営業・マーケティングから品証まで、全方位の業務変革を実現
従来の素材・化学メーカーの営業スタイルは、川下企業からの要望に応じて製品を提供するという「受け身」タイプであった。だが、これからの素材・化学業界では、次のような新しいスタイルの営業方法が一般化するだろう。それは、消費者ニーズを自ら収集し、市場の声に応える製品を先回り的に最終製品メーカーへと提案することで、自らビジネスを握りにいく営業スタイルだ。
セールスフォース・ドットコム エンタープライズ セールスエンジニアリング本部 製造ソリューション リードソリューションエンジニア 渡邉剛司氏は、そうした営業スタイルの実現には何が必要か、次のように説明する。
セールスフォース・ドットコム
エンタープライズ セールスエンジニアリング本部
製造ソリューション
リードソリューションエンジニア
渡邉剛司氏
「社内リソースを新規市場開拓や売上向上といった施策へ、今まで以上に注力していける体制づくりが不可欠です。そのためにはデジタルの力による『高度化』と『効率化』の両立が必要です。Salesforceの一般的な機能である商談管理やERPとの連携が、非常に強力な武器となるでしょう」(渡邉氏)
一方、「化学メーカーにとって今までライバルでなかったようなベンチャー企業も直接的な競合となりうる時代です。最終製品メーカーに積極的に提案を仕掛ける必要がある時代を迎えています」と話すのはセールスフォース・ドットコム セールスエンジニアリング本部 ジュニアアソシエイトソリューションエンジニア 吉井平八郎氏だ。
セールスフォース・ドットコム
セールスエンジニアリング本部
ソリューションエンジニア
吉井平八郎氏
前述の営業スタイルの変化についても、渡邉氏と吉井氏は、ソーシャルリスニング・ツールを利用することで消費者ニーズを調査し、素材・化学メーカーがどのような答えを提供可能なのかを具体化できると言う。
「また、ある海外企業では汎用商品の販売をEC化しています。取引先専用のBtoBのポータルサイトを構築し、過去に発注したことのある商品は2クリックで再発注できる直販システムを構築しています。自社の営業パーソンの負担が減るだけでなく、いつでも発注できることから取引先にも好評のようです。その裏側にはSalesforceのCRMプラットフォームが動作しており、基幹システムとの連携も実現しています」(渡邉氏)
現在のテクノロジートレンドは次の2点が特徴だ。使いながら改善し、ROIを高い状態で維持できるのがクラウドベースのツールの強みである。
- アプリケーションの作り込み過ぎることなく、クイックに展開して利用する(特にSalesforceはアプリケーション開発も複雑なコーディングを必要としないため、容易である
- 利用頻度の高い範囲を決めてから作成し、運用で試行錯誤しながら横展開する
企業でも事業部門のトップが変われば見たい数字が変化することはある。また、世界各地のローカル要件に合わせて設定を変えることもある。こうしたケースでも柔軟かつ低コストに対応していけるのがグローバル展開しているSalesforceのメリットだ。
下図の通り、Salesforce製品は「プラットフォーム」である。企業のバリューチェーン全体に対し、ソリューションが網羅的に配置されていることが特徴だ。また、SalesforceはEinstein(アインシュタイン)と呼ばれるAIエンジンによる機能も搭載している。
新しい“勝ちパターン”の獲得を支援する、セールスフォース ・ドットコムとアクセンチュア
従来のビジネスの“勝ちパターン”は、いかに顧客を囲い込んでクローズ化していくかに尽きた。しかしそうした営業戦略はすでにほころびを見せており、今後の素材・化学メーカーの新しい生存戦略の鍵は、いち早くオープン化とステークホルダーを巻き込んだエコシステムを構築することにある。時代は変化し、勝ちパターンのあり方も変わった。経営層から現場までが、いかに考え方をチェンジできるかが肝要なのである。
「サプライヤーとの顧客接点を強化することを効率化することもセールスフォース ・ドットコムの得意とするところです。品質管理業務の効率化や顧客満足度の向上などに貢献しています」と吉井氏は話す。
「商流が複雑な企業であっても、最終消費者にどのように届いているかを分析したうえで、ツールをどう活用するかを定義することが大切です。商習慣に最適な形でデータ活用方法を整理し、利用環境を整えていけることが、コンサルティング企業のアクセンチュアと製品メーカーのセールスフォース ・ドットコムがパートナーシップを結び、シナジーを出していることの強みです」(吉井氏)
「選ばれる素材・化学メーカーになる」ことが最終ゴール
ツールは導入するだけでなく、“自社のトランスフォーメーションのためにどう活用していくか”への意識が不可欠だ。そのためにもコンサルティング企業の活用が有効である。
今後の企業システムではSoR(システム・オブ・レコード)だけでなく、SoE(システム・オブ・エンゲージメント)の重要性が増すと予測されている。Salesforceをどう活用するかという議論は、 “自社をどう変えたいのか。あるべき姿は何か?”というテーマが出発点となるわけだ。
「何のために、どのような効果を狙って、ツールをどう活用するのか。そのコンサルティングでアクセンチュアはお客様を支援します。お客様のハイパフォーマンスを実現するための仕組みづくりが、業界と業務を理解し、そしてツールの知識もある当社の強みです。(鈴木氏)
「第4次産業革命の時代においては、“選ばれるメーカーになる”ことが重要です」と渡邉氏は言う。「Salesforceの活用の前提には、お客様の経営戦略があります。業務や業界に理解のあるパートナーがグローバル規模の戦略策定を担当することで、セールスフォース ・ドットコムの強みを最大限に発揮できます」(渡邉氏)。
アクセンチュアは、Salesforceのプラットフォームの導入支援実績が最も多く持っています。素材・化学メーカーのデジタル変革を実現するパートナーとして、セールスフォース ・ドットコムとアクセンチュアに相談してみてはいかがだろうか。