サントリー食品インターナショナルは10月31日、人工知能(AI)を活用して最適な生産計画を自動で立案するシステムを日立製作所と共同で開発すると発表した。2019年1月から実運用を開始する予定。
これは、サントリーの計画立案に関するノウハウと日立のAI技術を組み合わせたもの。これまで、複数の熟練者がさまざまな要件を考慮し、毎週平均40時間かけて生産計画を立案していた。新システムでは、その業務を約1時間で自動実行する。
サントリーにおける生産計画業務の課題と、AIシステム導入後の目指す姿(出典:サントリー、日立製作所)
近年、飲料メーカーでは、消費者ニーズの多様化や天候に起因する需要変動に対応し、さらに納期や生産能力、生産・輸送コストなど複雑な制約条件を考慮した、最適な生産計画を立案する必要に迫られている。
これまで、サントリーでは生産計画を立案する際、高度な能力と膨大な時間を要しているほか、エリア単位で生産計画を立案しているため、エリアごとの個別最適となっており、生産リソース全体を有効活用した最適案を策定するまでには至っていなかった。
今後、新システムに関する各種リソースへの有効活用に向けた取り組みを強化していく。また日立はシステムの汎用化を進め、IoT基盤「Lumada」の製造業向けソリューションの一つとして展開していく予定。