2017年中堅・中小企業における「会計管理」の導入社数シェアと現状の課題

ノークリサーチは2017年の国内中堅・中小企業における会計管理システムの導入社数シェアと今後のニーズに関する調査を実施し、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2017-09-27 12:00

<アプリケーションの機能だけでは解決できない課題にどう取り組むか?が今後の焦点> ■シェア上位は「勘定奉行」「弥生会計」「GLOVIAシリーズ」だが、主要な年商規模は異なる ■「ASP/SaaS形態」では機能や開発元の保守/サポートに関する不満が相対的にやや高い ■「経費を削減したいが無駄が見つからない」という課題には新たな視点での解決策が必要
PRESSRELEASE(報道関係者各位)2017年9月27日

2017年中堅・中小企業における「会計管理」の導入社数シェアと現状の課題

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2017年の国内中堅・中小企業における会計管理システムの導入社数シェアと今後のニーズに関する調査を実施し、その結果を発表した。本リリースは「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「会計管理」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。
本リリースの内容は以下のURLにも掲載されております。
発行元URLをご案内いただく際は以下のURLの記載をお願い致します。
(リンク »)


<アプリケーションの機能だけでは解決できない課題にどう取り組むか?が今後の焦点>
■シェア上位は「勘定奉行」「弥生会計」「GLOVIAシリーズ」だが、主要な年商規模は異なる
■「ASP/SaaS形態」では機能や開発元の保守/サポートに関する不満が相対的にやや高い
■「経費を削減したいが無駄が見つからない」という課題には新たな視点での解決策が必要


対象企業:日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責:以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期:2017年7月~8月
有効回答件数:1300社(有効回答件数)※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■シェア上位は「勘定奉行」「弥生会計」「GLOVIAシリーズ」だが、主要な年商規模は異なる
以下のグラフは導入済みの主要な「会計管理」製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計したものだ。
「勘定奉行」と「弥生会計」の導入社数シェアがやや突出しており、「GLOVIAシリーズ」「SMILEシリーズ」「PCA会計」がそれに続く形となっている。本リリースの元となる調査レポートでは年商別や導入背景別の集計結果に基づいて、上記のシェア傾向を詳しく分析している。その詳細はここでは割愛するが、「弥生会計」は年商10億円未満、「勘定奉行」は年商10億円以上~100億円未満、「GLOVIAシリーズ」では年商50億円以上~500億円未満での導入が相対的に多いなど、主な訴求対象となる企業規模は製品/サービスによって異なる点に注意する必要がある。


■「ASP/SaaS形態」では機能や開発元の保守/サポートに関する不満が相対的にやや高い
会計管理において昨今注目を集めているのがSaaSを含むクラウド形態の動向である。以下のグラフは導入済みの最も主要な「会計管理」製品/サービスの運用形態を尋ねた結果を年商500億円未満全体で集計し、2016年と2017年で比較したものだ。
2016年と2017年を比較すると、「独自開発システム」に該当する項目の回答割合はいずれも低くなる一方で、「パッケージ」に該当する項目が高くなっている。また、小規模企業を対象としたクラウド形態の会計サービスも注目を集めているが、2016年と2017年を比較すると「ASP/SaaS利用」の回答割合は若干低くなっている。
こうした状況の中、今後の動向を見極める上で有効なのが「導入背景」と「運用形態」との関連性である。調査レポートでは12項目に渡る導入背景を詳しく分析しているが、以下ではそのうちの「機能」と「開発元の保守/サポート」に関する否定的な評価に関する結果を「パッケージ」と「ASP/SaaS利用」で比較した結果を抜粋している。
「パッケージ」と比較すると「ASP/SaaS利用」では「機能がニーズに合致していないが、継続利用している」と「開発元(ベンダ)の保守/サポートに不満があるが、継続利用している」の回答割合が相対的に高くなっている。ここで例示しているのは12項目に渡る「導入背景」の一部に過ぎないが、「ASP/SaaS利用」においては機能や開発元の保守/サポートという点で不満を抱えているユーザ企業が「パッケージ」と比べてやや高くなっている可能性がある。
こうした状況を踏まえると、会計管理における「ASP/SaaS利用」を訴求していくためには「機能」や「開発元の保守/サポート」といった点での更なる取り組みが求められてくると考えられる。


■「経費を削減したいが無駄が見つからない」という課題には新たな視点での解決策が必要
本リリースの元となる調査レポートでは「会計管理」に関する「現状で抱えている課題」や「今後持つべき機能や特徴」を尋ね、その結果を年商別や製品/サービス別に詳しく分析している。例えば「現状で抱えている課題」に関する選択肢は以下の通りである。
【予実管理や経費節減に関連する項目】
・予実管理を迅速かつ正確に行うことができない
・経費を削減したいが無駄がどこにあるかわからない
・出張交通費の精算業務が煩雑で非効率である
【仕訳処理に関連する項目】
・クレジットカードの取引データを取り込めない
・銀行口座の取引データを取り込めない
・仕訳作業がわかりにくく煩雑である
【決算処理に関連する項目】
・決算が年1回のみで経営判断が遅れがちである
・関連企業やグループ企業の状況が把握できない
【会計制度に関連する項目】
・複数企業を跨いだ会計処理が行えない
・特定の国独自の会計制度に対応できない
・国際会計基準(IFRS)に対応できない
【更新/刷新に関する項目】
・バージョンアップが長期間行われていない
・最新バージョンへの移行が困難である
【クラウドに関連する項目】
・パッケージとクラウドを選択/併用できない
・クラウドサービスと連携することができない
【その他】
・導入や保守サポートの費用が高価である
・バージョンアップの費用が高価である
以下のグラフは上記に列挙した「現状で抱えている課題」のうち、年商500億円未満全体において回答割合の高かった項目をプロットしたものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは年商別、従業員数別、地域別などの集計データが含まれる)
「導入/保守の費用に関する課題」(※1)、「他サービスとのデータ連携に関する課題」(※2)、「仕分作業に関する課題」(※3)が挙げられているが、「経費を削減したいが無駄がどこにあるかわからない」ならびに「予実管理を迅速かつ正確に行うことができない」といった項目は更に高い回答割合を示している。
これら2つの課題を解決するためには単に製品/サービスの機能を提供するだけでなく、ユーザ企業の業務に踏み込んだ支援も必要となってくる。こうした取り組みを会計管理を開発/販売するベンダが自ら担うのか、販社/Sierなどのパートナと協力して推進していくのか?といった選択が今後の導入社数シェアにも影響していくと予想される。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査においては、会計管理を「財務会計や管理会計を担うアプリケーション」と定義している。この定義に基づいて、アンケート回答者は会計管理を含む10種類のアプリケーションカテゴリから導入済みのものを選び、さらに選ばれたカテゴリの中から導入済みの製品/サービス名称を選択する。
会計管理の製品/サービスはERPを構成するラインアップの1つとして提供されているものと、単体の会計管理システムとして提供されているものがある。そのため、製品/サービスは同じであっても、ユーザ企業がそれを「ERPの一部」と見なしているのか「個別の基幹系システム」と見なしているのかによって本調査における回答状況は変わってくる。単体の会計管理だけでなく、ERPとしての性格も持ち合わせている場合にはERPに関する調査結果も併せて参照することでより広い情報を得ることができる。また、製品/サービスによっては同一ブランドの中でオンプレミス(社内設置)とクラウドの双方を提供している場合もある。その際はシェアを尋ねる設問と運用形態を尋ねる設問の組み合わせによって、システム形態も含めた状況を把握できるようにしてある。さらに確実な回答を担保するため、製品/サービスによっては「クラウド形態も含む」や「SaaS形態」といった補足を付加している。以下の選択肢は過去の調査結果に基づき、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がない場合には割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

COMPANY会計:ワークスアプリケーションズ
ProActiveE2会計:SCSK
ビズインテグラル会計:NTTデータ・ビズインテグラル
ビズインテグラルSCAW財務管理システム:NTTデータビジネスシステムズ
SuperStream-NX/CORE:スーパーストリーム
OBIC7会計情報システム:オービック
GLOVIASUMMIT/iZ会計/smart会計/きらら会計:富士通
EXPLANNER/Ai:NEC
スーパーカクテルデュオ会計:内田洋行
SMILEシリーズ:OSK(大塚商会)
勘定奉行:OBC(オービックビジネスコンサルタント)
MJSLINK財務大将/Galileopt財務大将/ACELINKNX-CE会計:ミロク情報サービス
DS-martERP会計管理システム:電算システム
弥生会計(クラウド形態も含む):弥生
PCA会計(クラウド形態も含む):ピー・シー・エー
大蔵大臣NX/NXSuper/NXERP:応研
会計王:ソリマチ
経理上手くん:日本ICS
ZeeM会計:クレオ
iSeriesSite(GUI-PACK):日本IBM
GrowOneCube会計:ニッセイコム
記帳くん、経費くん、MJSかんたん!シリーズ:ミロク情報サービス
TKCFX2/FX4:TKC
e21まいスター:TKC
JDLIBEX財務:JDL
OPEN21シリーズ:ICSパートナーズ
財務応援Ai:セイコーエプソン
MONEY:ワークスプロダクツ
達人シリーズ:NTTデータ
Concur(SaaS形態):コンカー
freee(SaaS形態):freee
A-SaaS(SaaS形態):アカウンティング・サース・ジャパン
奉行JPersonal(SaaS形態):OBC(オービックビジネスコンサルタント)
ネットde会計(SaaS形態):パイプドビッツ
MFクラウド会計(SaaS形態):マネーフォワード
ClearWorks会計ワークス(SaaS形態):スマイルワークス
ERPの一機能として利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)

本リリースの元となっている「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
(リンク »)
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
〒120-0034東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL03-5244-6691FAX03-5244-6692
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