2012年中小企業のIT管理/運用人員規模に関する調査報告

株式会社ノークリサーチは、中小企業のIT活用における管理/運用の人員規模に関する調査報告を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2012-06-27 13:00

人員一名でIT管理/運用を引き受ける「ひとり情シス」の状態を抱える中小企業を 的確に特定し、効果的なIT活用提案を行うためには「拠点」を考慮することが大切 ▼「ひとり情シス」企業の年間IT投資額はIT管理/運用担当者を特定しない企業の1.8倍 ▼年商5億円以上~50億円で2~5拠点を個別管理する企業では4割が「ひとり情シス」 ▼年商/従業員数だけでなく、「拠点」を考慮した幅広い選択肢のIT活用提案が必要
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年6月27日

2012年中小企業のIT管理/運用人員規模に関する調査報告

調査設計、分析および執筆: 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は、中小企業のIT活用における管理/運用の人員規模に関する調査報告を発表した。


人員一名でIT管理/運用を引き受ける「ひとり情シス」の状態を抱える中小企業を
的確に特定し、効果的なIT活用提案を行うためには「拠点」を考慮することが大切
▼「ひとり情シス」企業の年間IT投資額はIT管理/運用担当者を特定しない企業の1.8倍
▼年商5億円以上~50億円で2~5拠点を個別管理する企業では4割が「ひとり情シス」
▼年商/従業員数だけでなく、「拠点」を考慮した幅広い選択肢のIT活用提案が必要


調査対象企業: 年商500億円未満の国内民間企業1000社の経営層および管理職
調査対象地域: 日本全国
調査対象業種: 組立製造業/加工製造業/建設業/流通業/卸売業/小売業/IT関連サービス業/一般サービス業/その他
調査実施時期: 2012年6月初旬


▼「ひとり情シス」企業の年間IT投資額はIT管理/運用担当者を特定しない企業の1.8倍

「ひとり情シス」という言葉がある。中小企業においてITの管理/運用を全て一人で担っている状態を指したものだ。中小企業において専任のIT運用/管理部門の設置率が低いことは周知の通りだが、その中でも「ひとり情シス」の企業はIT活用において特徴的な傾向を示している。
以下のグラフは年商500億円未満の企業に年間IT投資額を尋ね、その結果をIT管理/運用の人員規模別に集計したものである。値は一番上の区分を「1.0」とした時の比率となっている。「ひとり情シス」は上から二番目の区分に相当する。
「ひとり情シス」の企業はIT管理/運用人員を2名以上擁する企業と比べると、IT投資額は大幅に低くなっている。だが、IT管理/運用の人員を全く特定していない企業と比べるとIT投資額は1.8倍となり、この差も無視できない。つまり、中小企業に対してIT活用提案を行う場合、「IT管理/運用の人員数が1名である」「2名以上いる」「担当者を全く特定していない」の三者は個別に扱う必要がある。その中でも、「ひとり情シス」の企業は担当者が1名のみでありながら、同規模の企業よりもIT投資額が高いといえる。IT活用提案を行う側としては「ひとり情シス」の企業を適切に識別することが重要となってくる。以下の頁では「ひとり情シス」企業の分布状況について考察している。


▼年商5億円以上~50億円で2~5拠点を個別管理する企業では4割が「ひとり情シス」

以下のグラフは年商500億円未満の企業にIT管理/運用の人員規模を尋ね、その結果を年商別に集計したものである。
年商5億円未満ではIT管理/運用の人員を全く特定しない企業が65.5%に達しており、「ひとり情シス」の企業は24.0%に留まっている。年商5億円以上~50億円未満においては、「IT管理/運用担当者を特定していない」「ひとり情シス」「IT管理/運用担当者が2~5名」がいずれも30%前後で並んでいる。この結果を踏まえ、「年商5億円以上~50億円未満の企業を3社当たれば、そのうちの1社がひとり情シスになる」と考えがちであるが、「ひとり情シス」企業に対し的確なアプローチを行うためにはもう一つの企業属性に着目する必要がある。
以下のグラフは年商5億円以上~50億円未満の企業にIT管理/運用の人員規模を尋ね、それを企業が持つ拠点数別に集計したものである。同じ年商帯であっても拠点数によってIT管理/運用の人員規模には差があることが確認できる。特に「2~5箇所の拠点があり、インフラは各拠点で個別管理」という企業では「ひとり情シス」の割合が42.1%に達している。こうした企業では、個々の拠点に出向いた上での管理/運用の必要性が高いことになる。にも関わらず、担当者は1名であるため、IT管理/運用の人的負担が特に高い状態になっているといえる。したがって、年商5億円以上~50億円以上の「ひとり情シス」企業に対してIT活用提案を行う場合には、「複数の拠点を持ちながら管理が個別になっている」状態の企業を抽出し、日々の業務に追われる「ひとり情シス」の担当者が短時間で理解し、魅力を感じることのできる端的な提案メッセージを投げかけることが重要なポイントとなってくる。

▼年商/従業員数だけでなく、「拠点」を考慮した幅広い選択肢のIT活用提案が必要

先頁で述べたのと同様のことは従業員数別に見た場合にもあてはまる。以下のグラフは年商500億円未満の企業にIT管理/運用の人員規模を尋ね、その結果を従業員数別に集計したものである。「ひとり情シス」企業の割合は従業員数50人以上~100人未満で22.0%、20人以上~50人未満で29.4%、20人未満で27.9%と2~3割前後の値となっている。
この従業員数100人未満における結果に拠点の概念を加えて集計したものが以下のグラフである。年商別の場合と比べると差はそれほど大きくないが、やはり「2~5箇所の拠点があり、インフラは各拠点で個別管理」という企業での「ひとり情シス」の割合が最も高くなっている。
このように「ひとり情シス」企業へのIT活用提案においては「拠点」を考慮に入れることが極めて重要である。その上で、複数拠点を一人で管理する負担をどのように軽減するか?の施策を検討する必要がある。集中管理が可能なVPN網の構築、SaaSの活用など、提案すべきソリューションは個々の企業が抱える課題や現状によって大きく異なってくる。
また、今回取り上げた年商5億円以上~50億円未満の層は企業の発展に応じてIT投資傾向にも変化が生じやすい。
一過性の提案に終わらないためにも、現状の課題解決だけでなく、今後さらに拠点を増やす可能性なども踏まえて、ネットワークなどのインフラ層からアプリケーション層まで幅広いIT活用提案の選択肢を用意しておくことが重要である。


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