OSSのコストメリットは、事業継続も支援する
3月の大震災以降、今後あらゆる企業でBCP(事業継続計画)への意識が高まり、ディザスタリカバリ(災害復旧)の観点でのシステム構築が必要となる。 しかし、遠隔地にリカバリサイトを持つなどして冗長化すると、利用するソフトウェアのライセンス費などが増大してしまう。
こうした点でもOSSは貢献する。「OSSでコストを圧縮していけば、より低コストにディザスタリカバリ環境を構築できると思います」(吉田氏)。エンジニアの観点からも「OSSは自分たちでコントロールできる部分が多いので、災害発生時に通信が不通になり、ベンダーのサポートに問い合わせできないような場合でも、社内にエンジニアがいれば迅速に対応できます」(邊見氏)。また、OSSが動くハードにはコモディティ性が高いので、そうした点もコスト圧縮にプラスに作用する。
OSS導入では信頼できるパートナー獲得がポイント
最後に、これからOSSを積極導入しようと考えている担当者に向けてのメッセージを吉田氏にいただいた。
「OSSの活用にはコスト削減やホワイトボックス化による確実な故障切り分けなど様々なメリットがありますが、品質が十分に安定していない開発途中の機能も利用可能であり、知らないうちに使ってしまい故障を引き起こしてしまうというリスクがあるのも事実です。社内にOSSの技術者を育成していくことに加え、OSSに強いサイオステクノロジー様などの企業と連携して導入していくことが有効でしょう」
OSSは日々改善されている。NTTのようにOSSを率先して利用する企業に追随することで、経営基盤強化の効率化が見込めるのではないだろうか。