Linux Foundation、通信事業者向けCGL4.0仕様を発表 「SCOPE Alliance」との連携と、コンプライアンス強化を重視

カリフォルニア州 サンディエゴ発 2007年2月27日

The Linux Foundation

2007-02-28 09:00

The Linux Foundationは、「Communications Ecosystem Conference」において、「Carrier Grade Linux 4.0 Specification」(キャリアグレードLinux 4.0 仕様書)を公開したことを発表いたしました。
「Carrier Grade Linux (CGL) Specification」は2002年に最初のリリースが行われ、現在はバージョン4となっており、「Performance」(パフォーマンス)、「Hardware」(ハードウェア)、「Standards」(標準準拠)、「Serviceability」(保守性)、「Availability」(可用性)、「Security」(セキュリティ)、「Clustering」(クラスタリング)の7つのカテゴリーをカバーする250件以上の要求から構成されています。
今回のCGL 4.0仕様書の主要な変更は、SCOPE Allianceの「Carrier Grade Profile」との連携と、コンプライアンス関連のより厳重な要求への対応です。

CGL 仕様書の重要性が高まっていることは、通信機器製造会社(TEMs :Telecommunications Equipment Manufacturers) のトップ企業により結成された企業団体であるSCOPE Allianceが、各社の機器仕様に基づいてそれぞれの要求に対する優先順位を明確にした「Carrier Grade Specification」を策定したことにも現れています。
今回のCGL4.0 の仕様はSCOPE Allianceのプロファイルに整合しているので、この仕様書が通信機器製造会社の要求に確実に応えられるものとなりました。

SCOPE Alliance のMarketing Co-Chair 兼 Board MemberであるLeslie Guth氏は次のようにコメントしています。
「SCOPE とLinux Foundationはともに、オープンな業界仕様に基づいたキャリアグレードのベースプラットフォームの導入を加速することに取り組んでいます。合併前のOSDLの頃から、そしてLinux Foundationになってからも、CGL SpecificationとSCOPE AllianceがリリースしたCarrier Grade Profileとの整合を行ったので、だれでも利用可能な商用の基盤による多くのメリットを期待しています。」

今回のCGL 4.0仕様書では、SCOPE Allianceのプロファイルに基づいて、各技術要素に優先順位を設定しています。これによりLinuxソフトウエアをCGL準拠として登録する場合には、すべての必要要件を実装していることを保証することを意味します。
CGL4.0のカテゴリーは不可欠な要件(Mandatory)、要件(Desired)、将来の要件(Roadmap)に分類されています。以前は、CGLのいくつかの要件を満たしただけで、LinuxディストリビューションはCGL準拠ということができました。しかし、今後は、不可欠な要件の実装を要求します。
CGL4.0のレジストレーションの詳細な手順は近日公開予定です。

Carrier Grade WorkgroupのSteering Committee(ステアリングコミッティ)の議長であるGlenn Seiler氏は次のようにコメントしています。
「CGL4.0のリリースは、仕様の有効性に大きな意味を持ち、通信機器提供会社がキャリアグレードLinuxの仕様を指定する時に、それが何を意味するか一貫した基準が存在するようになります。必須要件を定めたことは重要なステップであり、これにより今後もCGL仕様の採用が継続して増えることになるでしょう。」

Linux FoundationのExecutive DirectorであるJim Zemlinは次のようにコメントしています。
「CGLワーキンググループがCGL4.0の仕様に対して貢献してきた多大な努力を評価したいと思います。CGL4.0の公開と同時に、Linux Foundationは、CGLワーキンググループをLinux Standard Baseワーキンググループとして再組織しました。CGLワーキンググループのメンバーおよび他のLinux Foundationメンバー、そしてLinux開発コミュニティと協力して、キャリアグレードの要求仕様をLSB(Linux Standard Base)のプロセスに統合したいと考えています。」

Linux Standard Base(LSB)は、アプリケーションとLinux OSとの相互運用性を提供します。現在、すべての主要ディストリビューションが、LSBに準拠しており、MySQL、RealNetworks、ならびにSAPなどの多くの主要アプリケーション提供会社が検証をしています。LSBは、アプリケーション提供会社が、複数のLinuxディストリビューションターゲットに対して、ただひとつのソフトウェアパッケージを作ることができるようにすべく費用効率の高い方法を提供します。お客様に対しては、LSBとその相互運用性のマークは、ベンダロックインを避けながら、必要なアプリケーションやディストリビューションを選択できるようになっていることを意味します。ディストリビューションのLSB認定により、より多くのアプリケーションがLinuxに移植され、各ディストリビューションにそれらのアプリケーションが確実に搭載できるようになります。つまり、LSBはLinuxが分裂しないようにしているのです。

LSBの新しいCGLワーキンググループは、Linuxディストリビューションにおけるキャリアグレードの機能をテストし認証するのに必要なインタフェースとモジュールを定義することに重点を置きます。

今年初めに、FSG(Free Standards Group)とOSDL(Open Source Development Labs)は合併してThe Linux Foundationとなりました。両組織は、Linux開発コミュニティのために重要な業界標準や仕様を定義することに積極的に取り組んできました。FSGのLinux Standard Base (LSB)は、Linuxプラットフォーム上でのアプリケーションのポータビリティにおけるデファクトスタンダードです。新しいThe Linux Foundationは、CGL Specificationを発展し支援することに取り組んでおり、CGLがあらゆる通信プラットフォーム用LinuxのデファクトスタンダードとなるようSCOPE Allianceや他の業界団体と協業しています。

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■The Linux Foundationについて
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The Linux Foundationは、Linuxの成長促進に取り組む非営利のコンソーシアムです。2007年、Open Source Development Labs(OSDL)と Free Standards Group(FSG)が合併して設立され、Linux開発者であるLinus Torvaldsの活動を支援し、Linuxならびにオープンソース関連の主要企業に支援されています。The Linux Foundationは、Linuxの普及促進、保護、ならびに標準化に取り組み、Linuxがクローズドなプラットフォームに対抗するのに必要とされる統合されたリソースとサービスを提供します。
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