ベンダーニュートラルな認定資格は基礎固めにも最適
さらにJohn氏は「特定の技術、製品や団体に依存しない、ベンダーニュートラルな認定資格であるという点も大きな強みです」と、CompTIAの特徴について語る。
どのようなIT企業でも、マイクロソフトやシスコなど各ベンダーのシステムに特化した技術を身に付ける前に、基礎固めをする必要がある。そこでCompTIAがベンダーニュートラルな認定資格を提供することで、専門性を追求する前のプラットフォーム作りのサポートをしているわけだ。
「製品に特化した知識や情報は職場のOJTベースで学べるため、その事前段階としての基礎を身に付けることが、個人だけでなく企業にとってもより重要なのです」とJohn氏は強調した。 また、ベンダーニュートラルな認定資格は、マルチベンダー対応ができる技能を身に付けられるという側面も持っている。たとえばA+では、Windows/Linux/iOS/Androidなどさまざまなプラットフォームに対応できる実務能力を身に付けることが可能。このように、特定の技術やハードウェア・ソフトウェアベンダーに依存しないことのメリットは大手企業でも認識しており、John氏は「企業では、より一層このようなスキルを重要視しています。そのため、CompTIA認定資格の取得は、ワールドワイドで企業が採用するための条件として応募要領に記載されていることが多くあります」と続けた。
IT業界で懸念されているスキルギャップを埋める
IT業界はいま、非常に大きな成長を遂げている。たとえばクラウドコンピューティングの分野では、2013年度の市場規模が1310億ドルを突破。2015年までには、関連ビジネスだけで700万もの雇用創出効果があるといわれている。こうした成長度と現状を比較すると、現在クラウドコンピューティングを手がけられる能力を持ったIT技術者は極めて少ない。また、IT業界全体についても人材不足問題「スキルギャップ」が深刻化している。
「ITスタッフの確保に対する懸念」
CompTIAが日本の経営者層を対象に実施した2013年のリサーチでは、全体の95%がIT分野にスキルギャップがあると認めている状況だ。そのうち77%がスキルギャップを深刻に受け止め、さらに58%はスキルギャップが年々深刻化すると予想している。
CompTIAでは、こうしたIT業界のスキルギャップを埋める取り組みとして、十分なスキルセットをIT技術者に提供できるよう認定資格の啓蒙活動を進めているほか、学校機関との連携にも注力している。これらに加えて、現在トレンドとなっている新しい分野の認定資格提供にも積極的だ。
「近年はモバイルの普及により、携帯電話やスマートフォン、タブレットなどに関する技術を身に付ける必要性が出てきています。また、ストレージやクラウド、ビッグデータ、セキュリティ、アクセス性、ディザスタリカバリといったトレンドもあり、私たちはこうしたニーズを満たすべく、新たな認定資格の提供に向けて常に準備を進めています」とJohn氏。
最近では、セキュアなクラウド環境の実装・運用・管理に特化した「Cloud+」や、モバイルデバイスの管理・運用スキルを評価する「Mobility+」などをリリース。さらに今年の後半には、ITプロ向けの「Security+」とは異なるサイバーセキュリティ関連の認定資格として、ユーザー目線に立った業務スタッフ向けの「Cyber Secure」も提供予定だという。
このようにCompTIAでは、現在のIT業界に求められているニーズを的確に捉え、そこに必要なスキルや実務能力が身に付けられる認定試験を提供している。IT関連の資格を取得したいと考えている方は、ぜひCompTIAの資格を取得してみてはいかがだろうか。