◆背景・課題
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成城石井には、現在600社以上の取引先があり、ここ数年、店舗数/エリアの拡大戦略を進めており、それを支えるインフラを強化すべく、EDIの本格導入と物流センターの稼働に着手しました。
成城石井は輸入品や高品質食材など特徴のある品揃えがセールスポイントで、各店舗の在庫コントロールが重要ですが、従来は仕入れ確定がリアルタイムではなく、店の単品在庫が把握できていないなどの問題があり、仕入れ確定の早期化と在庫情報の精度の向上が求められていました。
また、他店にない珍しい商品を扱うために小規模の取引先企業・生産者が多く、従来は小規模企業向けに独自のWeb-EDIを利用していましたが、入力作業負荷が高いなどの問題があり改善が求められていました。
さらに零細な取引先に対しては、今後もEDIの適用が難しいため、FAXも残しながら新しいシステムに組み込むことが求められました。
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◆新システムの概要とACMSの役割
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流通業界では、企業間電子商取引の標準として20年以上利用されてきたJCA手順を中心とする従来型EDIから、インターネットを活用した企業間取引を実現する新しい規格である流通BMSへの移行が加速しており、成城石井も流通BMSを機軸としたインフラ強化に取り組んでいます。
(1)在庫と仕入れ確定をリアルタイムでシステム化
流通BMSに対応する企業に多くの実績があり、社内アプリケーションとの連携機能も持つDALのB2Bインテグレーション・サーバ「ACMS E2X」を導入。 従来の発注に加え、出荷・受領・返品・支払案内などのデータ種類を追加し、社内の既存基幹システムと連携させることで、精度の高い仕入れ確定を実現する体制を整えました。
(2)中小規模取引先向けに流通BMS対応のクライアント・ソフト「WinWin-EDI」を提供
初めてEDIを導入する取引先でシステムの専門知識がなくても、インターネットにつながるパソコンがあれば、流通BMS対応のEDIを簡単に実現できる「WinWin-EDI」(販売:日本ラッド情報サービス株式会社)を用意。「WinWin-EDI」は、Web-EDIのような利用時の作業負荷がなく、システムの専門知識がなくても受注データから流通BMS形式の出荷データを自動作成し、同梱されているDALの流通BMS対応クライアント・ソフト「ACMS Lite」と連動してデータ送受信を行うことができます。
※「WinWin-EDI」の詳細は以下をご参照ください。
(リンク »)
(3)FAXを利用する取引先もカバーしながら新しい受発注体制を確立
パソコンを利用できない取引先のために、FAXによる受発注をFAX-EOSとして刷新。「ACMS E2X」により基幹システムからの発注書兼納品書のデータをFAXサービスに送信。成城石井の特長でもある希少商品を扱う零細な取引先への対応も考慮しながら、新しい受発注体制を確立します。
成城石井は、既に取引先約350社を対象に説明会を開催しており、2009年2月から本格稼動開始予定です。
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◆株式会社成城石井について
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(リンク »)
成城石井は、首都圏の駅ビルを中心に53 店を展開し、輸入品や高級食材を得意とする食品スーパーチェーンです(売上高406 億円〈2007 年12 月期〉)。1927 年(昭和2 年)に、小田急線・成城学園前で果物、缶詰、菓子を扱う食料品店として創業、76 年(同51 年)に店舗を拡張してスーパーマーケットとなり、88 年(同63 年)の青葉台店を皮切りに多店舗化を開始。店舗数、出展地域を急速に拡大しています。
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◆株式会社データ・アプリケーション(DAL)について
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(リンク »)
DALは、1992年に最初のUNIX向け製品をリリースして以来、EDI(電子データ交換)を中心にデータ交換やシステム連携分野において信頼性の高いパッケージソフトウェアを自社開発して費用対効果の高いライセンス価格で提供する国産ソフトウェア・ベンダとしてリーダーシップを確立。2007年4月ジャスダックに上場しました(JASDAQ:3848)。 DALの「ACMS(Advanced Communication Management System)シリーズ」は、国内64社のビジネス・パートナーを経由して販売され、すでに1000社2900サイトを越える企業のミッションクリティカルなシステムで稼働しています。ACMSシリーズは、メインフレームからPCまで、プラットフォームに依存しないJavaベースで開発されており、基幹システムと連携したB2B環境を容易に構築可能な「ACMS B2B」、企業内外のアプリケーションを統合する「ACMS E2X」、Web-EDIにおけるブラウザ操作を自動化する「ACMS WebAgent」など、システム規模・接続ニーズに応じて充実した製品ラインアップを揃えています。
用語解説
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◆流通BMSについて
流通BMSは、経済産業省の「流通システム標準化事業」のもと、2006年度にグロサリー商材での小売・卸業13社による共同実証を経て、2007年4月に新しいEDIの規格として策定・公開された日本の流通業界における唯一のEDI標準規約です。
通信基盤にはインターネット、データ項目の表現形式にはXMLを採用するなどデータフォーマットや業務プロセスにおいても標準化され、共同実証では、取引先毎のプログラム本数を50分の1に削減できたほか、通信時間を94%短縮できたなどの成果が出ており、今後サプライチェーン全体で業務が効率化されると期待されています。
2007年度はアパレルおよび生鮮へ、2008年度はドラッグストアおよび百貨店業界へと適用対象が拡大され、各業界特有の要件を取り入れながらバージョンアップされています。
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