BladeSymphonyで高可用性のVMware環境を実現
ソフトウェア事業部 プラットフォームソフトウェア本部 プラットフォームコンピテンスセンタ 技師
久保田良治氏
「技術の日立」というキャッチフレーズがあるが、この言葉が示すとおり“技術力”は日立製作所(日立)の強みだ。現在ではこの技術力を生かし、ユーザーが真に必要とするソリューションの開発に取り組んでいる。そのひとつが仮想化であり、IAサーバの統合やシステムのオープン化にはVMware vSphereを中心に提案している。
日立の久保田氏は、「数年前から日立のIAサーバで仮想化をしたいという要望が多く、VMwareを採用しました。当初はサーバ拡販のためのソフトウェア製品のひとつでしたが、現在ではサーバからストレージまでの企業インフラに必要不可欠なソリューションとして全社で取り組んでいます」と話す。
VMwareにおける取り組みのひとつが高可用性の実現だ。日立ではBladeSymphonyに搭載された「N+Mコールドスタンバイ機能」により、物理サーバも仮想サーバも意識することなく共通のリソースで切り替えることが可能。これにより仮想化で複雑化したIT環境のハードウェア障害時にも高い可用性を実現できる。
国内トップクラスの管理ソフトウェアで仮想化環境を統合監視
〜モジュールの追加でVMware環境も管理可能に〜
高可用性の実現ではハードウェアだけでなく、ソフトウェアも重要になる。そこで日立では、国内トップクラスの統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」とVMwareの連携を推進している。これにより既存のJP1ユーザーは、モジュールを追加すれば容易にVMware環境を管理できるようになる。
久保田氏は、「JP1とVMwareの連携では、便利に使えることはもちろん、管理を自動化していきたいという思いがあります。そのためには仮想化だけでなく、システム全体を統合的に管理できることが必要です」と話す。
当初、JP1 Version 8ではサーバ管理機能とメッセージングの統合によりVMwareとの連携を実現していた。さらに今年6月にリリースしたVersion 9では、性能監視や構成管理など、いくつかの機能においてもVMwareとの連携を可能にした。これにより、より効果的なVMware環境の運用管理が実現できる。「今後も必要な機能を拡充していく計画です」と久保田氏。
同氏は、「ミッションクリティカルシステム構築で培った“SE力”や、お客様のシステムに問題が発生した場合でもひとつの窓口で対応できる“日立サポート360”の提供などもハードウェアベンダでもある日立の強みといえます」と話している。