2013/2014年度PCサーバー出荷調査報告

ノークリサーチでは2013年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。

株式会社ノークリサーチ

2014-06-24 14:00

<2013年度PCサーバー市場のポイント> ■2013年度533,180台、対前年比104.5%で増勢復活。 -消費増税、景気好転、マイグレーション需要が背景。 -台数は前年比4.5%アップで、533,180台。 -金額は前年比9.3%アップで、3,069億円。 ■NECはトップシェア維持。富士通がHPを抜いてシェア2番手となる。 ■2014年度は559,500台の過去最大出荷の可能性。 景気回復とWindowsマイグレーション需要がカギ。
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2014年6月24日

2013/2014年度 PCサーバー出荷調査報告

調査設計/分析/執筆: 伊嶋謙二


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)では2013年度の国内PCサーバーの出荷状況を調査した。2014年度の予測も併せて調査、報告している。
※グラフ・図表は下記URLをご参照ください
(リンク »)

<2013年度PCサーバー市場のポイント>
■2013年度533,180台、対前年比104.5%で増勢復活。
-消費増税、景気好転、マイグレーション需要が背景。
-台数は前年比4.5%アップで、533,180台。
-金額は前年比9.3%アップで、3,069億円。
■NECはトップシェア維持。富士通がHPを抜いてシェア2番手となる。
■2014年度は559,500台の過去最大出荷の可能性。
景気回復とWindowsマイグレーション需要がカギ。


◇対象期間 :(2013年度実績)2013年4月~2014年3月 (2014年度予測)2014年4月~2015年3月
◇対象メーカー :電子情報技術産業協会(JEITA) 自主統計参加及び未参加メーカー
日本電気、富士通、デル、日本IBM、日本HP、日立製作所、東芝、三菱電機など
◇対象機種 :電子情報技術産業協会(JEITA)定義に準ずる
◇調査方法 :当該メーカーに対する直接取材及び弊社データベースによる分析
◇調査時期 :2014年5月~6月


―2013年度533,180台、対前年比104.5%で増勢復活。
2013年度全体では533,180台で前年比104.5%という実績となった。上期は前年比97.0%だったが、下期は112.2%と2桁増進した。
特に下期のサーバー市場をけん引した要因には景気回復によるIT投資の回復と消費増税執行に対する年度末の駆け込み需要とWindows XPのサポート終了によるPC買い替えとの連動した出荷が大きな要因となっている。
サーバーの形状別にみると、ラック型サーバーが構成比では55.4%となって過去10年間で最も大きな割合を示した。台数としても約29万台の過去最高の出荷台数となっている。集約効果の高いラックサーバーに需要が集中しつつある。タワー型のサーバーは35.4%の構成比となって再度ウェイトを高めた。NEC、富士通による大型案件が寄与している。
ブレードは、49,410台で全体の構成比は9.3%とひとケタ台となった。前年比78.9%と大きく落ち込んでいる。集約需要を支える主要なサーバーにラック型が収斂しつつあるなかで、ブレードは高可用性を生かした独自な統合プラットフォームやHPC用途として一定の需要を満たしつつある。
業態別への出荷傾向では年間を通して安定して出荷していたのが、ITサービス、データセンタ向け需要だ。製造業など民需もデータ保全、事業継承などのソリューションでサーバー需要は伸びた。一方官公庁、公共系需要も戻りつつある傾向にあったことも伸びた要因の一つだ。
出荷金額ベースでは3,069億円となり、対前年比109.3%と出荷台数の伸びを上回った。仮想化を背景にしたディスクやメモリーを多く搭載したサーバーが多くなってきたことで、平均単価が高まり、台数の実績よりも出荷金額が伸びていることがあげられる。


「2013年度シェア概況」
- NECはトップシェア維持。富士通がHPを抜いてシェア2番手となる-
メーカーシェアで富士通が出荷台数の伸び率も高く、HPを抜き、2番手としてトップNECに迫ってきている。
1位はNECで、2013年度は25.0%でトップシェア。昨年度とほぼ同じだ。形状的にみればタワーが27.9%から29.1%と1.2ポイント上げた。ラックは21.6%から22.9%と1.3ポイントをあげた。ブレードは32.1%から22.5%と約10ポイントのシェアダウンだ。
主力のラックはITサービス業やデータセンタ向けの堅調な需要層に対する専用製品投入と販売実績と従来から変わらぬ販売力が奏功している。タワーは公共系の大型案件があったことなどからシェアを高めている。ブレードのシェアダウンはキャリア向けの大型案件が無くなったことの影響だ。
2位は富士通で21.9%から23.4%へシェアを高め、HPを抜いてシェア2位となった。特に目立ったのがタワー型サーバーだ。本年度は28.3%から31.0%となってトップシェアとなっている。またラックサーバーも20.6%とシェアを高めた。
同社の強みである大手企業から中堅・中小企業への直販とチャネル販売、そしてオープンチャネルといわれる全国の同社の系列以外の販売網での総合的な販売プロモーションが奏功して、総合的な出荷実績を収める。上位3社でみれば最も高い前年比11.8%の伸びを示した。
3位はHPで21.8%のシェアで昨年を1ポイント下回った。ただしラックは24.7%とトップシェアを維持した。ブレードは23.9%と3ポイントシェアアップし、ラック同様にトップシェアである。ブレードは、製造業などの技術計算用途(HPC)が中心需要だ。
年間通じて円安による影響は受けながらも、得意な通信業界、ネット関連業界、大手民間企業への案件で昨年台数を上回る実績を残した。
4位はデルで10.8%のシェアで昨年の12.2%を下回った。本来伸ばすべき下期で、同社の物流システムの不具合によるトラブルで出荷できない状況が続いたことによる不調が影響して、下期に大きく実績を下げている。
5位は日本IBMで8.0%から7.8%にシェアダウンだ。特にラックは9.0%から8.4%へとシェア低下が目立った。ブレードは13.4%から14.6%へ若干シェアアップとなっている。
同社は2014年1月のPCサーバー事業売却のアナウンスを契機に、市場での積極的な販売攻勢を年度末にかけられなかったことなどが要因でシェアダウンとなっている。
6位は日立製作所で5.6%から6.3%へと若干のシェアアップだ。ブレードだけで見れば19.0%のシェアで、HP、NECに次いで3番手のシェアとなる。
同社の強みである大企業、官庁、金融、交通インフラ企業への固い需要層に順調に導入している。同社は国内だけでなくストレージなどシステム全体としてのソリューションで海外への展開も視野に入れた展開が特徴だ。


「2014年度見通し」
―2014年度は559,500台の過去最大出荷の可能性。景気回復とWindowsマイグレーション需要がカギ
2014年度は、2013年度の消費税増税前の駆け込み需要の反動を危惧する向きもあるが、2015年7月に迫ったWindows Server 2003のサポート終了に伴うサーバーの買い替え需要による増加が見込まれる。また景気好転による企業のIT投資は進みつつあり、消費税増税後の景気動向によってはさらなる活性化も期待できる。BCPやセキュリティ面などの守りの強化は今後も継続し、さらにビックデータなどの新規需要も見込めることを考えると、IT投資はさらに活性化が見込まれる。クラウド化の流れも着実に強まっており、データセンタ、ITサービスの導入は今後も続く。サーバーの仮想化、集約化によるインフラ整備、増強のための需要増は続く。経過的には約56万台と過去最大の市場規模となる可能性を秘めている。

「PCサーバー市場の2014年度の見通しのポイントは次の4点。」
1. Windows Server 2003のサポート終了に伴うサーバーの買い替え需要
2. 景気好転による企業のIT投資の増進の期待
3. BCPやセキュリティ面などの守りの強化は今後も継続する投資分野
4. クラウド、サーバーの仮想化、集約化によるインフラ整備、増強のための需要は今後も見込める


当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:伊嶋謙二
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp
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