ノーク伊嶋のSMB短観 08年正月版

株式会社ノークリサーチ(代表伊嶋謙ニ03-5244-6691)では、2008年のSMB市場に対する市場展望を行った。

株式会社ノークリサーチ 2008年01月09日

●08年は「守りのIT投資」「各種カンフル剤」がSMB市場を推し拡げる ●SMB市場とは? ●どうなる08年のSMB市場 ~5大キーワード    ①SMB市場はパッケージ全盛期の到来  ②SaaSはSMB市場ではスロースタート  ③SMB市場のIT投資は「守り」に振れる  ④SMB市場の「戦略系」は依然模索状態が続く  ⑤SMB市場はネットワークコンピューティングによって再起動

●08年は「守りのIT投資」「各種カンフル剤」がSMB市場を推し拡げる
  ~鍵を握るのが中小企業クラスからのボトムアップ
ノークリサーチでは2008年のSMB市場に対する市場展望を行った。それには5つポイントをあげており、なかでも「中小企業の各種カンフル剤」が市場を底上げする可能性を指摘している。また全体的には07年に引き続き「守りに対するIT投資」が主流になるとみている。話題の「SaaS」はパッケージ対SaaSという構図の中では、現実SaaSがパッケージに置き換わる可能性は極めて低いとみている。そもそもSaaSはソフトの提供形態であり、広義のアウトソースサービスだ。
  
 SMB市場はITにとって常に重要な存在でい続けるものだ。特に今が注目ということはなく、何かのITカテゴリ製品(サービス)が「黎明期にある」「成長過程だ」「成熟している」などのレベルで見るべきだ。包括的にいえば、オフコンやOA機器という第一次需要時期でのピークを越え、その後ネットワークインフラとオープン化というテクノロジでの第二次需要のピーク期が2008年にあたる。これと同時に次のステージ(企業戦略的なIT活用)へ向かう前の踊り場にもあたる。

●SMB市場とは?SMB市場全体を俯瞰するとターゲットが見えてくる。
 まずノークリサーチは中堅・中小企業向け市場(SMB=Small&Medium Business)の位置づけを定義する。基本は年商5億円以上500億円未満の民間企業とする。以下の図表を見て頂きたいが、一口にSMBといっても年商によって市場性格が異なるため中堅企業を3つのクラスに分け合計4つのカテゴリに分けられる。
 
企業数でみると、SMB市場に該当するのは全国で約20万5千社。クラス別では中堅企業3クラス計と中小企業クラスは1対9の構成となっている。

 さらに上場企業は全体で5,100社程度であるが、そのうちSMB市場の比率は60%を超えている。この事実は、年商によるIT投資という単純なクライテリアが通用しない。「新興企業、成長企業」という便宜的な呼び方をされる場合もあるが、SMBはエンタープライズ(大企業)予備軍という見方も実は正しくない。一部でその場合もあるが、SMBはいつの時代にあってもSMBであり、常に重要なIT市場と見なされていて当然である。
 またSMB市場における基幹システムの購入先を見ると、「チャネル販売」の割合が非常に高いことがわかる。参考までにチャネル販売店で、独立系では「大塚商会」「オービック」、メーカ系では「JBCC」「富士通ビジネスシステム」などが大手有力企業だ。

●どうなる08年SMB市場?08年のSMB市場5大キーワード
①SMB市場はパッケージ全盛期の到来
 ~基幹系はERPパッケージへ、情報系・運用管理系のパッケージ普及が進む。
 SMB市場における基幹系システムのパッケージ導入も本格化時代を迎えている。この様子は昨年11月に弊社より発刊した「2007年版中堅中小企業向けERP市場の実態と展望レポート」でも詳しく紹介しており、エンタープライズ市場が踊り場を迎える中で、SMB市場におけるERPパッケージ導入は今まさに拡大期を迎えている様子が伺える。
 SMB市場における情報系アプリケーションの導入は「グループウェア」を筆頭に導入が進んできたが、企業のコアビジネスを担うべき戦略系アプリケーションは未だ導入は顕在化していない。むしろここ数年変化がない。
 08年においても残念ながら「企業戦略的なアプリケーション」という「パッケージ」の導入が進まないことは容易に予測できる。なぜなら「戦略的な経営を行う」のはIT=パッケージではないということが、正しく理解されないためだ。

②SaaSはSMB市場ではスロースタート
 ~業界期待度は高いが、SaaSはソフトではなくアウトソースサービスだ
 SaaSは業界関係者の中では救世主的な扱いを受けているが、実績はまだまだ少なくメディアに登場する事例も大企業が多い。SMB市場においては、現在パッケージ全盛期を迎え、ベンダ各社もSMB向けビジネスモデルが固まりつつある段階で、すぐにSaaSへ方向転換するはずがない。
 
 SMB市場の場合は、目的に対して利便性やコスト面の折り合えさえつけば、提供スタイルはどうでもいいのが特徴だ。例えば、人事管理のアウトソーシングを手掛けるラクラス社のように、提供サービスの中にSaaSが隠れていて、ユーザは人事管理サービスを購入し、SaaSを利用している意識はない。このようなSaaSを取り込んだ○○的サービスの方が判りやすく、SMBには相応しいのかもしれない。
 
 マッシュアップなどのWeb上での組み合わせをユーザ自身が行うことの出来るような形態には数年単位の時間が掛かりそうだ。むしろ中小・小規模企業に対する経済産業省などを中心とする国・団体のIT支援施策で、日本の経済の末端で圧倒多数を占める企業への働きかけが、この層の需要を喚起する可能性を持っている。

③SMB市場のIT投資は「守り」に振れる
 ~「統合・集約化」「仮想化」「内部統制」「セキュリティ」など
 SMB市場は、内部統制、セキュリティ、アウトソース、運用管理などの守りのITに重点をおく傾向がますます強くなる。さらにバラバラに入れすぎたサーバやクライアント、アプリケーションなどの管理や統合などの面での課題が浮き彫りになっている。ユーザアンケート等から得られた投資キーワードも「守り」に大きく振れている。
 
 このトレンドに沿った注目ハードウェアは「ブレードサーバ、シンクライアント」とソフト、アプリケーションでは「運用管理、仮想化」である。

④SMB市場の「戦略系」は依然模索状態が続く
~売り手側にSMBコアビジネスの提案力不足、提供方法を変えても同様。
 SMB市場においても戦略系ITのニーズは間違いなく存在するが、使えるITが存在しない。というよりもSMB市場で使用されるに値するIT機能、価格、提案、サービスを行える売り手がいない。そのためまだ市場になりえない。SFA、CRMに代表される戦略系のITソリューションが、企業のコアビジネスに関わるだけに、多くの売り手が「コアビジネス提案」を出来ない現状からみて、さらに理解の薄いユーザ企業が買うはずもない。
 最近特に戦略系アプリケーションの分野においてSaaS参入がにぎやかであるが、上述の理由からみて導入時のカスタマイズと、使いこなせるまでのアフターフォローが鍵となる。

⑤SMB市場の現場はネットワークコンピューティングによって再起動
 ~本格的なネットワークインフラによってIT資産の有効活用段階へ。
 SMB市場ではネットワークインフラ敷設による本格的なネットワークシステムがようやく完成。ネットワークコンピューティングでの業務システムのリアルタイム処理やデータの一元管理、情報系システム、グループウェアなどの有効利用など、SMB市場では今まで導入していたが十分に活用できていなかったIT資産が本格的な活用段階に入る。
 結局08年にもっとも活発な動きをみせるのが、既存ネットワークコンピューティングのインフラが整ったIT環境での、「ネットワーク利用」の有難さが実感できることになる、というのは多少穿った見方かもしれないが、まだそのレベルにあるといえよう。

当データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ   監修:伊嶋謙二〈イシマ〉 
編集:松延健児〈マツノブ〉
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1712
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