1.市場概況
リネンサプライとは、ホテルなどの宿泊施設や病院、レストラン・飲食店・アミューズメント施設などの店舗、企業や工場等にリネン類をレンタルするサービスである。2025年度の国内リネンサプライ市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比103.6%の5,388億円と5年連続でプラスとなった。
コロナ禍以降、インバウンド需要による観光業の急速な回復を受け、ホテルや旅館等、宿泊施設向けのホテルリネンを中心に市場規模が拡大している。国内リネンサプライ市場規模のプラス要因は、このホテルリネンによるところが大きい。
2.注目トピック~リネンサプライ業界の近年の動き~
近年、リネンサプライ業界では人材が慢性的に不足しており、業務の効率化や積極的な採用活動に取り組んでもなお、人手不足を解消できない現場が多く、加えて従業員の高齢化も進んでいる。
また、政府は観光立国推進基本計画において、2030年までに訪日外国人旅行者数6,000万人という政策目標を掲げており、今後も宿泊施設の利用が拡大することが見込まれる中、特に宿泊施設を支えるリネンサプライ分野の企業にとって人材確保が必要不可欠となる。
こうした中、2027年度から特定技能の対象業種を定める特定産業分野に、新たにリネンサプライ分野が追加される予定である。これにより、リネンサプライ分野の企業でも特定技能の在留資格を有する外国人を雇用することが可能となり、一定の知識やスキルを持つ外国人人材をスムーズに採用できるようになる。
さらに、将来的には在留期間の更新を行うことで上限なく日本で働き続けることができる特定技能2号の対象になる可能性もあり、実現すればリネンサプライ分野における長期的な人材確保につながることが見込まれる。
3.将来展望
2026年度の国内リネンサプライ市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比100.2%の5,398億円とほぼ横ばいで推移すると見込む。2026年度以降は、分野ごとに成長分野と縮小分野の二極化が進むものとみる。
ホテルリネンは、2026年度見込みで前年度比104.0%、2027年度予測でも同102.4%と、引き続き堅調な拡大が続く見通しである。インバウンド需要の回復・拡大を背景に宿泊施設の稼働率が高水準を維持していることが主な要因であり、市場全体に占めるホテルリネンの構成比も、2026年度の38.2%から2027年度には39.2%へと上昇すると予測しており、リネンサプライ市場の牽引役としての存在感をさらに高めると考える。
病院リネン、フードリネン、サービスリネン、産業リネンの各分野も2年連続でプラス成長を維持すると予測しており、いずれも前年度比100~102%台で安定的に推移する見込みである。医療機関における衛生管理需要の底堅さや、コロナ禍で打撃を受けた飲食・サービス業の緩やかな回復が下支えしている。
一方、縮小傾向が続く分野も複数ある。交通リネンは2026年度見込みで前年度比87.2%、2027年度には同82.9%と急速な落ち込みが続くと予測され、航空・鉄道各社によるアメニティ削減や設備・備品の見直しによる維持管理コストを軽減するといった動きが影響するものとみる。
ダイアパーも2026年度見込みで前年度比93.6%、2027年度予測で前年度比93.2%と縮小が続くことが見込まれ、少子化による対象人口の減少が市場規模縮小の構造的な要因として挙げられる。貸おしぼりは、衛生意識の高まりや使い捨て品への代替が進んでおり、緩やかな需要減が続く見通しである。
また、大きく縮小が見込まれる分野がダストコントロールで、2026年度見込みで前年度比95.8%、2027年度予測では同96.2%と回復の兆しは見られるものの、依然として縮小基調が続くと予測する。製造業や流通業における省人化・自動化の進展に伴い、作業員数が減少していることから、これが需要を押し下げていくものとみる。
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調査要綱
1.調査期間: 2026年3月~6月
2.調査対象: 国内有力リネンサプライヤー、リネン品及びリネンサプライ用機器卸・メー カー等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、eメール・電話による取材、郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2026年6月29日
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