これにより、新検索サービス実現までの工数が、2006年度に実施した同プロジェクトと比べて4分の1、運用コストは23分の1となり、短期間かつ低コストでのサービス導入および運用が可能となりました。DMC機構では塾内での利用に加えて、MKIと共同で企業内の知財情報検索など企業内検索サービス分野への展開を目指しています。
なお、慶應義塾大学では、塾内の様々な「知」をデジタル化し、社会にむけて公開する活動を進めており、2007年7月にアジアにおいていち早く実現した「Googleブック検索図書館プロジェクト」と連携し、慶應義塾図書館が保有する蔵書等のデジタル化と公開を進める等、様々な取組みを行っています。
1.システムの説明と活用
DMC機構の嶋津恵子准教授は先端の技術とアプリケーションを統合した研究の結果、最適なプラットフォームとしてMKIが提案するGoogle検索アプライアンスを採用、さらに米国の先端的なモデリング手法を融合させたサービス工学を考案し、サービス実現工数および運用コストを低くおさえることができる検索システムを構築しました。
このシステムでは、キーワードによる全文検索のほか、検索結果を目的に応じて俯かん・多次元分析することができます。また、実証研究の成果として、現在、「Keio Information Concierge Service(KICS)」として慶應義塾の公式Webサイト上で公開( (リンク ») )されており、学内の学術コンテンツ検索サービスとして誰でも利用することができます。2008年4月22日から現在までの1.5ヶ月実証検証の結果、慶應義塾外からのコンテンツ検索利用件数が多く、また自動特定する研究者名・教員名を使った「絞り込み検索」を積極的に活用していることがアクセスログの解析を通じて分かりました。これにより、特定の研究者名に関して調べるニーズが外部からの利用者に高いと解釈できます。
2.今後の取組み
今後はこれらの研究成果を広く情報サービス産業に展開するために、DMC機構とMKIは複雑・大規模な情報システムのデザインやプロジェクトマネジメントに関する専用のシステムエンジニアリング手法を協力して開発します。サービスサイエンスやサービス工学は現在産業界で萌芽期にあり、実践を目指したモデリング等の方法論の研究開発に期待が高まっています。今回の研究成果を発展させることで、大きな貢献につながると考えられております。
以 上
用語解説
検索サービスの具体的な内容については、下記URLをご参照下さい。
(リンク »)
(*1)アプライアンス
特定の用途や機能に特化したコンピューターのこと。家庭用ゲーム機やネットワークサーバーがこれに相当する。本来は、器具全般を表す英語。
(*2)慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構
2004年に文部科学省科学技術振興調整費の戦略的研究拠点育成プログラムに採択され、設立された組織。 (リンク »)
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