ネットスカウト システムズ ジャパン(以下、NETSCOUT)は11月20日に同社にて、無線LANテスター「AirCheck G2 無線テスター」(以下、AirCheck G2)のユーザー向け説明会を開催した。主な内容は、AirCheck G2の実機を用いたハンズオンおよび、10月に提供が開始されたばかりのバージョン2.0ファームウェアの新機能説明だ。評価の高かった前バージョンにさまざまな機能が追加され、さらに操作性も大きく向上している。
目に見えない無線LANの電波状況を
手軽に把握できる強力なツール
スマートデバイスをはじめとする無線LAN端末がビジネス現場で広く使われるようになってくると同時に、通信トラブルが業務に及ぼす影響も大きくなっている。とはいえ電波は目に見えない存在であり、その状況を把握することは容易でない。そもそも、エンドユーザーが無線LANについて「つながらない」「遅い」といった不満を訴えてきたとしても、その原因が必ずしも無線部分にあるとも限らない。アクセスポイントより上位の有線LAN、ネットワーク基本サービスやインターネット側の問題だということも考えられるし、複合的な要因で生じる可能性もあるからだ。スマートフォン用の無線LANテスターアプリや、PC用の各種ネットワーク試験ツールは数多く存在するが、機能も限定的であり、そうしたツールを組み合わせて原因を突き止めていくには相当なスキルが必要で、かつ手間や時間もかかってしまう。
そこで役立つのが、現場で使える携帯用のWi-Fiテスターだ。AirCheck G2ならトラブルの現場に素早く持ち出せ、これ一台で無線LAN電波のみならず上位ネットワークの接続状況まですべてを総合的にテストすることができる。AirCheck G2は、スマートフォンやPCなどの汎用情報端末とは違い、無線LANを含むネットワーク試験に特化して開発された専用機器だが、物理的な操作ボタンは電源のみで、ほぼすべての操作をタッチ画面で行えるので、スマートフォンと大差ない感覚で扱うことが可能だ。
ワンタッチで一連のテストを自動実行
ネットワーク上の問題点を一度に洗い出す
AirCheck G2には、自動テスト機能が備わっている。これは、Wi-Fi通信に影響を及ぼすチャネル配置や電波通信量、Wi-Fi以外の干渉など一連の項目を評価するとともに、あらかじめセットされた試験プロファイルの内容に従って、無線LANおよび上位ネットワークなどに関する一連のテストを自動で実行してくれるというものだ。試験プロファイルに試験対象アクセスポイントのSSIDやパスワードなど、試験に必要な各種認証情報を設定しておけば、現場では一切それらに触れることなくテストを実施することが可能。こうしたプロファイルは1台のAirCheck G2に複数登録可能で、必要に応じて使い分けることもできる。
AirCheck G2の電源を入れると数秒で起動する。自動テストを行うには、起動直後のホーム画面にある「自動テスト」をタップするだけ。なお、ホーム画面の左上には現在のプロファイル名が表示されており、そこをタップするとプロファイル一覧から選ぶことができる
自動テスト中の画面。結果の良否は項目の色で表示され、テストが進むにつれて現状が見えてくる
各項目の結果をもう少し詳しく見たいときは、テスト項目名をタップするとドリルダウンで表示される
この自動テストは実に簡単。写真で示したように、AirCheck G2のホーム画面から「自動テスト」をタップするだけだ。結果は順次、緑/黄/赤の色で表示され、ドリルダウンも可能。無線LANおよびネットワークのエキスパートでなくても、ある程度の知識があれば、赤で表示される結果からどこにどのような問題があるかを把握することができる。
テスト結果を赤や黄色として評価するしきい値は、AirCheck G2の設定画面や専用ソフトから細かくカスタマイズすることが可能
しかも、AirCheck G2をはじめとするNETSCOUTの携帯型ネットワークテスターには、専用クラウドサービス「Link-Live.com」との連携機能が搭載されており、詳細な結果を自動でクラウドに転送できる。遠隔地のユーザーにAirCheck G2を持たせて現場でテストを実施してもらい、その結果をIT部門やIT運用パートナーなどが確認して対策を講じる、といったことも簡単かつ迅速に行える。
さらにAirCheck G2では、PC上で動作する本製品専用ソフト「AirCheck G2 Manager」も用意されており、PCにUSB接続してデータを管理することができる。このAirCheck G2 Managerでは、AirCheck G2単体で1項目づつ確認していくのと同等あるいはより手軽に詳細な分析結果を確認できるほか、自動テストのための試験プロファイルを登録・編集する際にも利用することができる。Link-Live.comやAirCheck G2 Managerからはレポートを手軽に作成することもでき、ユーザーやエグゼクティブ向けの報告にも余計な手間をかける必要はない。