2019年 サブスクリプションやシェアリングが中堅・中小企業のIT活用に与える影響

ノークリサーチはサブスクリプションやシェアリングといった新たなビジネス形態が中堅・中小企業 のIT活用にどう影響するか?に関する調査を行い、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2019-05-27 12:00

<サブスクリプション(購読)やシェアリング(共有)は今後のITソリューション提案で無視できない形態> ■サブスクリプション/シェアリングによるIT活用の市場規模は年商300億円未満で426.5億円 ■本業に関わるサブスクリプション/シェアリングはIT企業がプラットフォームを提供する好機 ■情シス担当人数は6名以上が有望、費用増加や情報漏えいの懸念を解消する施策も必要
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2019年5月27日

2019年 サブスクリプションやシェアリングが中堅・中小企業のIT活用に与える影響

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)はサブスクリプションやシェアリングといった新たなビジネス形態が中堅・中小企業 のIT活用にどう影響するか?に関する調査を行い、その結果を発表した。本リリースは「2019年版 DX時代に向けた中堅・中小 ITソリューション投資動向レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<サブスクリプション(購読)やシェアリング(共有)は今後のITソリューション提案で無視できない形態>
■サブスクリプション/シェアリングによるIT活用の市場規模は年商300億円未満で426.5億円
■本業に関わるサブスクリプション/シェアリングはIT企業がプラットフォームを提供する好機
■情シス担当人数は6名以上が有望、費用増加や情報漏えいの懸念を解消する施策も必要


対象社数: 700社(有効回答件数)
対象年商: 5億円未満 / 5~50億円 / 50~100億円 / 100~300億円 / 300~500億円
対象業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他
対象地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
対象職責: 企業の経営またはITの導入/選定/運用作業に関わる立場


■サブスクリプション/シェアリングによるIT活用の市場規模は年商300億円未満で426.5億円
昨今では「所有」から「利用」へと消費形態が次第に変化してきている。その中でも、企業における今後のビジネス展開に深く 関係するのが、「サブスクリプション(購読型ビジネス)」および「シェアリング(共有型ビジネス)」である。
「サブスクリプション(購読型ビジネス)」の例:
従来: 個々のアーティストの楽曲をCDやダウンロードで購入して所有する
今後: 「毎月500円で5曲まで自由に選んで聴ける」というサービスを利用
「シェアリング(共有型ビジネス)」の例:
従来: 1組の顧客が1台のタクシーを占有して利用する
今後: 複数組が1台のタクシーに同乗し、料金を折半する
企業のIT活用においても、サブスクリプションの考え方は業務アプリケーションやサーバのクラウドサービス(SaaS、PaaS、IaaS)
だけでなく、PCのOS/ハードウェアを対象とした「WaaS(Windows as a Service)」や「DaaS(Device as a Service」などにも広がりを見せつつある。シェアリングについても、WiFiアクセスポイントをシェアする「FON」や人材のシェアを支援する「Tonashiba」など新たな発想で企業活動を支えるサービスが登場してきている。
以下のグラフは年商5億円未満、年商5~50億円、年商50~100億円、年商100~300億円の企業に対してサブスクリプションやシェアリングによるIT活用の意向や拠出可能な金額を尋ねた結果に基いて市場規模を算出した結果である。4つの年商区分の合計は426.5億円に達し、ITソリューションを提供するベンダや販社/SIerにとってサブスクリプションやシェアリングによるIT活用は既に無視できない動向となっている。本リリースの元となる「2019年版 DX時代に向けた中堅・中小ITソリューション投資動向レポート」ではベンダや販社/SIerがサブスクリプション/シェアリングのビジネス形態をITソリューション提案にどう活かすべきか?に関する詳しい分析と提言を行っている。次頁以降では、その一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。

■本業に関わるサブスクリプション/シェアリングはIT企業がプラットフォームを提供する好機
本リリースの元となる調査レポートでは、サブスクリプション/シェアリングのビジネス形態として以下の選択肢を列挙している。
サブスクリプションに関連するビジネス形態
・月額制で利用する製品/サービスを自由に選択できる(※1)
・月額制で推奨の製品/サービスが選ばれて提供される(※2)
・配送や保守などの付加価値を製品/サービスに含める
・動画やVRを用いて利用場面を事前に疑似体験できる
・モノ自体は無償で提供し、サービスを収益源とする
・個数や分量に応じて月額の利用料金が設定される
・品質や機能に応じて月額の利用料金が設定される シェアリングに関連するビジネス形態
・廃棄物や副産物を新たな製品/サービスに変える
・企業が所有する設備を他社と共有して活用する(※3)
・企業が所有する人材を他社と共有して活用する(※4)
・製品/サービスの一部が無償で提供される
・提供者と利用者の間で報酬を分け合う
・短い時間単位の労働力を活用する
・個人が持つスキルを活用する
調査レポートでは上記に列挙した各々のビジネス形態について、以下の3つのパターンの取り組み意向の有無や金額(提供 する場合は期待される売上、利用する場合は拠出可能な費用)などを尋ねて詳しい集計/分析を行っている。
パターン1: 本業に関わる製品/サービスなどを購読型や共有型で提供する パターン2: 本業に関わる製品/サービスなどを購読型や共有型で利用する パターン3: IT活用に関わる製品/サービスなどを購読型や共有型で利用する例えば、「月額制で利用する製品/サービスを自由に選択できる」というサブスクリプションのビジネス形態をパターン1で提供している具体例としては服飾品における「Laxus(ラクサス)」や「airCloset(エアークローゼット)」、自動車における「KINTO」や「NOREL」などが挙げられる。また、「廃棄物や副産物を新たな製品/サービスに変える」というシェアリングのビジネス形態をパターン1で提供する具体例としては飲食店で余った食品/食材を安価に提供する「TABETE」、折れたバットから箸や靴ベラなどを制作する「兵左衛門」などが挙げられる。一方で、「個人が持つスキルを活用する」というシェアリングのビジネス形態をパターン2として企業が利用する場面では「ランサーズ」や「クラウドワークス」などのプラットフォームも既に登場している。
以下のグラフは上記に列挙した項目のうち、※1~※4の取り組み意向をパターン1とパターン2で比較したものだ。中堅・中小企業全体に占める割合はまだ僅かだが、一歩先を行くITソリューション提供のためには早い段階から今後の動向を見極めることが重要となる。※1の値はパターン1とパターン2で大差がないが、※2は本業で提供したいと考える企業よりも利用したいと考える企業の方が多い。※2の具体例はコーヒーの「coffee mafia」、フランス料理の「Provision」のように、現時点では月額会員制による飲食店の事例が目立つ。つまり、「月額制で推奨の製品/サービスが選ばれて提供される」というビジネス形態を飲食店以外に展開できるプラットフォームを実現できれば、ベンダや販社/Serにとって新たなITソリューションの提供機会となる可能性がある。同様に※3と※4も本業で提供したいと考える企業よりも利用したいと考える企業が多い。例えば※3では「スペースマーケット」などのプラットフォームが既に存在するが、シェアリングの対象領域が広がることにより、新たなプラットフォームを提供する機会も増えていくと予想される。
このようにベンダや販社/SIerがサブスクリプション/シェアリングによるIT活用を考える際には、企業の本業に関わるサブスクリプションやシェアリングについても理解を深めておくことが重要となってくる。

■情シス担当人数は6名以上が有望、費用増加や情報漏えいの懸念を解消する施策も必要
中堅・中小企業におけるサブスクリプションやシェアリングによるIT活用の実態を把握する際には、「IT管理/運用の人員規模」 との関連も重要だ。以下のグラフはIT活用においてサブスクリプション/シェアリングのビジネス形態を利用したいと考える割合 をIT管理/運用の人員規模別に集計した結果である。(調査レポートには年商、業種、従業員数、地域など、様々な企業属性を 軸とした集計データが含まれる)サブスクリプションやシェアリングでは「費用の按分」や「資産/人材に関する管理負担の軽減」などといった効果が期待できる。
そのためIT管理/運用の人員規模が小さい企業の方が活用意向も高いと考えがちだ。だが上記のグラフを見ると、兼任と専任のいずれの場合も「ひとり情シス(1名)」や「少人数情シス(2~5名)」と比べて「多人数情シス(6名以上)」の方が高い活用意向を示している。冒頭に掲載した市場規模においても年商規模の高い企業層の方が高い数値を示している。したがって、ベンダや販社/SIerがサブスクリプションやシェアリングによるIT活用を訴求する際には「多人数情シス(6名以上)」から訴求を始めた方が確実と考えられる。
さらに、本リリースの元となる調査レポートではサブスクリプションやシェアリングに関する課題/懸念や活用したい支援策などについても詳しい集計と分析を行っている。以下に列挙したものは「サブスクリプションやシェアリングを利用する際の課題や懸念」に関する選択肢を列挙したものだ。
サブスクリプションやシェアリングを利用する際の課題や懸念
・品質や納期が満たされない可能性がある
・中長期的に見た場合は逆に費用が増える(※1)
・秘匿情報が漏えいしてしまう恐れがある(※2)
・業務の効率が現状よりも下がってしまう
・どのサービスが良いかを判断できない
・「利用」よりも「所有」を選ぶ傾向が依然として強い
・共有や購読が適しているかどうかを判断できない
・法規制や業界慣習に抵触してしまう恐れがある
・従来のレンタルやリースとの違いがわからない
・従来のアウトソーシングとの違いがわからない
・仲介や支援を行うサービスの利用料金が高い
以下のグラフは上記に列挙された課題や懸念のうち、※1と※2の結果をIT管理/運用の人員規模別に集計したものだ。兼任と 専任のいずれの場合にも規模が大きくなるにつれて、費用の増加や情報漏えいを懸念する割合が高くなる傾向がうかがえる。 ベンダや販社/SIerがサブスクリプションやシェアリングによるIT活用を提案する際には「機能・仕様」や「月額費用」だけでなく、 「中長期に見た時の費用」や「情報漏えいの防止策」についても十分な説明を行うことが重要と考えられる。


本リリースの元となる調査レポート

『2019年版 DX時代に向けた中堅・中小ITソリューション投資動向レポート』
IoT、VR/AR、ロボット、ドローン、ウェアラブル、働き方改革、HRTech、サブスクリプション、シェアリングの最新動向を 網羅したITソリューション提案/立案の必携書
【分析対象データ】
対象社数: 700社(有効回答件数) 対象年商: 5億円未満 / 5~50億円 / 50~100億円 / 100~300億円 / 300~500億円
対象業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他
対象地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
対象職責: 企業の経営またはITの導入/選定/運用作業に関わる立場
【分析サマリの概要】
1.本調査レポートの背景と構成
2.サブスクリプションとシェアリング
2-1.提供/利用したいと考えるビジネス形態
2-2.課題/懸念や活用したい支援策
2-3.期待される売上と拠出可能な費用
3.新たなデバイスによるIT活用(IoT、VR/AR、ロボット、ドローン、ウェアラブル)
4.働き方改革と人材不足への対処
5.IT活用における意思決定者と投資割合
【価格】180,000円(税別)
【発刊日】2019年6月末予定
ご好評いただいている既存の調査レポート(各冊:180,000円税別)


『2019年 RPA導入金額の最大化に向けた用途と課題の優先度分析レポート』
ランダムフォレストを用いた分析によってRPA導入を成功に導くポイントを提言
【レポートの概要と案内】 (リンク »)
『2019年サーバ更新における方針/課題とHCI導入意向の関連分析レポート』
サーバ仮想化の実現手段に留まらないHCI導入提案を成功させる訴求策を提言
【レポートの概要と案内】 (リンク »)
『2019年 販売管理システム提案に効果的な訴求キーワードの分析レポート』
「ユーザ企業による評価」と「ベンダ各社の情報発信」を相互分析した新たな視点
【レポートの概要と案内】 (リンク »)

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