働き方改革、DXで拡大するBPO市場--コロナ禍の悪影響を上回る効率化の機運

藤代格 (編集部)

2020-11-30 06:45

 矢野経済研究所(中野区)は11月27日、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場調査を発表した。

 外部への委託が一般的な税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなどの専門サービスを除き、通常は企業内部で実施する業務を対象。

 システム運用管理やコンタクトセンター系業務、人事、福利厚生、総務、経理などの間接部門系業務、営業や購買などの直接部門系業務などを対象に、システムの運用管理業務を代行するIT系BPOと、非IT系BPOに分類している。

 合算した2019年度の市場規模は、事業者売上高ベースで前年比3.3%増、4兆3491億5000万円。内訳はIT系BPO市場規模が4.0%増の2兆5758億3000万円、非IT系BPO市場規模が2.2%増の1兆7733億2000万円になるという。

 新型コロナウイルス感染症流行の悪影響を上回る勢いで、働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった業務の変革、効率化を目指す企業が増加。外出自粛に伴う在宅勤務の普及、拡大もあり、業務最適化と外注化機運の向上を伝えている。

 クラウドサービスの普及に伴うクラウドサービス事業者が提供するデータセンター(DC)の利用拡大、企業の扱うデータ量増大によるDC利用企業の増加など、今後のIT系BPO市場の拡大を予測。

 非IT系BPO市場も人材不足や働き方改革、DXの推進、人材派遣サービスからの切替需要などを背景に、BPOサービス全般に対する需要がより一層向上。堅調に成長するという。

 2020年度の全体の市場規模を、前年度比2.1%増の4兆4390億6000万円と予測。内訳はIT系BPO市場規模が1.5%増の2兆6135億9000万円、非IT系BPO市場規模が2.9%増の1兆8254億7000万円で、プラス成長が継続するとしている。

国内BPO市場規模推移予測(出典:矢野経済研究所) 国内BPO市場規模推移予測(出典:矢野経済研究所)
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