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PCサーバ出荷台数世界1位(*)となったDell EMC、製品開発の方向性と戦略を語る

ZDNET Japan Ad Special

2016-11-25 11:30

(*)出展: IDC Worldwide Quarterly x86 Server Tracker CY16Q2

 2016年第2四半期のPCサーバ市場にて、米Dell EMCが出荷台数で世界1位の座を獲得した。1995年に同社がPCサーバ市場に参入して以来21年目で初の快挙だ。その背景には、Dell EMCが「常にトレンドを把握して顧客の方向性を見極め、顧客ニーズを満たす製品を開発する努力を続けている」ことがあると、Dell EMC プロダクトマネジメント&プロダクトマーケティング部門 サーバソリューション担当シニアバイスプレジデントのRavi Pendekanti氏は語る。Pendekanti氏に、Dell EMCのサーバ戦略や方向性について聞いた。

顧客調査をベースとした製品開発


Dell EMC
プロダクトマネジメント&プロダクトマーケティング部門
サーバソリューション担当
シニアバイスプレジデント
Ravi Pendekanti氏

 Pendekanti氏によると、Dell EMCでは製品を開発するにあたってさまざまな顧客調査を実施しているのだという。その方法についてPendekanti氏は、「まず、一部の顧客を集めたフォーカスグループから、課題は何なのか、何がしたいのかといった情報を収集する。また、顧客と1対1でミーティングする場を設け、より詳細な情報を聞き出す。さらに、グローバルで年間200万台のサーバを販売しているスケールメリットを活かして売れ筋のSSD等オプション品等の販売状況を見ながら、ビッグデータ分析を行い、お客様のニーズについて情報収集している」と説明。こうした綿密な調査により、トレンドや顧客の課題を把握し、それに合った製品を開発しているという。

 「顧客の要望は常に変化している。それに、現在の顧客のワークロードは10年前のワークロードとは全く異なる。こうした状況の変化に合わせて製品を設計する必要があるのだ。また、業界ではサーバのRAS(Reliability 信頼性、Availability 可用性、Serviceability 保守性)にばかり焦点をあてているが、Dell EMCはこれだけでは十分でないと考えており、PARIS(Price Performance(価格)、Availability(可用性)、Reliability(信頼性)、Interoperability(相互運用性)、Serviceability(保守性))のすべてを考慮して製品を設計している」とPendekanti氏は話す。

 例えばDell EMCでは、ストレージとコンピュートを近づけるべきだと考えているという。データや分析に対するニーズが高まり、巨大なデータを蓄積するストレージがコンピュートと離れていてはシステムの速度が追いつかなくなるためだ。このトレンドをいち早く把握し、Dell EMCはストレージオプションが豊富なサーバを開発。第13世代のインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したサーバ「PowerEdge R730xd」では、2ソケット2Uラックで100テラバイトものストレージ容量を提供している。Dell EMCは先端のサーバ設計について議論が行われるOCP (Open Compute Project)に加入しているが、そこでも、ストレージとコンピュートを近づけるシステム設計思想は一般的になりつつあるという。


Dell EMC PowerEdge R730xd (1.8インチSSD x 18基 + 3.5インチHDD x 8基搭載可)

 また、Dell EMCではサーバの管理性も重視しているという。中でも、「Dell EMCはPCIe接続のSSDドライブを前面から取り出せるようにホットプラグ設計を行った最初のベンダーだ」とPendekanti氏。さまざまなテクノロジを検討する中でこれが重要だと判断し、開発に至ったという。

 このほか、サーバ管理ツール「iDRAC Quick Sync」も顧客のニーズを把握した上で開発に至った。これは、モバイルデバイスのNFCを介してサーバの設定ができるというものだ。モバイルアプリで構成を事前に設定し、サーバの前にデバイスをかざすだけで、サーバが設定できるという。

 このように、「トレンドを見て顧客ニーズを把握した上で製品を開発してきたからこそ、出荷台数シェア1位を獲得できた。顧客ニーズやトレンドを理解することは、われわれのDNAなのだ」とPendekanti氏は述べた。

サーバ戦略の最重要事項は「オープン性」

 では、具体的なサーバの開発において、Dell EMCはどのような戦略を推進しているのだろうか。そのひとつは、「オープンであること」だという。

 いちベンダーとして、顧客にすべて自社製品を使ってもらいたいという思いがないわけではない。しかし、だからといってプロプライエタリな製品を開発して顧客を囲い込むのは「顧客のためにならない」とPendekanti氏はきっぱり言う。

 そのためDell EMCでは、さまざまな標準化団体やオープンソースコミュニティに積極的に参加し、テクノロジのオープン化を推進している。Open Compute Projectだけでなく、OpenStackやOpen Networking Foundation(ONF)、Industrial Internet Consortium、OpenFog Consortiumなど、同社が関わっている団体やプロジェクトは数多い。


※クリックすると拡大画像が見られます

 10月には新たに設立された、メモリのインターコネクト技術に関する標準化団体Gen-Zコンソーシアムにも主要メンバーとして参加した。Gen-Zは、ストレージクラスの次世代メモリの登場に向け、メモリ階層化技術の標準化やPCIの高速化を目指している団体だ。Dell EMCは長期的な製品開発を踏まえ、同コンソーシアムの設立に積極的に携わったという。

 さらに管理面では、「オープンスタンダードをベースとしたシステムマネジメントAPIであるRedFishを採用する」とPendekanti氏。これにより、「Dell EMCとしても、サーバ管理とデータセンター管理を連携させることができるようになり、パートナーと連携しやすくなるほか、顧客に選択肢も与えることになる」と話す。

 「Dell EMCでは、提供する製品やソリューションはすべてオープンであるべきだと考えている。プロプライエタリな製品は、顧客のイノベーションを促進するものではなく、今後何かやりたいことがある時にも製品に拘束されてしまうためだ。オープンスタンダードを採用すれば、柔軟で最適な製品を採用することが可能となる」と、Pendekanti氏はDell EMCがオープン化を推進する意義を語った。

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