08年度のSMB市場は、「晴れ」所によって「曇り」
ノークリサーチではSMB企業のIT投資意欲に関するアンケート回答結果を「SMB-IT天気予報」として指標化した。08年度のIT投資予算の増減について「増える」「同じ程度」「減る」の3段階の質問を行い、「増える」と「減る」の差異で「投資意欲指数」を算出し、5段階のIT天気予報として指標化したものである。
SMB市場全体のIT天気予報は「晴れ」で、08年度も概ね良好であるが、一部「卸売業」「建設業」などで温度差があり、IT投資が鈍りそうな気配がある。今後も時系列で観測し本誌上にて発表の予定。
Data2. SMB-IT年間平均投資額
中堅Hクラスで約1億6272万円、中小は約711万円
※「IT年間投資額」は、社内用ITシステムの新規導入やライセンス・保守・運用管理に伴う費用(人件費は除く)
まず年商クラス別のIT年間投資額をみると、中堅Hクラスの平均が約1億6272万円から中小企業クラス約711万円まで年商平均とIT投資額平均の相関関係がみられる。業種別では「製造業」の予算額が大きく、次いで「サービス業」「建設業」、「卸売業」「小売業」のIT投資額は低い傾向にある。
Data3. SMB-IT投資指数
IT投資指数は年商の約0.3%台、業種格差は大。
次に、年商当たりのIT投資額を「IT投資指数」として、その傾向を分析したい。上記グラフからも判るように年商とIT投資額は相関関係にあり、SMBの場合は年商の0.30%~0.39%が年間のIT投資額といえるであろう。業種別のIT投資額をみると温度格差は極めて大きく、「組立製造業」「サービス業」は0.4%台で、「小売業」「卸売業」は0.2%前後となっている。このIT投資係数については、今後も継続的に観測し本誌上で発表の予定。
Data4. ITマネージャの08年テーマ
「社内の情報共有・有効活用」が断然トップに!!
年頭のITマネージャへの「08年のIT導入で重視したい経営テーマ」では「社内の情報共有・有効活用」が67.6%と目立っている。次いで「利益向上・コスト削減」「営業力・提案力の強化」となっている。これは年商クラス別でみても変わらない。十分に導入されているITシステムで、端的に効果が表れていると思われた「社内の情報共有・有効活用」が重視したい経営テーマとして高い結果となっている。これは導入されたITを有効に使いきっていない証左であり、まさに経営戦略的(収益向上、営業力の強化)な活用が強く求められている。
SMB Question?
J-SOX法施行も間近!SMBの上場企業は何社?その割合は?
上場企業約5100社のうち6割(約3千社)以上はSMBクラス。
08年4月のJ-SOX法施行開始を直前に控えて、意外な結果をお知らせしよう。国内上場企業は約5,100社あり、そのうちSMB企業(年商5億~500億円)は6割以上(約3,160社)を占めている。SMBのJ-SOX法対応は、果たして大丈夫なのだろうか?SMB短観では、この問題を継続的に観測していきたい。
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