株式会社ネットワールド
代表取締役社長
森田 晶一氏
Networld Fes 2014の冒頭挨拶で代表取締役社長の森田晶一氏は、「クラウドの到来は、IT業界だけでなく、社会現象となっている。かつてないほどの変化に直面していると、おそれすら感じている」と述べ、どう取り組むべきかが大切だと論じた。
森田氏は、米EMCの会長兼CEOを務めるジョー・トゥッチ氏の言葉を借りて、ネットワールドも「先進的なパブリッククラウドに学んだ技術をプライベートクラウド基盤に応用することで、『ハイブリッド・クラウド・イノベーション』を実現する」と宣言した。そしてこの宣言どおり、今年のNetworld Fesの各セッションは、ハイブリッドクラウドの構築と活用を強く意識させるものが中心となっていた。
今回は、2つの特別講演と3つのネットワールドセッションについて、キーポイントを紹介しよう。
自分自身を改革することが勝利につながる
1つ目の特別講演では、全日本レスリング女子ヘッドコーチ/至学館大学レスリング部監督の栄和人氏が、「勝利への道 -金メダルの瞬間-」と題した講演を行い、自身が経験した挫折と成功をジョーク交じりで話し、会場を笑いに誘った。
全日本レスリング女子ヘッドコーチ、至学館大学レスリング部監督
栄 和人氏
同氏は、吉田沙保里選手や伊調馨選手などのオリンピックメダリストを輩出し、自身も日本選手権大会6回優勝、世界選手権で銅メダルを獲得するなど活躍してきた。学生時代から輝かしい成績を残してきた同氏も、1983年のロサンゼルスオリンピック国内予選で敗退した時、大きな挫折を味わったという。
「負けるはずがないと思いながらも、試合当日には『勝っても負けてもいいから早く終わってほしい。楽になりたい』と思っていました。こうした目に見えない重圧にどう対処すべきか、今でも悩みます」(栄氏)
その後、3か月も引きこもり、不摂生をした栄氏は、ある時実家に電話をかけたそうだ。父親が落ち込んで痩せたという話を母親から聞き、「4年後に再挑戦する」と気持ちが切り替わったという。そして、4年後のソウルオリンピックでは見事出場を果たした。
栄氏によれば、"霊長類最強女子"の愛称すらある吉田沙保里選手も、ロンドンオリンピック直前にひどく調子を落とすなど、壁を感じることがあったそうだ。しかし、小原選手や伊調馨選手の優勝を見て、自分自身で意識を改革し、プレッシャーを跳ね除けたという。
「性別や年令、職業などに関係なく、誰にでも心を試される試練がやってきます。自分が必死になれる目的は何か、人生にとって何が大切かを明確に意識すれば、頑張ることができます」(栄氏)
右が吉田選手の金メダル。ロンドンオリンピックのものは、大会史上最重量の400グラムという重さだ