「電源管理システムがSATAディスクを熱と振動から守る」--コパンシステムズ

藤本京子(編集部)

2006-12-08 14:49

 ストレージベンダーとして2002年に設立され、すでに合計9ペタバイト分のストレージを販売した米Copan Systems。SATAディスクを採用した同社のストレージは、特許取得済みの電源管理で高密度を実現した製品だ。

 現在のデータセンタの課題として、Copan Systems エンジニア部門のバイスプレジデント、Priyan Guneratne氏は、データ量が膨大になりつつあることや、電源、冷却、管理コストが増加の一途をたどっていることなどを挙げる。「コンプライアンス対応などで、今後もデータの保存量は増える一方だ。しかしすべてを高速なディスクに保管するとコストがかかる。一方、安価なSATAディスクやテープでは信頼性が十分でない」(Guneratne氏)

 Copanではデータの種類を2つに分けることで、膨大なデータを安価に保存するためのソリューションを提供している。そのデータの種類とは、処理データ(Transactional Data)と持続的データ(Persistent Data)だ。

 処理データは、ビジネスにとってクリティカルなデータを指す。アクセス頻度も高く、データの書き換えも頻繁で、常に新しいデータが生成される。こうしたデータの例としてGuneratne氏は、株式取引やデータベース、ERPなどのデータを挙げる。

 一方の持続的データは、バックアップやアーカイブ、写真・画像など、主に記録用として使われるデータのことだ。こうしたデータは書き換わることはなく、アクセス頻度も低い。保管期間が決まっている病院のカルテなどもこうしたこうしたデータに分類される。

 Copanがフォーカスするのはこの持続的データだ。「持続的データは、データ全体の約80%を占めている。このデータを安価に保存するためのストレージをCopanは提供する」と、同社の西部地区 セールス担当バイスプレジデントのSteve Robinson氏は語る。

 Copanのストレージは、SATA(Serial ATA)ディスクを利用する。SATAディスクは、安価で高速アクセスが可能という特徴があるが、熱や振動に弱い。この弱点をCopanでは、MAID(Massive Arrays of Inactive Disks)という技術を採用し、ポリシーベースでデータアクセス時に必要なドライブのみを稼働する仕組みで解決している。50%以上のドライブは常に電源オフ状態となることから、「熱や振動からSATAディスクを守ることができる。密度の高いストレージが提供できるのも、この電源管理があるからこそだ」とGuneratne氏は説明する。

 例えば、Copanの提供する「Revolution 220TX」は、「448テラバイトの容量に必要なスペースが、EMCのCLARiiON DL740で必要となるスペースの5分の1以下だ」とGuneratne氏。また、3年間で必要な電源や冷却コストも、「CLARiiONより78%少ない」(Guneratne氏)という。

 現在、日本国内におけるCopan製品の販売は、住商情報システムを通じた代理店販売のみ。日本法人の設立などは未定だが、Guneratne氏は「今後このRevolutionシリーズを日本で積極的に販売したい」としている。

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