英国政府は「人工知能(AI)のための新たな政府機関」の助言者として、DeepMindの共同設立者で最高経営責任者(CEO)であるDemis Hassabis氏の協力を得ることに成功した。「英国がAIの膨大な社会的、経済的な可能性を活用するために必要なスキルと能力を育成する」のが目標であり、これは「政府が掲げる現代の産業戦略の重要な要素でもある」と説明している。
ほかにも、AI分野における2人の実力者を巻き込んでいる。CognitionXの共同設立者であるTabitha Goldstaub氏が新設されるAI Council(AI協議会)の議長を務めるほか、AI Business Championに就任する。また、サウサンプトン大学のWendy Hall教授が、英国初のSkills Champion for AIに就く。
英国政府がTwitterに投稿した写真
提供:DCMS
英国政府は民間部門と共同で、AIプロジェクトに10億ポンド(約1460億円)を投資する計画だ。企業が7億ポンドの資金を投入し、政府がそれに応じて3億ポンド投資する見通し。
その資金をどこから捻出するかは、明らかにされていない。しかし欧州連合(EU)は4月に、AI研究に200億ユーロ(約2兆5800億円)を費やして、欧州をAIの世界的リーダーにする計画を発表した。英国はその宣言に署名したものの、EUを離脱することになっている。
Hall教授とGoldstaub氏が任命されたのは、両氏がAIに関する報告書の作成に貢献したためだ。
2017年にHall教授はJerome Pesenti氏とともに、英国でAI産業を育成する方法について政府のために第三者報告書を作成した。Goldstaub氏は、CognitionXがロンドン市長の委託を受けて報告書「London: the AI Growth Capital of Europe」を作成する指揮を執った。
Hassabis氏の名前は、DeepMindが開発した「AlphaGo」プログラムが世界最強とされる囲碁棋士を打ち負かしたことの方で広く知られているかもしれない。DeepMindは2014年に、Googleが買収した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。