2024年 生成AIの導入提案を確実にするための「ターゲティング」と「ステップアップ」

ノークリサーチは生成AI導入を着実に進めるための「ターゲティング」と「ステップアップ」の実践例を公開した。

株式会社ノークリサーチ

2024-05-07 12:30

<「ターゲティング」と「ステップアップ」の有無が様々なDX導入提案の成否を左右する> ■ 年商/業種を適切に絞り込むことによって、生成AIの導入割合は8.8%から15%超まで高まる ■ いきなり生成AIを見せるのではなく、前段となるDX/ITソリューションから順に提案していく ■ 年商50~100億円の運輸業ではPaaSの顧客管理システムからAIチャットへの展開が有効 ■ 社数シェアやシステム連携の点ではセールスフォース・ジャパン導入ユーザが比較的有望
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2024年5月7日

2024年 生成AIの導入提案を確実にするための「ターゲティング」と「ステップアップ」

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は生成AI導入を着実に進めるための「ターゲティング」と「ステップアップ」の実践例を公開した。本リリースは「2024年版 DX提案に不可欠なターゲティングとステップアップの実践レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<「ターゲティング」と「ステップアップ」の有無が様々なDX導入提案の成否を左右する>
■ 年商/業種を適切に絞り込むことによって、生成AIの導入割合は8.8%から15%超まで高まる
■ いきなり生成AIを見せるのではなく、前段となるDX/ITソリューションから順に提案していく
■ 年商50~100億円の運輸業ではPaaSの顧客管理システムからAIチャットへの展開が有効
■ 社数シェアやシステム連携の点ではセールスフォース・ジャパン導入ユーザが比較的有望


■ 年商/業種を適切に絞り込むことによって、生成AIの導入割合は8.8%から15%超まで高まる
生成AIは引き続き注目度の高いトピックであり、IT企業にとっては中堅・中小企業向けの効果的な訴求方法を見極めることが今後の生成AI提案の成否を大きく左右する局面となっている。 以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業1300社における、代表的なDX/ITソリューションの導入割合を比較したものだ。
「生成AI」の導入割合は「センサ+AIによるデータ分析(IoT関連ソリューション) 」と同程度であり、「ドローン」「VR/AR/デジタルサイネージ」「3Dプリンタ」「ロボット」と比べると高いが、「自動化/システム連携/開発ツール(RPA/iPaaS/ノーコード/ローコード)」「コミュニケーション改善/データ共有」「ペーパレス化」「販売/マーケティングの改善や刷新(ライブコマース、D2Cなど)」といった中堅・中小向けDXの中核を成す分野にはまだ及ばない。上記のグラフが示すように中堅・中小企業全体の「生成AI」導入割合は8.8%に留まるが、実は年商/業種を適切に絞り込めば15%超に高まる。また、いきなり生成AIを提案してもユーザ企業に価値を伝えるのは容易ではないが、前段となるDX/ITソリューション提案から順に段階を踏めば、成功率を着実に高めることが可能となる。 本リリースの元となる「2024年版 DX提案に不可欠なターゲティングとステップアップの実践レポート」では、様々DX/ITソリューション提案を着実に進めるための絞り込み(ターゲティング)と段階(ステップアップ)を明らかにしている。次頁以降では「生成AI」を具体例とした分析結果をサンプル/ダイジェストとして紹介する。


■ いきなり生成AIを見せるのではなく、前段となるDX/ITソリューションから順に提案していく
以下の2つのグラフは中堅・中小企業における「生成AI」の導入割合を年商別(左側のグラフ)と業種別(右側のグラフ)で集計した結果である。年商別では50~100億円(中堅下位企業層)の値が比較的高く(14.5%)、業種別では流通業(運輸業)の値が15.6%で他の業種と比べて高い値になっている。つまり、冒頭でも触れたように年商や業種を絞り込むことによって、「生成AI」の導入割合は最大15%超まで高まってくるわけだ。「生成AI」のような新しいIT活用の導入提案を着実に進めるには、こうした「ターゲティング」が不可欠となってくる。
以降では上記の結果を踏まえて、「年商50~100億円かつ流通業(運輸業)」に対して、「生成AI」を訴求することを考えてみる。だが、ユーザ企業にいきなり生成AIを見せても「ChatGPTを少し使ってみた程度」で終わってしまい、業務システムと連動した成果を得られないことも多い。そこで必要となるのが、「ターゲティング」に続く「ステップアップ」のプロセスだ。
下図は1300社の中堅・中小企業における計24項目のDX/ITソリューション(S3_1~S3_24)の導入割合と企業属性(A1.年商/A4.業種/A5.所在地)のデータに対してベイジアンネットワーク分析を適用し、ソリューション間の関係性をモデル化したものだ。このモデルを用いると、「A1.年商=50~100億円」かつ「A4.業種=流通業(運輸業)」と設定した時、「S3_5.生成AI」の導入割合が高い値になったとしたら、一緒に導入割合が高まる他のDX/ITソリューションは何か?」がわかる。 さらに、そのソリューションと共に導入割合が高まるものは何か?を辿り、順序を逆にすれば「生成AI」に至る前段となるDX/ITソリューションの「ステップアップ」の経路が見えてくる。次頁では、こうした分析で得られた「生成AI」の前段として提案すべきソリューションを具体的に述べる。
S3_1.自動化/システム連携/開発ツール
S3_2.コミュニケーション改善/データ共有
S3_3.ペーパレス化
S3_4.販売/マーケティングの改善や刷新
S3_5.ジェネレーティブAI(生成AI)
S3_6.センサ+AIによるデータ分析
S3_7.クラウド活用/レガシー移行
S3_8.既存の業務システムにおけるDX
S3_9.ドローンの活用
S3_10.VR/AR/デジタルサイネージ
S3_11.3Dプリンタの活用
S3_12.ロボットの活用
S3_13.基幹系システム
S3_14.情報系システム
S3_15.顧客管理系システム
S3_16.分析/出力系システム
S3_17.運用管理系システム
S3_18.サーバ/ストレージ機器
S3_19.PC/スマートフォン/タブレット
S3_20.ネットワーク機器
S3_21.複合機
S3_22.IaaS/ホスティング
S3_23.PaaS
S3_24.SaaS
A1.年商
A4.業種
A5.所在地


■ 年商50~100億円の運輸業ではPaaSの顧客管理システムからAIチャットへの展開が有効
以下では前頁に述べた「ステップアップ」の分析を実際に行ってみる。まず、以下のグラフは年商50~100億円の流通業(運輸業)において、「S3_5.生成AI」の導入割合が3割程度に達した場合と標準状態を比べた時、ポイント増加幅が大きくなるDX/ITソリューションを示したものだ。
逆に言えば、左のグラフに示された
「S3_3.ペーパレス化」
「S3_6.センサ+AIによるデータ分析」
「S3_23.PaaS」
の3つのDX/ITソリューションは生成AI導入の前段階として提案することで、生成AIの導入割合を高める役割が期待できる。
3つの中で最も大きなポイント増加幅を示しているのは「S3_23.PaaS」だが、PaaSはあくまでシステム形態の1つだ。
そこで、さらに「S3_23.PaaS」の値が3割程度に達した場合と標準状態を比べた時、ポイント増加率が高くなるDX/ITソリューションを示した結果が左のグラフである。
PaaSの導入につながりやすいのは
「S3_4.販売/マーケの改善や刷新」
「S3_15.顧客管理系システム」
「S3_22.IaaS/ホスティング」
の3つだが、その中でもポイント増加幅が最も大きいのが、 「S3_15.顧客管理系システム」であることが確認できる。
ここまでの分析をまとめると右図のようになる。「S3_5.生成AI」の導入に繋がりやすいDX/ITソリューションは3つあるが、その中で「S3_23.PaaS」が最も関連性が高い。さらにPaaS導入に繋がりやすいDX/ITソリューションにも3つ候補があるが、最も有望なのは「S3_15.顧客管理系システム」となっている。つまり、生成AI導入の前段としてはPaaSを基盤とした顧客管理系システムの訴求が有効だ。
実際に、流通業(運輸業)は2024年4月から開始された時間外労働の上限規制により、配送業務の更なる効率化が喫緊の課題となっている。そこで、再配達の手間を削減するために顧客接点を担う顧客管理システムを導入/改善する必要が生じ、その手段として迅速なシステム構築が可能なPaaSが有力候補となる。こうした下地を整えた上で顧客とのコミュニケーション手段として生成AIを活用したAIチャットを提案すれば、業務改善に直結した生成AI導入を実現できるわけだ。ただし年商規模の小さな企業ではこうした取り組みは難しいため、年商50~100億円といった規模であることが前提条件となる。次頁では、上記の施策を実現する製品/サービスの具体例について詳述する。


■ 社数シェアやシステム連携の点ではセールスフォース・ジャパン導入ユーザが比較的有望
前頁までの分析によって、年商50~100億円の運輸業に対して「生成AI」のDX/ITソリューションを提案する際はPaaSの顧客管理システムからAIチャットへ展開する施策が有効であることがわかった。 だが、IT企業が実際に「生成AI」の提案を進めるためには、具体的にどんな製品/サービスを提示すれば良いのか?も明らかにする必要がある。
右のグラフは導入済みCRM製品/サービスの社数シェア上位3社の導入割合を中堅・中小企業全体と流通業(運輸業)で比べたものだ。「生成AI」提案の前段としてPaaSの顧客管理システムを提案する際、既に導入済みのCRM製品/サービスがあれば、それに越したことはない。
そうした観点では「Salesforce Sales/Service/Marketing Cloud」は中堅・中小全体と同様に流通業(運輸業)においても社数シェアが高いため、同サービスを導入済みのユーザ企業が比較的有望な訴求対象となってくる。
とは言え、 生成AI活用のために既存のCRMを変更するのは現実的ではない。
そこで社数シェア上位3社の全てに関し、CRMから生成AIに展開する製品/サービスの具体例を整理した結果が左図である。
「Salesforce Sales/Service/Marketing Cloud」ならびに「Microsoft Dynamics 365」はSaaSに該当するが、個別要件への対応力という観点ではPaaSに近い特徴を持つ。そのため、これら2つを導入済みである場合には「PaaSの顧客管理システム」という条件を既に満たしている。いずれも自社サービス内の連携で生成AIを活用したAIチャットを利用可能だ。「Salesforce Sales/Service/Marketing Cloud」においては「Einstein Bots/Einstein GPT」、「Microsoft Dynamics 365」では「Copilot Studio(Power Virtual Agent)」がその具体例だ。一方、「SMILEシリーズ(Quick Creatorなど)」はPaaSではないため、「たよれーる生成AIチャット powered by GPT-3.5」などとの緊密なデータ共有ではオンプレミス/クラウド連携が必要となる。
このように、「ターゲティング」と「ステップアップ」の分析に基づく生成AI提案を進める際は、前段となるCRM製品/サービスの社数シェアやAIチャットとの連携方法などを踏まえた施策立案を行うことが大切だ。本リリースの元となる「2024年版 DX提案に不可欠なターゲティング&ステップアップの実践レポート」では、個々のIT企業が分析対象を選択/指定できる「セミカスタムレポート」の形式を採用しており、こうした具体的な製品/サービスによる施策案の提示も含めた分析/提言を行っている。
ここでは分析対象となるDX/ITソリューションとして「生成AI」を取り上げたが、本リリースの元となる調査レポートでは24項目に渡る様々なDX/ITソリューションについて同様の分析を行うことができる。次頁ではその詳細を説明している。


本リリースの元となる調査レポートのご紹介

本リリースでは生成AI導入提案を着実に進めるため、「ターゲティング」の結果として年商50~100億円の流通業(運輸業)を選択し、そこに対して「ステップアップ」の経路を明らかにすることによって、「PaaSの顧客管理システムからAIチャットへと展開する」という施策が最も有効であるという分析結果を得た。 だが、2ページのグラフが示すように、「生成AI」の導入率という観点では年商100~300億円、年商300~500億円といった年商帯や組立製造業、加工製造業といった業種も「ターゲティング」の候補となってくる。あるいは特定の年商帯や業種を主な顧客層とするベンダや販社/SIerにとっては、必然的にそれらが「ターゲティング」の対象となるだろう。「ターゲティング」が変われば、それに続く「ステップアップ」の経路も変わってくる。本リリース内で得た施策は「生成AIを年商50~100億円の流通業(運輸業)に提案する場合」である点に注意する必要がある。
そこで、様々なDX/ITソリューションに対して「ターゲティング」と「ステップアップ」の分析を行うのが、本リリースの元となる
「2024年版 DX提案に不可欠なターゲティングとステップアップの実践レポート」
である。この調査レポートは指定/選択された条件によって成果物が変わる「セミカスタムレポート」の形式を採用している。
まず、下記のDX/ITソリューションの中から分析対象とするものを1つ選択する。
次に、「ターゲティング」を指定する場合は下記の年商、業種、所在地の選択肢から選ぶ、指定がない場合は分析対象となるDX/ITソリューションの導入割合を元に最適な1つの「ターゲティング」をノークリサーチから提示する。
続いて、「ターゲティング」の条件下で分析対象となるDX/ITソリューションの導入を着実にするための前段となるDX/ITソリューションは何か?の「ステップアップ」分析を行う(購入いただいたIT企業様の既存の製品/サービスも考慮し、該当する既存商材があれば、それらを組み合わせた具体的な施策として提示)
DX/ITソリューション:
S3_1.自動化/システム連携/開発ツール
S3_2.コミュニケーション改善/データ共有
S3_3.ペーパレス化
S3_4.販売/マーケティングの改善や刷新
S3_5.ジェネレーティブAI(生成AI)
S3_6.センサ+AIによるデータ分析
S3_7.クラウド活用/レガシー移行
S3_8.既存の業務システムにおけるDX
S3_9.ドローンの活用
S3_10.VR/AR/デジタルサイネージ
S3_11.3Dプリンタの活用
S3_12.ロボットの活用
S3_13.基幹系システム
S3_14.情報系システム
S3_15.顧客管理系システム
S3_16.分析/出力系システム
S3_17.運用管理系システム
S3_18.サーバ/ストレージ機器
S3_19.PC/スマートフォン/タブレット
S3_20.ネットワーク機器
S3_21.複合機
S3_22.IaaS/ホスティング
S3_23.PaaS
S3_24.SaaS
年商:
5億円未満
5~10億円
10~20億円
20~50億円
50~100億円
100~300億円
300~500億円
業種:
組立製造業
加工製造業
建設業
卸売業
小売業
流通業(運輸業)
IT関連サービス業
一般サービス業
所在地:
北海道地方
東北地方
関東地方
北陸地方
中部地方
近畿地方
中国地方
四国地方
九州・沖縄地方
集計/分析の元となるデータはノークリサーチが発刊する様々な調査レポートを活用。

「2024年版 DX提案に不可欠なターゲティングとステップアップの実践レポート」(セミカスタムレポート)
価格: 48万円(税別)
内容: 分析対象となるDX/ITソリューションを1つ選択し、本リリースに例示した「ターゲティング」と「ステップアップ」の分析を提供
納品物: ・本リリースに例示した「ターゲティング」と「ステップアップ」の分析と提言を記載したMicrosoft Powerpoint資料
・上記のPowerpointに掲載された集計データの元となるMicrosoft Excelシート
オプション: 分析対象となるDX/ITソリューションの追加1点: 18万円(税別)
「ターゲティング」の追加1点: 8万円(税別)

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
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