FreeBSDが、サーバおよびデスクトップ市場の枠から、ワイヤレスデバイス分野へ進出しようとしている。
FreeBSDの開発者Scott Longは米国時間18日、9月にリリースが予定されている、BSDベースのオープンソースオペレーティングシステム(OS)「FreeBSD」の次期バージョンに、「より多くの」ワイヤレスカードをサポートする機能や、WPA(Wi-Fi Protected Access)などのワイヤレスセキュリティ標準への対応を追加すると述べた。
「ワイヤレスサポートを強化する主な理由の1つとして、企業がわれわれの提供するツールを利用して、自社のワイヤレスデバイスにFreeBSDを搭載するのを支援する目的がある。FreeBSDにおけるワイヤレスサポートの追加は、ワイヤレス企業との契約に従って行われている」(Long)
Longは、きめ細かいアクセス管理やセキュリティポリシーをサポートしていることから、ワイヤレスデバイス製造企業は、競合オープンソースOSよりFreeBSDを好むだろうと指摘している。
もっとも、バージョン6.0には製造業者にとって有用なワイヤレス機能が追加される予定であるものの、不足している機能もいくつかある。メッシュネットワーク機能がその一例で、現在テストと開発作業が進行中であるという。メッシュネットワークでは、接続が確立できるまでノードからノードへと「ホッピング」することで、ブロックされたパスを回避するようにデータの転送経路を再設定することができる。Longは、「6.0に搭載するには、まだ早いという気がしている」と話した。
いずれにしろ、今回のワイヤレスサポートの強化は、デスクトップ/ノートPCでFreeBSDを利用したいと思っているユーザーにも有益となるだろう。
FreeBSD 6.0では、ファイルシステムの向上も図られている。「ファイルシステムのパフォーマンスを高めて、ストレージアプリケーションおよびデータベースがより速く動作するようにした」(Long)
開発者らは初め、FreeBSD 6.0を8月末にリリースしようとしていたが、製品としての完成度を可能なかぎり高めるためこれを1カ月遅らせたと、Longは話している。6.0の第1ベータ版は7月15日に、第2ベータ版は8月5日にリリースされているが、Longによれば、今週中にも別のベータ版が発表されるという。また正式版は、9月の「中旬か下旬」に提供が開始される。
なお、6.0のリリースと関連した新たなウェブサイトも立ち上げられる予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ