2011年中堅・中小企業における「メール」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場における「メール」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2011-11-02 14:30

<全体シェアに大きな変化はないが、スマートフォン活用などの環境変化が パッケージ以外の選択を促進する可能性は残されている> ■メールはグループウェアよりも「慣れ」に起因する抵抗が強く、シェアの変動は起きにくい ■スマートフォン活用は今後増加していく可能性が高いが、セキュリティへの配慮が不可欠 ■OSS、ASP/SaaS形態、シェアウェアは価格だけでなく、機能や動作の軽快さでも高評価
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年11月2日

2011年中堅・中小企業における「メール」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場における「メール」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「メール」カテゴリに関する速報である。


<全体シェアに大きな変化はないが、スマートフォン活用などの環境変化が
パッケージ以外の選択を促進する可能性は残されている>
■メールはグループウェアよりも「慣れ」に起因する抵抗が強く、シェアの変動は起きにくい
■スマートフォン活用は今後増加していく可能性が高いが、セキュリティへの配慮が不可欠
■OSS、ASP/SaaS形態、シェアウェアは価格だけでなく、機能や動作の軽快さでも高評価


調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2011年8月
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■メールはグループウェアよりも「慣れ」に起因する抵抗が強く、シェアの変動は起きにくい

以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の「メール」製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。※調査対象となった製品/サービスの一覧は末頁の「調査対象製品/サービス一覧」を参照
2010年のシェア上位は「Microsoft Outlook Express/WindowsMail/WindowsLiveMail」「Microsoft Outlook」「Lotus Notes」の順であった。2011年もこのシェア順位は変わらず、「Microsoft Outlook Express/WindowsMail/WindowsLiveMail」「MicrosoftOutlook」「Lotus Notes」が上位三位を占めている。さらに2010年に四位であった「Mozilla Thunderbird」についても2011年に引き続き四位となっている。
メールはグループウェア以上に「慣れ」に起因するアプリケーション変更への抵抗感が強い。そのため、少なくとも現時点ではグループウェアにおける「Google Apps」のシェア増加のような現象はメールにおける「Gmail」では見られていない。メールの利用方法に何らかの大きな変化がない限り、こうした状況は今後も続くと予想される。


■スマートフォン活用は今後増加していく可能性が高いが、セキュリティへの配慮が不可欠

以下のグラフは「メール」製品/サービスの運用形態および端末形態について、導入済みと新規導入予定を比較したものである。
メールは中堅・中小企業においても広く普及しているアプリケーションであり、パッケージの占める割合が88.9%にも達している。
新規導入予定で独自開発の比率が高いように感じられるが、現状の導入率の高さを踏まえると、これらは自社業務システムと緊密に連携したメール活用など、ある程度特殊なケースに限られると見た方が良い。(ただし、新規導入予定のサンプル数が少なめである点に注意が必要)
スマートフォンの活用については導入済みにおける7.4%に対し、新規導入予定では28.6%と大幅に高くなっている。以前からメール転送などで個人の携帯電話でメールを確認する利用方法が定着していることに加えて、最近のメールシステムはWebブラウザ上でも送受信が可能になっているものが多い。そのため、個人所有のスマートフォンでもメールを送受信するといった運用形態をとりやすいものと考えられる。ただし、個人所有のスマートフォンは自由にアプリケーションを追加できるため、情報漏洩を引き起こすマルウェアへの対策について、ベンダ側からの啓蒙とユーザ側の取り組みが求められてくる。


■OSS、ASP/SaaS形態、シェアウェアは価格だけでなく、機能や動作の軽快さでも高評価

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下から次頁にかけてのグラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」「機能が足りているか」「動作が軽快かどうか」についてのシェア上位の製品/サービスにおける評価結果である。※評価ポイントの算出方法は次頁末尾を参照
「導入/サポートの価格」では「MozillaThunderbird」(OSS)、「Gmail」(ASP/SaaS形態)、「Becky!」(シェアウェア)といったように従来の商用パッケージとは異なる製品/サービスがいずれも高い評価を得ている。注視すべきなのはこれら三つの製品/サービスが「機能の充足度」や「動作の軽快さ」においても高い評価を得ていることだ。「安い製品は機能が低い」「インターネット越しのサービスはレスポンスが悪い」といった評価は過去のものになりつつある。
シェア変動が起きにくい状況ではあるが、従来型の商用パッケージを提供するベンダとしてはOSS、ASP/SaaS形態、シェアウェアを今後の潜在的な競合として意識しておく必要がある。


【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計
(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)


■調査対象製品/サービス一覧

今回の調査対象として導入シェアや評価における選択肢として挙げた製品/サービスは以下の通りである。

Microsoft Outlook Express / Windows Mail /Windows Live Mail/日本マイクロソフト
Microsoft Outlook/日本マイクロソフト
Microsoft Entourage/日本マイクロソフト
Mozilla Thunderbird/Mozilla Foundation
Lotus Notes/日本IBM
Becky! /リムアーツ
Eudora/クアルコム
AL-Mail/クレアル
Shuriken/ジャストシステム
Apple Mail/アップル
電信八号/電八倶楽部
Winbiff/オレンジソフト
秀丸メール(鶴亀メール)/サイトー企画
CyberMail/サイバーソリューションズ
Active!mail/トランスウエア
Gmail/グーグル
OneOffice Mail/ビック東海
アルファメール/大塚商会
Office365 / BPOS(Business Productivity Online Suite) /Exchange Online/日本マイクロソフト
グループウェアに付属のメール機能を利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)


本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照 (リンク »)

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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
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