ノークリサーチ Quarterly Report 2016年 秋版

ノークリサーチは中堅・中小市場における2016年秋のIT投資に関する定点観測調査を行った。

株式会社ノークリサーチ

2016-11-24 12:00

<前四半期で改善したIT投資DIは再び下落、「投資対効果が見えない」という課題の解消が急務> ▼前四半期と比べて経常利益DIとIT投資DIが共に下落、今後は世界情勢の動きにも要注目 ▼経常利益増減は年商100億円を境に傾向が分かれる、販路開拓と人材コストが重要項目 ▼年末~年始のIT投資意向は多くの業種で減退の予想、「小さな成功体験」の蓄積が大切
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2016年11月24日

ノークリサーチ Quarterly Report 2016年 秋版

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

2016年秋の中堅・中小企業のIT投資指標


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ 03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小市場における2016年秋のIT投資に関する定点観測調査を行った。 定点観測調査は4月/7月/10月/1月の年4回実施、今回は米大統領選結果が影響する可能性などを踏まえ、通常よりも調査実施時期を遅らせている。本リリースは調査レポート「ノークリサーチQuarterly Report 2016年秋版」のサンプル/ダイジェストである。
(同レポートの詳細については本リリースの末尾を参照)

下記のリリース内容は以下のURLにも掲載されております。
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(リンク »)

調査対象企業: 年商500億円未満の国内民間企業700社の経営層/管理職/社員
調査対象地域: 日本全国
調査対象業種: 組立製造業/加工製造業/建設業/流通業/卸売業/小売業/IT関連サービス業/サービス業
調査実施時期: 2016年11月前半


<前四半期で改善したIT投資DIは再び下落、「投資対効果が見えない」という課題の解消が急務>
▼前四半期と比べて経常利益DIとIT投資DIが共に下落、今後は世界情勢の動きにも要注目
▼経常利益増減は年商100億円を境に傾向が分かれる、販路開拓と人材コストが重要項目
▼年末~年始のIT投資意向は多くの業種で減退の予想、「小さな成功体験」の蓄積が大切


▼前四半期と比べて経常利益DIとIT投資DIが共に下落、今後は世界情勢の動きにも要注目
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体におけるIT投資DIと経常利益DIの変化をプロットしたものである。
[IT投資DIの定義]
今四半期以降のIT投資予算額が前四半期と比べてどれだけ増減するかを尋ね、「増える」と「減る」の差によって算出した「IT投資意欲指数」を指す。2016年10月時点のIT投資DIは2016年7月~2016年9月と比べた時の2016年10月以降のIT投資意向を示す「先行指数」である。(IT投資の「実績値」ではなく、投資意向を反映した「見込み値」である点に注意)
[経常利益DIの定義]
前回調査時点と今回調査時点を比較した場合の経常利益変化を尋ね、「増えた」と「減った」の差によって算出した「経常利益増減指数」 を指す。2016年10月時点での値は2016年7月時点と比較した場合の経常利益増減の実績値となる。
2016年10月時点の各DI値を2016年7月時点と比較すると、経常利益DIは11.8から7.8ポイント減少して4.0、IT投資DIは5.9から5.0ポイント減少して0.9となった。前四半期から一転して、経常利益DIとIT投資DIが共に下落する結果となった。
秋の定点観測調査は通常10月に実施しているが、今回は米大統領選の結果が中堅・中小企業の今後の意思決定に与える影響を探るため、実施時期を11月前半に遅らせている。(各DI値に関連する設問については通常と同様に2016年10月時点を基準とした結果を回答する形で尋ねている)現段階において即座に中堅・中小企業の業績やIT投資意向に影響を与える兆候は見られないが、今後はTPPの行く末などを注視していく必要がある。また来年以降は欧州でも幾つかの国で首脳の交代が予想される。こうした世界情勢の変化に伴い、中堅・中小企業を取り巻くビジネス環境にも何らかの影響が及ぶ可能性がある。次頁以降ではDI値下落の要因も含め、本リリースの元となる「ノークリサーチQuarterly Report 2016年秋版」レポートにおけるIT投資動向分析の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。


▼経常利益増減は年商100億円を境に傾向が分かれる、販路開拓と人材コストが重要項目
本リリースの元となる調査レポートでは冒頭で触れた経常利益DIの変化を年商別および業種別に集計している。以下のグラフは過去一年間の経常利益DI値および2016年10月以降の経常利益DI見込み値を年商別にプロットしたものだ。
2016年7月時点と2016年10月時点の経常利益DI値の変化は以下のようになっている。
年商5億円未満(小規模企業クラス): -11.3
年商5億円以上~50億円未満(中小企業クラス): -9.3
年商50億円以上~100億円未満(中堅Lクラス): -15.6
年商100億円以上~300億円未満(中堅Mクラス): 16.1
年商300億円以上~500億円未満(中堅Hクラス): 3.8
年商100億円を境界線として、それよりも高い年商帯では増加、低い年商帯では減少となっていることがわかる。企業数の多い年商100億円未満における減少幅が大きいため、冒頭で見たように中堅・中小企業全体の経常利益DI値も-7.8ポイントとやや大きな下落幅となっている。また、今後の見込みについても現状と比較して横ばいもしくは下落という予想となっている。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対し、「前四半期と比べて経常利益がマイナスとなった理由」を尋ねた結果を前回調査(2016年7月時点)と今回調査(2016年10月時点)で比較したものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは30以上の項目に渡って詳細を尋ねているが、ここではサンプル/ダイジェストとして一部の選択肢のみをプロットしている)
前回調査と比べて「商品/サービスの単価が下がっている」の回答割合は減ったものの、「商品/サービスの販売量が減っている」の回答割合は依然として高いことがわかる。「消費者の購買意欲は依然として低い」や「企業の設備投資は依然として少ない」の回答割合は前回調査よりも高くなっており、これらが販売量減少の要因の一つと考えられる。さらに「有望な販路を開拓できない」や「人材を確保するためのコストが上がっている」といった課題についても前回調査と比べて多く挙げられている。ITソリューションを販売/訴求する側としては「eコマースなども含めた販路の開拓」や「少ない人材で業務を担う効率化」に寄与する製品/サービスを提供していくことが重要と考えられる。


▼年末~年始のIT投資意向は多くの業種で減退の予想、「小さな成功体験」の蓄積が大切
本リリースの元となる調査レポートでは、経常利益DIと同様にIT投資DIについても年商別および業種別の集計/分析を行っている。
以下のグラフは過去一年間のIT投資DI値を業種別にプロットしたものだ。
建設業を除くと、いずれの業種においてもIT投資DI値は減少もしくは横ばいとなっている。建設業は経常利益DI値は減少しているものの、「業態の拡大や転換にITが必要である」といった理由でIT投資を増やす動きが見られる。ただし、一部の建設業で見られる動きであるため、中堅・中小全体ではいずれの業種においても減少または横ばいの状態とみるのが無難と考えられる。
冒頭でも述べたようにIT投資DIは「今後のIT投資意向を表す先行指数」である点に注意が必要だ。したがって、2016年末から2017年初頭にかけては2016年7月時点と比べて多くの業種でIT投資意向の減退が生じる可能性がある。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体に対し、「前四半期と比べて今後のIT投資が減少するとなった理由」を尋ねた結果を前回調査(2016年7月時点)と今回調査(2016年10月時点)で比較したものである。(本リリースの元となる調査レポートでは30以上の項目に渡り詳細を尋ねているが、ここではサンプル/ダイジェストとして一部の選択肢のみプロットしている)
前回調査に続き「売上が低迷し、IT投資費用を捻出できない」が最も多く挙げられており、さらに「人件費が上がり、IT投資費用を捻出できない」の回答割合が前回調査と比べて高くなっている。 こうした直近の厳しい状況に加え、「物価や金利の上昇に備えて投資は控えておきたい」や「景気が本当に回復するかをもう少し見極めたい」といった今後の経済状況が不透明であることを理由とした項目も前回調査と比べて若干増えている。ITソリューションを販売/訴求する側が最も留意すべきなのは「IT活用の投資対効果が不明確である」の回答割合が前回調査と比べて増加している点だ。ユーザ企業がIT投資に対するメリットを確信することができなければ、経済状況の不安が解消したとしても積極的なIT活用を見込むことはできない。「投資対効果」というと難しく聞こえるが、中堅・中小のユーザ企業が求めているのは小規模な業務改善効果を少額の投資で実現する『小さな成功体験』であるケースも少なくない。地味ではあるが、こうした『小さな成功体験』を着実に積み上げる取り組みも今後は重要になってくると考えられる。


「ノークリサーチQuarterly Report 2016年秋版」のご案内
本リリースの元になっている「ノークリサーチQuarterly Report2016年秋版」の概要は以下の通りである
サンプル件数: 700社(有効回答件数)
サンプル属性区分:
年商: 5億円未満(160サンプル:1.6) / 5億円以上~50億円未満(150サンプル:1.5) /50億円以上~100億円未満(130サンプル:1.3) /100億円以上~300億円未満(130サンプル:1.3 ) /300億円以上~500億円未満(130サンプル:1.3 )
※「:」以降の記載した比率となるように、年商区分による割付処理を実施
職責: 以下のいずれかに当てはまる職責の経営層または社員のみを抽出
・企業の経営に関わる立場であり、IT関連投資の決裁を下す立場
・企業の経営に関わる立場であるが、IT関連投資の決裁には直接関わらない立場
・ITの導入/選定/運用作業に関わり、社内の経営層に対する提案も行う立場
・ITの導入/選定/運用作業に関わるが、社内の経営層に対する提案は行わない立場
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 流通業(運輸業) / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / IT関連サービス業 / サービス業
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
設問項目:
[Q1系列]経常利益の増減とその要因
Q1-1.2016年7月時点と2016年10月時点を比較した場合の業績(経常利益)変化
Q1-2.2016年7月時点と2016年10月時点を比較した場合の経常利益がプラスとなった要因(いくつでも)
Q1-3.2016年7月時点と2016年10月時点を比較した場合の経常利益がマイナスとなった要因(いくつでも)
Q1-4.2016年7月~2016年9月と比較した場合の2016年10月以降の業績(経常利益)見通し
[Q2系列]IT投資の増減とその要因
Q2-1.2016年10月以降のIT投資額を2016年7月~2016年9月と比較した場合の増減
Q2-2.2016年10月以降のIT投資額が2016年7月~2016年9月と比較した場合に増える理由(いくつでも)
Q2-3.2016年10月以降のIT投資額が2016年7月~2016年9月と比較した場合に減る理由(いくつでも)
内容物:
分析サマリ(pdf形式) 分析の要点を記載したドキュメント(※1)
集計データ(Microsoft Excel形式)(※2)
※1 分析サマリには年商別と業種別のそれぞれについて、経常利益増減理由およびIT投資増減理由に関する分析コメントが含まれる。
※2 上記の「設問項目」の結果を「サンプル属性区分」に記載した各属性を軸として集計したデータ。(右下に掲載した例を参照)
価格: 180,000円(税別)(CD-ROM版のみ)
備考:
本レポートは四半期毎(1月、4月、7月、10月)に実施しているIT投資意向に関する調査結果のうち、10月調査実施分に該当するデータです。(ご発注後、5営業日程度での出荷となります)また、それぞれのIT分野に関する詳細なレポートについては弊社ホームページ( (リンク ») )をご参照ください。

本ドキュメントの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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株式会社 ノークリサーチ 調査設計、分析、執筆:岩上由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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