2010年中堅・中小企業の仕入・在庫管理システム利用シェアと評価調査報告
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場における仕入・在庫管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の仕入・在庫管理システムカテゴリに関する速報である。
※図表につきましては下記URLをご参照下さい
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<パッケージ化は販売管理よりも速いスピードかつ低年商帯で進行仕入・在庫に今後求められるニーズを見越した連携性強化が重要>
■ERP利用と単体パッケージ利用の境界線は年商50億円と販売管理システムよりも低い
■独自開発システムからパッケージへの遷移は販売管理よりも速いスピードで進んでいる
■パッケージの価格優位性は十分に発揮されており、今後は更新時の負担軽減が焦点
■調達先拡充や法制度対応を見越した他システム連携性が今後は重要な評価ポイント
対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業
対象地域: 日本全国
有効サンプル数: 1400件
調査実施時期: 2010年8月
■ERP利用と単体パッケージ利用の境界線は年商50億円と販売管理システムよりも低い
以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の仕入・在庫管理システム製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。販売管理システムと仕入・在庫管理システムは同一の製品として提供されているケースも多いが、本調査では「販売」と「仕入・在庫」といった業務の視点から利用している製品/サービスやその評価をユーザ企業に尋ねている。販売管理システムと同様に「弥生販売」(弥生)、蔵奉行(OBC)、SMILEシリーズ(OSK)の三製品が上位に位置している。年商帯に応じて単体パッケージ利用とERPにおける一機能としての利用に二分化している状況は販売管理システムと同様だが、その境界線は年商50億円とやや低めになっている。
■独自開発システムからパッケージへの遷移は販売管理よりも速いスピードで進んでいる
以下のグラフは導入済の仕入・在庫管理システム製品/サービスの利用形態について尋ねた結果である。業種や業態などに応じて業務フローが異なってくることもあり、仕入・在庫管理システムも販売管理システムと同様に基幹系の業務システムでは独自開発の比率が高いカテゴリである。テンプレートによる多様な業種/業態への対応などによる独自開発システムからのシフトを進めることが、今後の製品/サービスにおけるシェア拡大の重要なポイントとなる。
以下のグラフは導入済の仕入・在庫管理システム製品/サービスを今後も利用するかどうか?を尋ねた結果である。約3割のユーザ企業が具体的な製品/サービスは決めていないものの今後システム変更を予定しており、潜在的にはシェアが変動する可能性が十分ある。
以下のグラフは今後新たに仕入・在庫管理システム製品/サービスを導入する際にどういった形態を採用するか?を尋ねた結果である。サンプル数がやや少ない点に注意が必要だが、独自開発システムからパッケージへの遷移が販売管理システム以上に進むことが予想される。ASP/SaaS形態での利用意向がほとんどないことからもわかるように、仕入・在庫管理システムの市場は独自要件をパッケージでカバーする「パッケージ化」が進んでいる段階であるためその次のステップともいえるASP/SaaS形態が普及するにはまだ時間を要するものと予想される。
■パッケージの価格優位性は十分に発揮されており、今後は更新時の負担軽減が焦点
本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下グラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」についての主要な仕入・在庫管理システム製品/サービスの評価結果である。独自開発システムよりも高い評価を得ているパッケージ製品が多く、ユーザ企業は独自開発システムと比べた場合のパッケージ利用によるコスト優位性を享受できている状態といえる。
ただし、販売管理システムと同様に個別カスタマイズを減らし、バージョンアップコストなどを軽減することなどが中長期で見た時のサポート費用面での評価を左右する要因になると考えられる。
■調達先拡充や法制度対応を見越した他システム連携性が今後は重要な評価ポイント
以下グラフは主要な販売管理システム製品/サービスにおける「機能が足りているか」「他システムとの連携手段が整っているか」のユーザ企業評価を示したものである。「機能の充実度」については独自開発システムの評価を上回る製品も多いが、販売管理システムと比べると全体的にパッケージがユーザ企業の個別ニーズに応えられている度合いがやや低くなっており、パッケージが備えるべき機能の拡充が今後も進むと予想される。仕入や在庫といった調達関連の業務では複数の取引先を確保することによるビジネス安定性の確保や環境保護や法令順守の観点からのCSRやSustainabilityへの対応が今後求められてくる可能性がある。そういった要件は他システムとの連携が必要となってくるため、「他システム連携性」に対する評価も今後新たに発生する要件への潜在的な対応力という点で重視すべき項目といえる。
- レポート発刊のご案内-
『2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
「全17カテゴリに及ぶITアプリケーションのシェアと評価を網羅した必携の一冊」
価格: ¥95,000円(税別) CD-ROM版(17カテゴリの全てのITアプリケーションを含んだ価格)
発刊日: 2010年11月15日(購入予約受付中)
【対象となるITアプリケーションカテゴリ(17カテゴリ)】
「ERP」「生産管理システム」「会計管理システム」「販売管理システム」「仕入・在庫管理システム」
「給与管理システム」「人事管理システム」「ワークフロー」「グループウェア」「メール」「運用管理/資産管理」
「クライアントPCセキュリティ」「CRM」「CTI」「DWH/BI」「文書管理/ファイル管理」「帳票」
【集計/分析の対象となる項目】
年商別、業種別、所在地別、職責別の集計データを網羅
[ITアプリケーションの導入社数シェア]
・導入済のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存から変更する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・全く新規に導入する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの導入年と導入費用]
・既存ITアプリケーションの導入年(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存ITアプリケーションの導入費用(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
(ハードウェア費用/導入作業費用/カスタマイズ費用を除いたITアプリケーションに関する初期費用)
[ITアプリケーションの利用形態]
(「パッケージ」/「独自開発」/「サービス利用」の区分および、「社内運用」/「運用アウトソース」の区分)
・導入済、既存変更時、新規導入時のITアプリケーションの利用形態(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの評価]
以下の各項目に関する五段階評価(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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