バックアップ この先の留意点と現実解
金谷氏:仮想環境やクラウドでは、サーバが統合されます。そうなると、メモリリークやI/Oボトルネックが発生します。データも大量化しているので、より高速にバックアップができるツールや、スループットを高める工夫も必要ですね。
もう1つ考慮すべきは、バックアップデータの保存先です。かつてはテープが主流でした。しかし、今はたくさん選択肢がある。
それを適切に選ぶことも重要です。データ特性を鑑みて管理方針を明確にすることが前提ですが、テープからハイエンドのディスクに至るまで、全体最適なストレージ構成にすることが求められます。特に最近では、ファイルサーバなどの非構造化データが増えていますので、重複排除技術を用いたり、アーカイビングに安い媒体を使ったりするどの工夫が求められます。
勝野氏:われわれは、バックアップデータの保存先として、従来のテープから、ディスク、そしてクラウドへと、網羅性を持たせながら、統合バックアップの環境を推進してきました。この考え方は、今後もシマンテックのバックアップソリューションの基軸となっていきます。
そのうえで、今まで以上に高速なバックアップ/復旧を実現しなければなりません。例えば、ストレージのレプリケーションやスナップショットと連動したシステムが必要なります。また、重複排除技術による高速合成フルバックアップや、バックアップデータから直接仮想サーバを立ち上げられる機能など、継続した機能強化を図っていきたいと考えています。
勝野氏が対談で強調したのは、バックアップ/復旧システムにおける「網羅性」「自動化」「統合管理」の重要性である。「データ保護」「システムバックアップ」「災害復旧対策」「アーカイブ」と、その目的に合わせた最適な手法を、ワンオペレーションで実行できる環境だ。Symantec NetBackupは今までもこれからも、このような統合オペレーションの提供に注力し、迅速確実に復旧を行うために統合リカバリオペレーションを推進していく。
さらにそれを効率よく運用するための「解」として注目されているのが、アプライアンスである。
アプライアンスが特にその実力を発揮する場面の一つに障害発生時があげられる。バックアップシステムはサーバ、OS、バックアップソフト、ストレージ、ネットワークなどで構成される。万が一、リストアに失敗した場合、すべて異なるベンダーから調達した製品であれば、問題の切り分けだけで時間を要し、ビジネスの復旧を遅らせてしまうことになる。しかし、アプライアンスであれば、そうしたことはない。
勝野氏は、「シマンテックのアプライアンス『Symantec NetBackup 5230』は、サーバハードウェア、ストレージ、バックアップソフトだけでなく、OSも同時に提供されます。例えば、非アプライアンスシステムでOSのバージョンをアップデートしたら、その上で稼働しているソフトが利用できなくなったというトラブルはよく聞きます。しかし、アプライアンスであれば、検証済みの組み合わせで提供されるためそういったことはありません」と説明する。
もう1つ、アプライアンスならではの機能に「スナップショット」がある。これはアップデート時にトラブルが発生した場合、ワンアクションのロールバックでバージョンダウンできるものだ。こうした機能が利用できるのも、アプライアンスの強みだろう。
金谷氏も「アプライアンスの利点は、エンジニアリングの手間がかからず、技術導入が短期間でできること。企業はバックアップに、大切なヒューマンリソースを割くべきではありません。極力自動化をし、ヒューマン・エラーの可能性を減らして運用コストも下げるべきです」と指摘している。
NetBackup 5230 とソフトウェアとしてのNetBackup の詳細についてなど、本記事内のダウンロードリンクより、ぜひご参考にして頂きたい。
大規模環境のバックアップ運用をシンプルに実現する方法とは? |
大規模VMWare環境の保護のために必要なバックアップソリューションとは |
統合型バックアップアライアンスによる効果とは? |