プライベートクラウドとパブリッククラウドの「イイトコ取り」をしたIT基盤の新しい形である、ハイブリッドクラウド。それを実現するには、パブリッククラウドとの相互運用性を持つ、プライベートクラウドが必要になる。そうした理想的なプライベートクラウドの構築に最適なのが、自由度が高いブロック型アーキテクチャと仮想化環境のリファレンスデザインを採用した「Dell PowerEdge FX」だ。
クラウド予算の配分はプライベート7割、パブリック3割
デル株式会社
グローバル エンタープライズ テクノロジー サービス統括本部
ソリューション推進部
ストラテジックソリューションマネージャ
松本 梧廊氏
エンタープライズITのクラウド化はすでに既定路線として着々と進行している。中には、パブリッククラウドに全面的に移行したという企業も現れるようになってきた。だが、パグリッククラウド市場が成長する一方で、プライベートクラウドへの投資もそれ以上に増えているという。デル株式会社グローバル エンタープライズ テクノロジー サービス統括本部のストラテジックソリューションマネージャ、松本 梧廊氏は、クラウド市場の変化について次のように語る。
「IDC Japanが国内企業を対象に行った調査によると、今後5年間でのクラウドへの企業投資は、パブリッククラウドが約3倍、プライベートクラウドが約3.7倍に増えると予測されています。プラベートのほうが伸びが大きいだけでなく、投資額もプライベートのほうが大きい。クラウド投資予算のおよそ7割がプライベートで、残り3割がパブリックという配分です。ここからは、多くの国内企業が、プライベートとパブリックのいいとこ取りをするハイブリッドクラウドに向かっていることがうかがえます」
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では、企業ではプライベートとパブリックをどのように使い分けているのだろうか。この点について松本氏は次のように説明する。
「多くの企業で仮想化のお手伝いをさせていただきましたが、基幹システムをプライベートに置き、メールやコラボツールなどの情報系システムをパブリックに置くというケースが多いですね。DRサイトをパブリックに置くというケースもよく見られます。何を"基幹"とするのかは企業によって異なりますが、これが止まったら会社が止まる、そういう「重要システム」"ご神体"をパブリックに出す企業はほとんどありません。導入と運用の手間を省けるパブリック、サービスレベルを担保しやすいプライベート、それぞれのメリットとアプリケーションの重要度を秤にかけて、最適な配分ルールを見出すことが重要になります。ただ、プライベートとパブリックを同時に運用すると、それぞれに手間とコストが発生します。そこで両者を一体のものとして扱えるハイブリッドクラウドに注目が集まっているわけです」
ブロック型アーキテクチャでプライベートクラウドの自由度を確保
こうした状況の中、次世代ITインフラを支える新しいプラットフォームとしてデルが昨年末に導入したのが、「Dell PowerEdge FX」(以下、PowerEdge FX)だ。その特長は、2Uサイズのシャーシにサーバー、ストレージ、ネットワークのコンポーネントを自由な組み合わせで配置できる、ブロック型アーキテクチャにある。デルも、次世代ITプラッフォフォームのかたちとして、サーバー、ストレージ、ネットワークを一体型筐体でリソース提供する「コンバージドインフラストラクチャ」というコンセプトを提唱しているが、PowerEdge FXのブロック型アーキテクチャは、コンバージドインフラストラクチャに高い自由度をもたらす製品と言える。PowerEdge FXに搭載可能なコンピュートノード「PowerEdge FC630」は、最大2基の18コア内蔵インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3を搭載可能で仮想サーバーなどメインストリーム用途に適した構成となっている。インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3は、前世代のCPU製品と比べて仮想化の集約率が最大1.7倍に向上しており、より多くの仮想マシンの運用を可能にする。「例えば、仮想マシンが十数台で済むような場合、サーバーノードとして2ソケットのFC630を2台、ストレージノードとしてFD332を2台を収容すれば、1台のPowerEdge FXだけでプライベートクラウドを構築できます。また、PowerEdge FXに4台のFC630を設置し、CompellentなどのSANストレージと組み合わせれば、数十台の仮想マシンが必要な大規模構成のケースでもサーバーノードを1台のシャーシにまとめられます。さらに、シャーシを追加していけば、サービス事業者が必要とするような大規模仮想化プラットフォームも構築できます。PowerEdge FXでは、最大20台までのシャーシを1画面で管理できるので、数百台の仮想マシンを収容する大規模システムでも一括した運用が可能です」(松本氏)
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リファレンスデザインで高効率なハイブリッドクラウドを実現
PowerEdge FXの利点は、高密度省スペースといった物理的な面だけではない。ハイブリッドクラウドのプライベート側を担うプラットフォームとしては、VMware vSphere用とHyper-V用のリファレンスデザインを、熟達したデルのインフラ専門のコンサルティングチームが用意していることも特筆すべき点だ。vSphere用は、デルオリジナルのリファレンスアーキテクチャで実現、一方のHyper-V用はマイクロソフトのリファレンスアーキテクチャを採用している。マイクロソフトのリファレンスアーキテクチャを利用でき、かつ自社のコンバージドインフラストラクチャ向けサーバーでモダンなプライベートクラウドを構築可能なサーバーベンダーは、現在のところデルだけだ。
リファレンスデザインのメリットは、迅速にモダンなプライベートクラウドを展開できる事にある。 これは、パブリッククラウドと同じハイパーバイザーを利用する事で仮想化ベンダーが提供する標準的なツールを使ってパブリッククラウドとプライベートクラウドを一体的に運用が行えるハイブリッドクラウドを容易に実現出来る事がポイントである。VMware vCloud Airを基盤とするパブリッククラウドサービスやマイクロソフトのAzureとオンプレミスのプラベートクラウドの間で、仮想マシンを移動させるなどのシームレスな運用が可能になるわけだ。
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「企業システムの仮想化は、2009年、2010年ごろに一気に普及しましたが、今年はそのころ導入されたシステムのリプレース時期に当たります。当時の仮想化はサーバーの利用効率の向上が主な目的でしたが、クラウドが一般化した現在の仮想化は、プライベート、パブリックの両方のクラウドを結ぶ重要な基盤技術になっており、対象もサーバー、ストレージ、ネットワークへと広がっています。これらすべてのハードウェアリソースをソフトウェアで制御するITインフラは、『ソフトウェアデファインドインフラストラクチャ』(SDI)と呼ばれる、すべてがソフトウェア的に処理される最先端のインフラの形です。5年前にはハードウェアの処理能力的に実現不可能だったSDIを可能にするパワフルなプラットフォーム、それがPowerEdge FXなのです」(松本氏)
最新のインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3 製品ファミリーは、新しいエンタープライズ・アプリケーション、科学技術計算、通信、ストレージ、クラウドなど、さまざまな用途に、性能、電力効率、仮想化、セキュリティーの面で大きなメリットを提供し、IT 部門の課題解決を支援します。CPUのコア数は最大18コアまで対応し、性能はAVX2により最大90%向上、又、メモリーの帯域幅は最大50%拡張しており、CPUコアごとの電力制御も可能になっております。
Intel、インテル、Intelロゴ、Xeon、Xeon Insideは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるIntel Corporationの商標です。
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