2022年 中堅・中小企業は何を基準にして業務アプリケーションを選定するのか?

ノークリサーチは中堅・中小企業の業務アプリケーション導入/更新における全般的な方針に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-11-16 12:30

<ユーザ企業が考える「業務アプリケーション導入/更新の基本方針」を理解することも大切> ■「自動化」ではRPA以外の手段も注目、2023年以降の「法改正」の動向も把握しておくべき ■年商100億円以上では「API連携」「国内データセンタ」「セキュリティ認証」のニーズが高い ■「GLOVIA会計シリーズ」のユーザではデータ分析、「勘定奉行」ではペーパレス化を重視
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2022年11月16日

2022年 中堅・中小企業は何を基準にして業務アプリケーションを選定するのか?

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業の業務アプリケーション導入/更新における全般的な方針に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2022年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<ユーザ企業が考える「業務アプリケーション導入/更新の基本方針」を理解することも大切>
■「自動化」ではRPA以外の手段も注目、2023年以降の「法改正」の動向も把握しておくべき
■年商100億円以上では「API連携」「国内データセンタ」「セキュリティ認証」のニーズが高い
■「GLOVIA会計シリーズ」のユーザではデータ分析、「勘定奉行」ではペーパレス化を重視


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■「自動化」ではRPA以外の手段も注目、2023年以降の「法改正」の動向も把握しておくべき
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」ではERP、生産、会計、販売、人事給与、ワークフロー、グループウェア/ビジネスチャット/Web会議、CRM、BI、文書管理/クラウドストレージの10分野に渡る業務アプリケーションの社数シェアやユーザ評価を集計/分析している。 一方、中堅・中小企業がどのような基本方針で業務アプリケーションの導入/更新を進めているのか?といった全体を俯瞰した視点も大切だ。そこで、同レポートでは「機能」、「運用」、「価格」の3カテゴリ、計20項目の選択肢を設定し、10分野に共通する業務アプリケーション導入/更新の基本方針に関する分析も行っている。以下のグラフはその中から「機能」に関連する項目の一部を中堅・中小企業全体で集計した結果だ。(3カテゴリ、計20項目の詳細については次頁を参照)
上記のグラフにおいては赤帯が示すように、「自動化」と「法改正」が比較的高い値を示している。「自動化」は業務効率改善の有効な手段として引き続き重要なIT活用分野だが、「自動化」=「RPAツールの導入」とは限らない点に注意が必要だ。自動化を実現する手段はERP(例. OSK(大塚商会)の「SMILE V」)、複合機とPaaSの連携(例. リコーの「RICOH カンタンドキュメント活用 for kintone」)などのように多様化しつつある。また、ヒトによる繰り返し操作が多く非効率な業務システムがあった場合はノーコード/ローコード開発ツールを用いて全体を刷新するという抜本的な対処も考えられる。ベンダや販社/SIerは「自動化」の手段を幅広い視点で捉えることが大切だ。また、2022年には「改正電子帳簿法(2年間の猶予あり)」、「改正個人情報保護法」、「改正育児介護休業法」を始めとする様々な法改正が施行されており、2023年も「インボイス制度」などの大きな変化が控えている。そのため「法改正」の動向も把握しておくことが重要となってくる。次頁では年商別に見た時の傾向についても触れる。


■年商100億円以上では「API連携」「国内データセンタ」「セキュリティ認証」のニーズが高い
本リリースの元となる調査レポートでは以下に列挙した3カテゴリ、計20項目の選択肢を提示し、有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して業務アプリケーション導入/更新の基本方針を尋ねている。
<<機能に関連する項目>>
・APIを用いた他社との連携/協業が活発か?を重視する ※1 例) パートナSIerを認定/支援する制度が充実している
・改正電子帳簿法など、各種法制度への対応を重視する 例) 電子取引データの検索/改ざん防止に対応できる
・自動化によって業務効率を改善できるか?を重視する 例) 様々なRPAシステムを連携オプションで選択できる
・個別カスタマイズが不要なアプリケーションを優先する 例) 独自の画面や項目を標準機能の枠内で作成できる
・データ分析による高度な判断が行えるか?を重視する 例) 工場や店舗の稼働データを元にシフトを最適化する
・顧客や取引先と遠隔で対話できるか?を重視する 例) Web会議を用いたセミナーや商談を開催できる
・従業員の働きやすさに貢献できるか?を重視する 例) 従業員同士が交流できる社内SNSを開設できる
・必要な情報を対話的に検索できるか?を重視する 例) チャットを用いて在庫の照会を対話的に行える
・ペーパレス化を推進できるアプリケーションを選ぶ 例) AI-OCRによる紙面読み取りの機能が充実している
・在宅勤務の対応が容易なアプリケーションを選ぶ 例) ビデオ会議が包含されており、いつでも対話できる
・ブラウザのみで利用できるアプリケーションを選ぶ 例) 個々のPCに専用モジュールを導入する必要がない
<<運用に関連する項目>>
・ソフトウェアは所有せず、SaaSのサービスとして利用する 例) 販売管理や生産管理のシステムにもSaaSを採用する
・ソフトウェアは所有するが、運用はデータセンタに任せる 例) パッケージを個別カスタマイズし、IaaS上で運用する
・国内企業が管理/運用する国内のデータセンタを選ぶ ※2 例) 改正個人情報保護法における「越境移転」を回避する
・セキュリティ認証を受けているアプリケーションを選ぶ ※3 例) クラウドセキュリティ認証「ISO27017」を選定条件とする
・サポート終了後も保守事業者を活用して利用を続ける 例) サードパーティ保守業者にシステムの延命を委託する
・開発元や販売元となるベンダを可能な限り集約する 例) 会計管理と販売管理を2製品を1つのERPに集約する
<<価格に関連する項目>>
・購入ではなく、サブスクリプション型の費用体系を選ぶ 例) 会計パッケージを月額支払いのサブスク形式で利用する
・データ量や人数に応じた従量制の課金体系を選ぶ 例) データ容量で課金されるオンラインストレージを利用する
・売上などの成果報酬に基づく課金体系を選ぶ 例) 販売管理システム費用を売上成果の増分に応じて支払う
以下のグラフは上記の中から、 ※1、※2、※3の結果を抜粋し、中堅下位企業層(年商50~100億円)、中堅中位企業層(年商100~300億円)、中堅上位企業層(年商300~500億円)と中堅・中小企業全体で比較したものだ。 ※1や※2は年商100億円以上になると中堅・中小企業全体と比較した時の回答割合が大幅に高くなっている。したがって、年商100億円以上の企業層を顧客とする場合はAPI連携による協業体制やデータセンタの場所や運営企業に関するアピールにも気を配ることが重要となってくる。※3も年商100億円以上における値が相対的に高いが、年商300~500億円の中堅上位企業層では更に高くなっている。IT支出額の高い同年商帯に対しては「セキュリティ認証」を受けた製品/サービスの提示が重要な条件になってくると予想される。次頁ではこうした基本方針と個別の業務アプリケーションとの関連性について述べている。


■「GLOVIA会計シリーズ」のユーザではデータ分析、「勘定奉行」ではペーパレス化を重視
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは前頁までに述べた「業務アプリケーション導入/更新の基本方針」と10分野に渡る業務アプリケーションの導入済み/導入予定の製品/サービスとの関連性についても集計している。
例えば、左記のグラフは10分野の業務アプリケーションの導入済み社数シェアの中から、会計管理における上位10社のデータを抜粋したものだ。
年商500億円未満の中堅・中小企業における会計管理の導入済み社数シェアでは「GLOVIAシリーズ」と「勘定奉行」が同率首位(0.5ポイント未満は同率と見なすため)となっていることがわかる。
そこで、会計管理において「GLOVIA会計シリーズ」と「勘定奉行」を導入済み/導入予定のユーザ企業が業務アプリケーション導入/更新の基本方針として何を重視しているか?を比較したものが以下のグラフだ。グラフには中堅・中小企業全体における値も青帯でプロットされている。
「GLOVIA会計シリーズ」では全体と比べて「APIを用いた他社との連携/協業が活発か?を重視する」と「データ分析による高度な判断が行えるか?を重視する」の回答割合が高い一方、「勘定奉行」においては「ペーパレス化を推進できるアプリケーションを選ぶ」や「データ量や人数に応じた従量制の課金体系を選ぶ」の回答割合が全体平均と比べて高くなっていることがわかる。
このように社数シェアでは拮抗している状態でも、各々のユーザ企業が業務アプリケーションの選定において重視する項目は異なっている場合が少なくない。ベンダや販社/SIerとしては、そうした観点での違いも踏まえながら、ユーザ企業の基本方針に沿った製品/サービスの提案を進めていくことが大切だ。ここでは会計管理に関する集計データの一部を抜粋しているが、調査レポートには10分野の業務アプリケーションについて同様の集計を行った結果が収録されている。

本リリースの元となる調査レポート

『2022年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
10分野に渡る業務アプリケーション(ERP、会計管理、生産管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理、ワークフロー・ビジネスプロセス管理、コラボレーション、CRM、BI、文書管理・オンラインストレージサービス)の導入済み/導入予定の社数シェア、運用形態(オンプレミス/クラウド)、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズを網羅した必携書
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /
50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【全体の構成】
有効回答件数1300社の中堅・中小企業に対して、まず最初に上記に列挙した10分野の業務アプリケーションのうちで 導入済み/導入予定の分野を尋ねる。その後、「導入済み/導入予定」と回答した分野について、製品/サービス名称を列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズ(分野によって選択肢は異なる)を尋ねた結果を集計/分析している。
また、業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針(「サードパーティ保守」「サブスクリプション」「セキュリティ認証」などの20項目に渡るトレンドのうち、ユーザ企業は何を重視するか?)についても尋ねている。 【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の概要】
各分野について20ページ前後からなる分析サマリが計10ファイル、加えて「業務アプリケーションの導入/更新に関する方針」をまとめた分析サマリが1ファイル、合計11ファイルのPDFドキュメントが収録されている。計10分野の分析サマリは以下の章構成となっている。
第1章:製品/サービスの導入状況とシェア動向
製品/サービスの「導入状況」と「製品/サービスの導入社数シェア」を確認した後、最も主要な製品/サービスの「導入年」と「評価概況」についても分析を行っている。
第2章:運用形態と端末環境
最も主要な製品/サービスにおける「運用形態」と「端末環境」について分析を行っている。
第3章:製品/サービスの評価、課題、ニーズ
最も主要な製品/サービスに関して「評価/満足している機能や特徴」「現時点で抱えている課題」「今後持つべきと考える機能や特徴」を尋ねた結果を分析している。さらに、業務アプリケーションの導入/更新に関する全体的な方針を尋ねた設問「P0」と各分野の製品/サービスとの関連についても分析している。
付表:選択肢として記載した製品/サービス一覧
本調査において選択肢に記載された製品/サービスの一覧を掲載している。選択肢に掲載される製品/サービスは過去の調査結果や最新の市場状況を踏まえて選定され、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 (リンク »)
【発刊日】 2022年10月17日 【価格】 180,000円(税別) 特定分野のみの個別販売は行っておりません

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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
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Web: www.norkresearch.co.jp
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