2019年 販社/SIerのシステム構築力や導入効果などに関する評価ランキング

ノークリサーチは中堅・中小企業を対象として業務システムの委託先/購入先となる販社/SIerのシステム構築力や提案/販売された業務システムの導入効果などに関する調査を実施し、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2019-12-11 13:00

<実際に導入されている業務システムのユーザ評価を紐解くと、自社の強み/弱みが見えてくる> ■「売上改善」に関するユーザ企業の評価では独立系SIerだけでなく、ベンダ系列SIerも健闘 ■「導入効果」のユーザ評価を把握するためには売上改善と経費削減の2つの分析軸が必要 ■「システム構築力」の評価は「テンプレート充実度」 「カスタマイズ費用」などの影響も受ける
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2019年12月11日

2019年 販社/SIerのシステム構築力や導入効果などに関する評価ランキング

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は1300社に渡る中堅・中小企業を対象として業務システムの委託先/購入先となる販社/ SIerのシステム構築力や提案/販売された業務システムの導入効果などに関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは 「2019年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート」のサンプルおよびダイジェストである。


<実際に導入されている業務システムのユーザ評価を紐解くと、自社の強み/弱みが見えてくる>
■「売上改善」に関するユーザ企業の評価では独立系SIerだけでなく、ベンダ系列SIerも健闘
■「導入効果」のユーザ評価を把握するためには売上改善と経費削減の2つの分析軸が必要
■「システム構築力」の評価は「テンプレート充実度」 「カスタマイズ費用」などの影響も受ける


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
調査実施時期: 2019年7月~8月
有効回答件数: 1300社(有効回答件数)
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■「売上改善」に関するユーザ企業の評価では独立系SIerだけでなく、ベンダ系列SIerも健闘
本リリースの元となる調査レポートでは、1300社の中堅・中小企業を対象として主要な販社/SIer(プライムの販社/SIer)から 最も直近で導入した業務システム(IT関連資産やサービス)の導入効果を尋ねている。次頁で示すように、「導入効果」には 様々な観点があるが、以下のグラフは「業務システムの導入によって、期待していた売上の増額幅が期待を上回った」(= 売上改善:○)と回答したユーザ企業の割合を主要な販社/SIer別に集計し、上位8社のランキングとしてプロットしたものだ。
売上改善に関する導入効果では「日本ユニシス(系列企業を含む)」や「富士ソフト」といった独立系SIerだけでなく、「NECネクサ ソリューションズ」 「富士通マーケティング」 「日立ソリューションズ」などのベンダ系列SIerもユーザ企業による評価ランキングの 上位に位置している。(ランキングの算出方法は次頁に記載) 販社/SIerが中堅・中小市場に取り組む際は導入社数シェアだけ でなく、業務システムの「導入効果」ならびに「提案/販売時の活動」「金額提示」「システム構築力」「保守/サポート」などの観点で ユーザ企業が自社をどう評価しているか?を把握することも大切だ。次頁以降では、そうした分析結果の一部を調査レポートの サンプル/ダイジェストとして紹介している。


■「導入効果」のユーザ評価を把握するためには売上改善と経費削減の2つの分析軸が必要
本リリースの元となる調査レポートでは、主要な販社/SIer(プライムの販社/SIer)から最も直近で導入した業務システム(IT関連 資産やサービス)の「導入効果」と「費用」に関する評価を以下の2つの設問によって尋ねている。
設問S3.主要な委託先/購入先から最近導入したIT関連資産やサービスの導入効果
「売上改善」の観点:
導入によって期待していた売上の増額幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、売上改善を期待していなかった場合は「N/A」
「経費削減」の観点:
導入によって期待していた経費の削減幅が期待を上回った場合は「○」、下回った場合は「×」、経費節減を期待していなかった場合は「N/A」
本設問の選択肢は上記の2つの観点を組み合わせた以下の(3×3= 9通り)となる。
<<売上改善が期待通りだった場合>>
1 売上改善:○、経費削減:○
2 売上改善:○、経費削減:×
3 売上改善:○、経費削減:N/A
<<売上改善が期待通りでなかった場合>>
4 売上改善:×、経費削減:○
5 売上改善:×、経費削減:×
6 売上改善:×、経費削減:N/A
<<売上改善を期待していなかった場合>>
7 売上改善:N/A、経費削減:○
8 売上改善:N/A、経費削減:×
9 売上改善:N/A、経費削減:N/A
設問S4.主要な委託先/購入先から最近導入したIT関連資産やサービスに要した費用
「導入費用」の観点:
初期導入に要した費用が予定の金額以内だった場合は「○」、超過した場合は「×」
「運用費用」の観点:
保守/サポート費用が予定の金額以内だった場合は「○」、超過した場合は「×」
本設問の選択肢は上記の2つの観点を組み合わせた以下の(2×2 = 4通り)となる。
<<導入費用と運用費用の双方が予定内だった場合>>
1 導入費用:○、運用費用:○
<<導入費用は予定内だったが、運用費用が超過した場合>>
2 導入費用:○、運用費用:×
<<導入費用は超過したが、導入費用は予定内だった場合>>
3 導入費用:×、運用費用:○
<<導入費用と運用費用の双方が超過した場合>>
4 導入費用:×、運用費用:×
設問S3の回答結果で「売上改善:○」に該当する選択肢割合を合算して販社/SIer別にプロットした結果が冒頭のグラフである。 さらに、以下のグラフは前頁の「NECネクサソリューションズ」 「富士通マーケティング」 「日立ソリューションズ」の3社について、 「売上改善:○」の内訳をプロットしたものだ。
「売上改善:○」の回答割合に関する3社の差異は5ポイント未満と僅差である。だが、富士通マーケティングは3社の中では 「売上改善:○、経費削減:○」の割合が高く、売上改善と経費削減を同時に実現できているユーザ企業の割合が相対的に 高いことがわかる。その一方、日立ソリューションズでは「売上改善:○、経費削減:N/A」の割合が高く、売上改善に目的を 絞った業務システム委託/導入が3社の中では比較的多くなっている。NECネクサソリューションズは両者の中間的な傾向を 示している。つまり、販社/SIerが売上改善と経費削減を両立した業務システム提案に取り組む際は富士通マーケティングの 取り組みが一つの参考例となり、売上改善に専念した提案を進める場合は日立ソリューションズの取り組みが参考例となる。 このように販社/SIerがユーザ企業に販売した業務システムの「導入効果」を把握する際は「売上改善」と「経費削減」の2つの 観点が必要となる。同様に「費用」に関する評価を把握する際には「導入費用」と「運用費用」の2つが必要となってくる。


■「システム構築力」の評価は「テンプレート充実度」 「カスタマイズ費用」などの影響も受ける
さらに本リリースの元となる調査レポートでは、主要な販社/SIer(プライムの販社/SIer)の「システム構築力」に関する評価を 以下の2つの設問で尋ねている。(2つの設問の同じ選択肢番号は互いに対応している)(ここでは「システム構築力」の設問 のみ掲載しているが、調査レポートには「販売/提案時の活動」「金額提示」「保守/サポート」に関する評価についても設問を 設けて、集計/分析を行っている)
設問S7-1.主要な委託先/購入先の「システム構築力」 について満足度が高い事柄(複数回答可)
1 自社内設置やクラウドなど、多種多様な構築方法を提示してくれる
2 IT機器だけでなく、電話や複合機を含むオフィス全体を視野に入れている
3 個別カスタマイズをしない標準状態でも豊富な機能を揃えている
4 業種/業態に即したテンプレートが充実しており、個別カスタマイズの必要があまりない
5 自社が望む機能については個別カスタマイズで柔軟かつ迅速に対応してくれる
6 個別のカスタマイズ費用については他社や他製品と比べると安価である
7 標準製品の枠内でカバーできる範囲が広い
8 個別カスタマイズ部分も含めた自社専用のマニュアルを作成してくれる
9 製品がバージョンアップした時でも個別カスタマイズ部分はそのまま流用できる
10 製品がバージョンアップした時でも個別カスタマイズの反映には費用がかからない
11 自社が求めた要件を忠実に再現したシステムを構築してくれる

設問S7-2.主要な委託先/購入先の「システム構築力」 について不満度が高い事柄(複数回答可)
1 クラウドのみで自社内設置がない等、構築方法の提案内容が偏っている
2 IT機器のみに限定され、電話や複合機を含むオフィス全体での最適化ができない
3 個別カスタマイズをしない標準状態では機能が不足している
4 業種/業態に向けたテンプレートは簡易なものであり、実際は個別カスタマイズが多い
5 自社が望む機能を個別カスタマイズで実現しようとしても制限が多く、時間もかかる
6 個別のカスタマイズ費用については他社や他製品と比べると割高である
7 標準製品の枠内でカバーできる範囲が狭い
8 標準のマニュアルと個別カスタマイズ部分のマニュアルの整合性がとれていない
9 製品がバージョンアップした時は個別カスタマイズ部分に対応作業が必要となる
10 製品がバージョンアップした時に個別カスタマイズの反映に費用がかかる
11 自社の要件を尋ねるだけで、業者側からの自主的な工夫がない
以下の左側のグラフは設問S7-1の各選択肢の回答割合を中堅・中小企業全体における回答結果に基づく重み付けをした上で 平均し、販社/SIer毎のスコアとして算出したものである。右側のグラフは設問S7-2について同じ手順でスコアを算出したものだ。 いずれも調査レポートの中から上位8位までを抜粋してプロットしている。つまり、左側が満足度の高い事柄(肯定的な項目)の 評価ランキング、右側が不満度の高い事柄(否定的な項目)の評価ランキングを表している。
上記のグラフを見ると、富士ソフトや日立システムズのように双方のグラフで上位に位置しているケースが確認できる。そこで、 これら2社について、特徴的な傾向を示す選択肢の回答結果をプロットしたものが以下のグラフである。
2社いずれも、「自社内設置やクラウドなど、多種多様な構築方法を提示してくれる」(肯定的項目) の回答割合が平均より高い 一方、「クラウドのみで自社内設置がない等、構築方法の提案内容が偏っている」(否定的項目)は平均と大きな差がなく、シス テム形態の幅広さについては肯定的な評価が上回っている。その他の観点を見ると、富士ソフトでは「業種/業態に即したテン プレートが充実しており、個別カスタマイズの必要があまりない」(肯定的項目)の回答割合も高い一方で「業種/業態に向けた テンプレートは簡易なものであり、実際は個別カスタマイズが多い」(否定的項目)の回答割合も高い。テンプレートが充実して いることで高い評価を受けると共に、さらに高度なテンプレート対応を望むユーザ企業も存在している状況と考えられる。また、 日立システムズでは全体と比べて肯定的な項目の回答割合が概ね高い傾向を示す一方、「個別のカスタマイズ費用について は他社や他製品と比べると安価である」(肯定的項目)よりも、「個別のカスタマイズ費用については他社や他製品と比べると 割高である」(否定的項目)の回答割合が高く、設問[S7-2]におけるランキングが高くなる一要因となっている。このように評価 ランキングの背景となる要因は個々の販社/SIerによって異なる。販社/SIerとしては、自社に類似するまたは競合する代表的な 販社/SIerの評価を確認することによって、自社の強みや弱みを知ることが重要となってくる。


本リリースの元となる調査レポート

『2019年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート』
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /
IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
第1章: 本調査レポートの背景と構成
第2章: 導入社数シェアとプライム率
第3章: 商材分野別ポートフォリオのランキング
第4章: 導入効果に関するユーザ評価ランキング
第5章: 費用に関するユーザ評価ランキング
第6章: 提案・販売時の活動に関するユーザ評価ランキング
第7章: 金額提示に関するユーザ評価ランキング
第8章: システム構築力に関するユーザ評価ランキング
第9章: 保守/サポートに関するユーザ評価ランキング
第10章: IT企業各社に対する印象やイメージ

【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2019年12月23日
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、集計データ例など】 (リンク »)


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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
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