LED市場は光の3原色(赤、緑、青)のLEDが実用化されてから応用製品が急速に拡大しております。近年では従来の蛍光灯や白熱球に比べてLEDのエネルギー消費量が少ないという特長から、省エネ対策の一環として照明用途への適用が期待されております。家庭やオフィスなどのエネルギー消費量のうち照明用途は約20~25%を占めており、日本の温暖化対策をまとめた「京都議定書目標達成計画」では2010年までに蛍光灯や白熱球全体の約10%をLEDに代替することで約340万トンの二酸化炭素の削減が可能とされています。このためLEDは2006年度以降毎年約15%の伸び率で普及が予想されており、現在は6,000億円と言われている市場規模も2010年には1兆円規模となる試算もあります。
しかしながら、一般照明として使用するには蛍光灯並みの明るさが必要であり、現行のLEDには次のような課題が挙げられます。
<LEDの一般照明化に向けた課題>
1.色や光量のばらつき
2.演色性(注1)の問題
3.発光効率
4.コスト
新製品の「LEDチップ選別装置」は、ウェハからLEDチップを取り出し、光や電気特性を測定・分類する自動選別装置であり、例えば同等な特性のLEDチップごとに分類することで上述した課題の一つである色や光量のばらつきを解消し、均一なLEDチップを選別することが可能です。これにより食品売り場やレストラン、衣料品売り場、広告宣伝用ディスプレイ等の照明色が重要な役割を果たす製品選別工程への展開を期待しております。
一方、最近では発光効率を上げるためLEDチップ側面から光を放射するなどチップの形状に工夫がされていますが、新製品は測定部に反射ユニットを搭載しており、LEDチップの上面だけでなく側面から放射される光も合わせて測定が可能です。
一般照明用途への使用に向け、今後LEDの高出力化技術はますます進歩していくと考えられます。新製品では、こうした将来の高出力LEDに備え、2Aの大電流測定まで対応しております。
新製品の主な特長は以下の通りです。
1.測定部に反射ユニットを搭載しており、LEDチップの上面と側面から放射
される光の測定が可能です。
2.最大2Aまでの大電流に対応しています。また大電流駆動時でもチップの
発熱を最小限に抑える電流駆動方式を採用しているため、測定の際にLEDの
特性に影響を与えません。
3.インデックステーブル方式を採用し、ステージに供給、測定、位置補正、
排出の一連の動作を割り当て、複数の処理を同時に行うことで1チップ
あたり最速1秒の安定した高速動作を実現しました。
4.生産データ管理をホストPCで行うことで、供給前のウェハ内のチップ
情報・測定データ・再配列位置の情報を一括で管理可能であり、チップ別
およびウェハ別の特性データ管理が容易です。
5.測定前および排出前のチップ位置補正方法として、高精度な処理が必要な
場合には画像認識による補正方式を、高速な処理が必要な場合にはメカ
機構によるゲージング動作補正方式を用意しています。
6.お客様の用途に合わせた以下のカスタマイズが可能です。
-供給ウェハサイズおよびチップピックアップ範囲(標準はφ160mm)の拡張
-電極タイプ(上下面電極、上面二電極)や発光方向(表面発光、裏面
発光)の変更(測定部のステージとプロービングユニットの交換)
-生産管理システムとの連動
新製品の標準価格は3,000万円(税込価格3,150万円)であり、年間20台の出荷を見込んでおります。
また、LED市場は今後、新規参入が激しくなることが予想され、高出力化が進む可能性が高い市場であります。当社では、LED市場の急速な技術革新に柔軟に対応し、積極的に新製品開発やソリューション提案を行って参ります。
<新製品に関するお客様からのお問い合わせ先>
NECエンジニアリング株式会社 デバイスソリューション事業部 営業部
TEL:044-435-9625
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<プレスリリースに関する報道関係からのお問合せ先>
NECエンジニアリング株式会社 経営企画部
TEL:03-5445-4411
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用語解説
注1)演色性:光源が物体を照らしたときに物体の色の見え方に及ぼす効果(物体に光を照射したときの物体の色が、太陽光を照射したときと同じに見えるかどうか)
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