全性、管理の面では「いつ、だれが、何を、どうしたのか」などの証跡を残すことができるとともに、社外との連携を可能にするアクセス権限管理機能を備える。持ちだされるPDFに、コピー制限や印刷制限をかけることも可能だ。またBCP対策としては、3か所以上の物理的に異なる場所でバックアップをとれる。モバイルでも、オンライン/オフラインの両方でファイルの参照が可能なほか、独自のセキュリティ機能により、モバイル端末から、USBやSDカードなどの媒体へのファイルの持ち出しを制限できる。
実際に導入した企業として、自然エネルギーによる発電や電気の供給、販売事業を展開するSBエナジーの事例も紹介された。CSO ECMを採用した後、社内外のプロジェクト担当者間のファイル共有や通知が円滑化。「ファイルのサイズや容量の制限」、「多階層管理ができない」などの課題が解消されたという。
上家氏は「企業は、社内にある膨大なデータを活かすために新しいコラボレーション基盤を築き、ワークスタイル変革をすべきだ。このようなソリューション導入に際し、国内企業の課題はアクセス権限、セキュリティ対策。ワークフロー承認など多岐にわたるが、Cloud Shared Officeは、それらに対処できる」と強調した。