2011年中堅・中小企業における「販売管理」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場における「販売管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2011-10-19 14:00

<システム連携に伴う自社内運用志向やスマートフォン活用などのニーズを捉え、 ERP内の単なる付加機能に留まらない改善と訴求が今後のシェアに影響してくる> ■シェア上位製品の順位に変化はないが、製品/サービス全体では分散化が進みつつある ■新規導入ではシステム連携の必要性からパッケージの社内人員による運用が増える兆し ■販売管理機能がERP内に付加的に含まれる場合はユーザの潜在的な不満に注意が必要
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年10月19日

2011年中堅・中小企業における「販売管理」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場における「販売管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「販売管理」カテゴリに関する速報である。
※グラフにつきましては下記URLをご参照ください
(リンク »)

<システム連携に伴う自社内運用志向やスマートフォン活用などのニーズを捉え、
ERP内の単なる付加機能に留まらない改善と訴求が今後のシェアに影響してくる>
■シェア上位製品の順位に変化はないが、製品/サービス全体では分散化が進みつつある
■新規導入ではシステム連携の必要性からパッケージの社内人員による運用が増える兆し
■販売管理機能がERP内に付加的に含まれる場合はユーザの潜在的な不満に注意が必要


調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2011年8月
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■シェア上位製品の順位に変化はないが、製品/サービス全体では分散化が進みつつある

以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の「販売管理」製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。※調査対象となった製品/サービスの一覧は末頁の「調査対象製品/サービス一覧」を参照
2010年のシェア上位は「商奉行(21/iシリーズ)」「弥生販売」「SMILEシリーズ」の順であり、2011年も変化がなく同様の順となっている。
全体としては「その他のパッケージ製品またはサービス」の割合がやや上昇しており、シェア上位の製品/サービスを除いた中では製品/サービスの分散化が進んでいる状況といえる。


■新規導入ではシステム連携の必要性からパッケージの社内人員による運用が増える兆し

以下のグラフは「販売管理」製品/サービスの運用形態および端末形態について、導入済みと新規導入予定を比較したものである。
新規導入予定と導入済みの製品/サービスにおける運用形態を比較すると、パッケージの採用が増え、独自開発システムが減るといった「パッケージ化」への流れが依然として続いていることがわかる。ただし、導入済みと新規導入予定でパッケージの運用体制に関する意向を比較すると、「社内人員にて運用」とする比率が高くなっている。
販売管理のデータは営業部門やマーケティング部門、サポート部門といった多くの部門が様々な目的で活用することが多い。そうした自社内でのデータ活用ニーズを踏まえて、自社内運用を選択する場合があるものと推測される。
また、導入済みと新規導入予定で端末環境を比較すると、スマートフォンが1.4%から9.5%と大きく増加している。営業担当者が社外にて見積の作成や確認を行うなど、業務のリアルタイム性を重視した取り組みが今後進む可能性がある。


■販売管理機能がERP内に付加的に含まれる場合はユーザの潜在的な不満に注意が必要

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下から次頁にかけてのグラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」「機能が足りているか」「他システムとの連携手段が整っているか」についてのシェア上位の製品/サービスにおける評価結果である。※評価ポイントの算出方法は次頁末尾を参照
「導入/サポートの価格」はいずれの製品/サービスにおいても比較的良好な評価結果となっている。一方で、「ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用」の評価が低い。これは「販売管理モジュールを含むERP製品/サービスの機能が低い」ということではなく、「ユーザ企業側が販売管理の個別評価を事前に十分に行わないままERPに含まれている販売管理モジュールを利用した場合の評価が低い」ということを示している。
販売管理モジュールを差別化要因としていないERP 製品/サービスの場合、「あまり重要ではないものの、販売管理機能には不満がある」という状態を放置しておくと全体の評価に悪影響を与える可能性があるため、ベンダ側は注意を払っておく必要がある。
この傾向は「機能の充足度」や「他システム連携性」においても同様であり、いずれの項目においても「ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用」における評価は他の製品/サービスと比べて低くなっている。

【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)


■調査対象製品/サービス一覧

今回の調査対象として導入シェアや評価における選択肢として挙げた製品/サービスは以下の通りである。

商魂/ピー・シー・エー
SMILE α 販売管理/OSK(大塚商会)
SMILE ie 販売・購買/OSK(大塚商会)
SMILE BS/is 販売/OSK(大塚商会)
SMILE es 販売/OSK(大塚商会)
商奉行(21シリーズ) / OBC
商奉行i (iシリーズ) / OBC
販売大臣/応研
弥生販売/弥生
MJSLINKⅡ販売大将, Galileopt販売大将,ACELINK Navi CE販売/ミロク情報サービス
Intra-mart販売管理システム/NTTデータイントラマート
GUI-PACK/販売管理(iSeries Siteを含む) / 日本IBM
NC販売くん, GrowOne Cube販売/ニッセイコム
ProPlus販売管理システム/プロシップ
OBIC7販売情報システム/オービック
Bizインテグラル販売, SCAW営業管理システム/NTTデータビズインテグラル, NTTデータビジネスシステムズ(NTTデータシステムズ)
スーパーカクテルデュオ販売/内田洋行
ExePro販売管理/東芝ソリューション
楽商/日本システムテクノロジー
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)


本調査では販売管理の定義を「見積、売上、請求といった販売に伴う管理機能を担うアプリケーション」と定義している。
ERP製品/サービスの中にはベンダ側がERPと称していても、ユーザ企業側では販売管理の機能しか利用しておらず、自社ではERPを導入していないと認識していることも少なくない。逆に単に基幹系業務システムを並べて、販売管理を中心とした簡易な連携機能を備えたものをERPと捉えている場合もある。
本調査では「ユーザ企業がERPと認識している製品/サービスは何か?」を把握することも調査の一環と捉え、「何をERPとするか?」の判断自体をユーザ企業に任せるという手法を取っている。販売管理、会計管理、人事/給与などといった個別のITアプリケーションカテゴリのシェアにどのような製品/サービスが入っているかを併せてみることで、「ベンダ側が考えるERP」とユーザ企業側が捉える「ERP」の違いを見ることができる。
また、販売管理と仕入・在庫管理については製品/サービスによってパッケージが両者に共通のものと別々に分かれているものがある。ユーザ企業の業務としては販売と仕入・在庫で担当者や部門が別になっているケースもあるため、本調査では販売管理と仕入・在庫管理を分けて取り扱っている。


本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
(リンク »)

当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp
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